2012/10/7

系統の異なる二種類のカンボジア絹絞り  技巧・意匠・素材




クリックすると元のサイズで表示します

●クメール系(仏教様式)
製作地 カンボジア南部  
製作年代(推定) 20世紀前期
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料、化学染料 / 巻き締め絞り、縫い締め絞り



クリックすると元のサイズで表示します

●チャム系(イスラーム様式)
製作地 カンボジア南部  
製作年代(推定) 19世紀後半〜20世紀初め
素材/技法 絹ダマスク地、天然染料 / 巻き締め絞り、縫い締め絞り

宮廷儀礼用に生み出されたカンボジアの絹絞り、その残存する作品の中に、表情・雰囲気の異なる二つの系統の作例を見い出すことができます。

画像上は、カンボウジュ種シルクの未精錬糸平織り地をベースに、王国を守護する蛇龍神”ナーガ”が染め描かれたもの、画像下はシルクダマスク地(地上げ紋織り地)をベースに、花格子の幾何学文が染め描かれたもの、色柄とともに布の素材遣いも異なる二作品となります。

20世紀後半の長きにわたる内戦とクメールルージュの圧政下、宮廷染織に関する資料や作品そのもの、また染め織りの人材を含めて、その多くが失われてしまったため、今では推測の域を出ませんが、クメール人の手による”仏教様式”、チャム人の手による”イスラーム様式”、異なる系譜の作品が並行してつくられていたとも考えることができます。





●本記事内容に関する参考(推奨)文献
  



コメントを書く


この記事にはコメントを投稿できません




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ