2015/12/12
江戸初中期 木綿地・染め分け型染め布 染織

製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 17世紀−18世紀初め 江戸時代初中期
素材/技法 木綿、天然染料(顔料) / 型染、片面染め
国産木綿と特定できる短繊維紡ぎのザックリした織り地に、”散らし模様(黄)・青海波うさぎ(茶)・梅唐草模様(黒)”が段状に染め描かれた、三色染め分けの型染め布。
本型染め裂は、袋物の裏地とされ使用頻度の少ないまま保存されてきたため、劣化が進まずに残っていたもので、江戸初中期の色定着の不充分な顔料摺り込みの多色型染布が、三百年の時を経ながら全色とも力強い色味を保ち続けているのは奇跡的と言うことができます。
現代の目には素朴な布と映りますが、当時としては高度な職人手仕事が掛けられた木綿地・型染め布であり、糸・色・模様のそれぞれから、時代に固有の色香が濃密に薫ってまいります。
当初は何の使用目的のために作られたモノなのか、想像を巡らせるのも愉しい一枚です。



