静かなお盆を過ごしている。
昨日は両親のお墓参りに行った。いつものように、大分市を一望して、昔のこと、今のこと、将来のことなどを思い浮かべた。
夜は、前日になって突然帰って来た二人の子供達と共に、久し振りに家族四人が揃ったので、パークプレイスに行って色々と見て周り、食事をした。
なんと、今年、新社会人になった長男が、形ばかりのボーナスの他に報奨金を貰ったので食事代を出すと言う。うん、まあ、それも良いことだ。^^
豊後牛を使っているという焼肉屋さんに入った。さすが、なかなか美味い焼肉だった。けど…。 なにやら頭が痛いし体調も悪かった。生ビールを飲んだら、さらにきつくなってしまった。
その日の朝、墓参りから帰って、以前より予定していた庭の草取りを女房と実行したのだ。炎天下の下で…ね。
庭掃除には慣れている女房は、門を入ったすぐ横の
家の陰になっている場所を、きっちりと綺麗に片付けていた。さすがだ。
ワタシは門から玄関、そこから奥まで続く庭を完全に片付けるつもりだったのだ。
直射日光をマトモに受けながら、それでもワタシは帽子、顔を覆うタオル、長袖のシャツ、ズボンまでホースで水をかけ、気化熱で涼しくなるはずの恰好で草ボウボウの庭に挑んだ…はずだった。
以前から使っていた家庭用の草刈機は、たぶん使えないだろうからと期待していた庭木用の電動ノコは去年使って以来、そのままにしていたらサビ付いていて、これもダメだった。カマも無かったので、長柄のノコギリで草を薙ぎ切っていったのだけど体力が続かない。^^;
それにしても「草を薙ぎ切る」って、そこは大きな庭石がいくつも並び、もともと小石を水になぞらえた池風の、りっぱな庭だったのだ。^^;
数年前までは、この庭を維持する為に、年間うん十万の経費がかかっていた。子供二人が大学に行くようになり、それは途絶えた。庭は荒れた。
しかし、庭は荒れても、ワタシを含め家族の心は荒れるどころか、いつも豊かに躍動している。だから、いいのだ。それでいいのだ。
それにしても…。
女房は午前中に自分が決めた10坪程の場所を綺麗にした。ワタシは…、自分が意気込んで予定していた範囲の何割が出来たのだろう? 120坪の庭園の一割も出来なかった。まして、それが終わってから裏庭の草刈もと思っていたのに、午後からは昼寝をしたら、とてもやる気は無くて、やめたのだから。
まあ、家のことになると、いつもこんな調子だ。出来ない目標。それも普段はしてないことをしようというのに。
そして体調不良…。 我ながら馬鹿としかいいようがない!
今朝、まだ世が明けぬ頃、夢を見ていた。かなり現実的な夢だった。
そして、だんだんと夢から覚めてきた。開けた窓の外から大雨が降る音がしていた。ザアザアと振る雨。屋根や木々を叩く音。
こんな大雨が降っているのに老犬レオが吠えていないなあ、と思っていた。きっと吠え出すはずだ。今に吠え出すはずだ。たぶん、この雨は目が覚めるちょっと前から降り始めたのだろう。
突然、レオが吠え始めた。やっぱりなあ。
時計を見る。朝、四時だった。ワタシが動かない限り、このままレオは吠え続けるだろう。ワタシは起きて玄関に下りた。夜、友達と遊びに行った長男は、まだ帰っていなかった。
外に出る。
雨は降っていない。
庭は相変わらず乾いたままで、夏の朝を迎えようとしていた。
ワタシはレオを散歩に連れていった。すぐに帰り、しばらくテレビを見ていた。フロリダのマナティの楽園の番組だった。
息子が帰ってきた。
ワタシは「おう!」と言った。
息子は「ああ」と言って寝室に行ってしまった。
ワタシはまたベッドに戻って一眠りをした。
起きると頭痛は消えていた。
あの大雨はなんだったのだろう?
やや上に向けて、一晩中回していた扇風機を止めた。静寂の中で雨を降らしたのは
コイツだったのだろう。
すでに庭では、セミ達が今日の仕事に励んでいる。
青い夏空が広がっている。
お盆は静かに過ごすのがいい。
しかし今日からワタシは仕事だ。

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