朝起きたら土砂降りだった。梅雨に入って大阪市内では初めての雨である。そして、きょうは太陽が夏至点にあって、一年中で昼が最も長く、夜が最も短い日にあたっているのだが、昼なお暗い、五月闇(さつきやみ)に街は覆われていて夕ぐれが迫っているような日になっている。
庭に雨を避けて親子二匹の野良猫がいる。三匹いた子猫がいつの間にか一匹になっている。親が年老いていてもう子孫を残す元気はないのではと出産の都度思って久しいが、また三匹の子を産んでいるのを見てそのタフさを驚いている。が、一年ほど前から産んだ子の生長を見かけなくなっていて怪訝に思うことが続く。子は産んでも母乳が足らないという栄養失調なのか、カラスやイタチの餌になってしまったのではと、定かなことは判らないのだが自然界でのきびしい戒律が街のなかでも繰り返されているのであろうか。市内でも豪雨による洪水警報が出された空を仰いでいるところである。
あわれなり小動物の行方追う夏でも寒き雨のかなたに
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