従業員の定休日で鍵を預かっている得意先の今日の業務用納品注文が書かれたメモを見に早朝から働いている。大概はまんえん防止延長を意識しての休業の措置を履行する張り紙が店舗の入り口に貼られ商売がなりたっていない。これでは従業員の十数人いる大型店の経営はどうなって行くのかと他所事ながら懸念している。わが会社に納品に来た、取引問屋二社の運送業者の運転手がこの少ない荷物を見て欲しいと指さしている。一社はあと一軒残ったスーパーの納品荷物の貧弱さを嘆き、他社はわが社の空瓶を回収して帰るのみと、心細いことを云う。どうなって行くのか見通しが立たないオミクロン株による患者の増加数を気にしながら昨日連絡するのを失念した非を誤りながら、つい会社からの外出するなとの愚痴が口を突いて出ている。昵懇にしている知人から、近隣にある卸売り専門の「木津市場」の魚売場に河豚の捌き・てっさ(ふぐ刺)を依頼したものを取りに行くとの連絡を受けているので届けられたものを閲するとなかなかの代物であった。しかし値を訊かれたら高いのか安いのかと、どう思われるのかと危惧して、この暇な時節柄だから正月よりは安いのではとの「おべんちゃら」を云う言葉を考えたりしている。暇な暇な一日ではある。
泥棒の市だという街に入る春の下着が干されていたる


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