昨日の大阪の新型コロナウイルスによる感染者が121人と100人を初めて超えた史上最高の数値が報じられている。わが街の氏神「廣田神社」の宵宮もひっそりと恭順を示していて明日からの天神まつりでも船渡御(ふなとぎょ)や花火の打ち上げなどもないという。船渡御とは、祭礼などでの神事の一つ。渡御の一種で、神体や神霊を船に乗せて川や海を渡す。広義には、その船を送迎する神事も含む。一般的には、神霊の移った神輿を船に乗せて行われると訊く。要するに生まれてこのかた大阪を離れた事のないものには寂しいかぎりではある。
「紫のふっと膨らむ桔梗かな」とは正岡子規の作品である。子供や孫を愉しませようとと父が屋上に植えてくれた桔梗が今年も花を咲かせてくれた。その花が一輪挿しにさされて部屋にある。その桔梗も最近では6月末から咲くようになり、どんなに炎暑に咲いていようとも、その品がよい紫とさりげない釣鐘型の花の形を見ていると、秋の気配を感じて来るものだ。まだ梅雨明けが伝えられていず、コロナ禍の不気味さのあるなかを、桔梗の紫が気分を鎮めてくれるのは嬉しいことである。
大阪に住み続きいて屋上の桔梗一輪部屋に指し見る


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