正月も20日の、所謂、正月の祝い納めの日とされた
二十日正月も済んでしまった。
骨正月とも呼ばれ正月用の魚の骨の残りで料理をつくっていた慎ましい時代もあったのだが、睨み鯛どころか何も食べるものがなかった敗戦直後のこと、かろうじて、棒だらやごまめの残りもので、これで
お正月は終りですよと、決め付ける母の声があった。年末に作った
煮しめを火入れしながらよく保存していたものだと今考えたら昔の日本人の粗食への生活の知恵の慎ましやかさや厳しさを忍んでいるところである。
さすれば、街を歩く人にも常日頃と替わらぬ落ち着きを感じていて、ただ、あちらこちらから聞えてくる異国ことばの響きの異様さだけは、時には眠っている猫が目を醒ますことも間々あるようだ。
春を待つこの季節の寸感ではある。
透きとおる声もまたあり春を待つ子供の声も愉しと思う


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