とある商店街の会合があった。商店街にトラムを通してにぎわいを進める会の会長の健康状態に問題ができて、その今後の運営に支障があるので、交代を考えてほしいとの要請があった。会合のあとにそのことについての話し合いが持たれた。喧々諤々の意見が出て、後継者の選出に時間がかかった。結果は、代行ということで一応の結論が出たが、以後トラムを通すかどうかの意思表示の打診があった。この街が日本初の「ホコ電天国」をめざす(トランジットモール=自家用自動車の通行を制限し、バス、路面電車、LRT、タクシーなどの公共交通機関だけが優先的に通行できる形態の歩車共存道路)の導入を将来の大目標とする案が出る。要は、マスコミがこの案を取り上げれば、商店街、地域住民に問題意識の高揚が望まれるのではとの意見も出た。
夕暮れが迫る街を歩きながら、トラムが走る日のことを思い描いてみる。
天からの声を信じて秋の道歩けば燦然たりと日が暮れて行く

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