東京から帰省中の孫が伊勢に行きたいといい、的矢牡蠣を食べに行こうと、誘われたのだが、不要不急に拘っている老人なので、留守番していると言うと妻は不服そうであったが、娘と出掛けて行った。好天に恵まれていて勿体ないのだが、家猫二匹と家籠もりしている。まだ少し菜の花には早い伊勢路ではあるが、かっては、女流俳人長谷川かな女が詠んだ
「菜の花の昼はたのしき事多し」の作品に誘われて、よく出掛けたことを懐かしんでいる。伊勢と言えば早春の魚貝類のことを想起するのだが、鳥羽あたりで何を物色していることであろうかと、帰宅後の土産話をたのしみにしているところである。
細りいる食を気遣い残し置くパンを漸く口に納める


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