台風で交通機関の遮断などがあり、一日、予定を変更して東京から孫がやって来た。鉄道オタクの友をつれて、早朝、東京を離れたのだが在来の中央線に乗ってくるのだから気力体力がなければこのような計画は出来ないことである。案の定、中央線から飯田線に乗り換えて、大嵐(おおぞれと云うらしい)で集中豪雨に出遭い河川増水のため2時間ほど立往生するというハプニングがあり、もう就寝したあとに帰阪して来たとのこと。そして、一泊後、早朝、山陰線で鳥取、出雲へと出立して行ったとのことでまだその尊顔を拝していないままになっている。鳥取砂丘には夕刻ついて、夕陽を見るのが愉しみだと出かけて行ったのだが、如何なことなりやと、後日談のお楽しみにしておこう。
昼前、昨日の地蔵尊にお供えした「お下がり」が届けられた。各自がお供えしたのを分け合って届ける風習で、金銭の場合は世話人が適当なものを購入して裾わけるということになっている。昔懐かしい「ふきよせ」「海老満月」「ピーナッツ」「サクマ ドロップス」「カルピスウオーター」「アミノ酸飲料アクティーブ」「神戸居留地アップルジュース」「はじき豆」など、わが子供時代に両親たちがお供えしたお下がりの中に、焼跡を耕して畑にしそこで収穫した「茄子」「胡瓜」「南瓜」「真桑瓜」「莢隠元豆」「とまと」などの野菜もあったことを想起して時代の変化を見せ付けられた。今年もそのなかにあった「はじき豆」は皮が剥けやすいように縦に割れ目が入っていて柔らかく食べられるようになっているが、当時のものは硬くて歯が立たず、無理をすると歯の方が折れてしまう代物であった。有能な大人たちは巾着布袋に入れて腰に付けて海水浴に行くことを教えてくれた。さすれば海水でふやけた豆に適度の塩分がのり絶妙な味になっているという海軍仕込みの知恵を吹聴してくれたものである。
何時も、東京の孫にはこのお下がりを宅急便で送っているのだが、今年は旅行から帰ったら渡そうと思っているところである。
・きょうのわが駄作詠草
遠のいて行く夏雲を仰ぎ見て千年変わらぬ夏思い出を

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