朝起きてテレビの画面は
「つなみ!にげて!」と、福島沖、宮城沖を震源とする地震情報を流し続けていた。すわっ!原発は大丈夫かと、咄嗟に思いが走る。先の東北大地震以来、津波に対する反応には神経質になってしまう。
さて、今年は熊本、鳥取と震災の被害が続いているが、津波となるとまた異なった怯えを感じる。わが大阪では江戸時代この方、近年その例は見られないが、遡れば
『太平記』にもある正平16年(1361)の生々しい記載がある。「七月二十四日には、摂津国難波浦の澳数百町、半時許乾あがりて、無量の魚共沙の上に吻ける程に、傍の浦の海人共、網を巻釣を捨て、我劣じと拾ける処に、又俄に如大山なる潮満来て、漫々たる海に成にければ、数百人の海人共、独も生きて帰は無りけり」という津波による大惨事を想像することができる。他所事と思わず、注意おさおさ怠りのないよう心掛けることを示唆している。大阪ではそのあと現地の警戒が解除され、遇う人の話題がやはり津波の話題が出ていて津波に対する気遣いを感じた。
・きょうのわが駄作詠草
あの人もかの人も思うことありて鏡にうつるわが顔を見て

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