今日という日は、あったようで無かったのかもしれない。
昨日、突然のメール。そして電話があり、遠く福岡県より一人の患者さんが、今日来るようになったのだ。
だから、私は昨晩より心の準備をしていた。そして、今朝、店に来ると、なんとパソコンを置いている机の横の絨毯がビッショリと濡れていた。「うう、なんだ?」とおののき、天井を見ると、石膏ボード?の隙間から水がボタボタと零れ落ちていた。
すぐに、六階に住む大家さんをたたき起こし(まだ、寝ていたらしい)、二階の部屋の住人を呼び出した。(もう、起きていたらしい。あたり前だね)
聞くと、トイレの水タンクの中の「浮き」が引っ掛かっていて、水がズ〜〜〜ッと出っ放しになっていたことに気付かずに、部屋イッパイに溢れたらしい。(ドアの外まで流れ出ていた)
すぐにその筋の(あの筋ではない)修理やさんを呼んでもらったけど、こんな場合は、コンクリートに染み込んでいるので、程度にもよるが、一週間も水漏れが続くこともあるらしい。そして、それは手の施し様がないという。冗談じゃない!! ったく!
そんなことで、午前中はつぶれ、福岡からのお客さんが来てしまった。そんな遠隔地から来てくれる訳だから、症状もそれなりに酷いことが想像出きる。だからこそ、昨晩から心の準備をしていたのだ。
まるで梅雨の軒下の雨だれに佇むカエルのような趣きで、粛々と施術は続き、なんと、それは2時間を超えた。ありえない時間だ。でも、その時間は私にとって、いつもの約1時間と変わりなく思えた。わざわざ、遠くから来てくれているのだから、出来るだけのことはしたいと思っていた。
治療が終わり、遅い昼食に誘った。そう、彼は私のネット友達でもある。私の友人が仕事をしているトンカツ屋さんに行ったら、なんと定休日だった。しかたなく、駅までの道すがらのお店に寄ろうと思っていたのに、話しに夢中になって、気が付いたら、もう駅までにウドン屋さんしか無かった。ここの海老天どん+ざるうどんセットは安いのに、メチャ美味かった。
そこで、またまた話しが弾み楽しかった。話しの中で、彼と私は6年前に竹田の川で遇い、言葉を交わしたことがあることが判った。私は忘れていたけれど、彼はその時のことをよく覚えていて、私も思い出した。やっぱり縁があったのだなあ、と嬉しく思った。私は、そんなささいな出来事を大切に覚えている人を尊敬します。
今日の治療代は二人の昼食代に使おうと思っていたんだけど、安くあがった。(笑)しかも、美味くてボリュームもあって大満足。だけど、本当に満足したのは、そんなことじゃない。彼と共有出来た時間、そしてそこに交わり流れた空気、言葉。
彼がそばにいたら、もっと、よりよく治療してあげられるのに、それが心残り。
店に戻ると、天井からの水漏れは止っていた。
そして、この日、他の予約は入らなかった。
とても、充実したようで、でも、なにか物足りなさが残った日。
でも、そうか! 今日は彼のための日だったということで…。
わざわざ来てくれて、ありがとう!

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