2016/5/3

19c インド・ヴァラナシ ”金モール”織物裂  染織



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製作地 インド・ウッタルプラデッシュ州 ヴァラナシ  製作年代 19世紀
素材/技法 絹、金モール(撚金糸)/平地、緯紋織(金モール)
サイズ 14.5cm×43cm


ヴァラナシはヒンドゥの聖地であるとともに、近郊に仏教の聖地(初転法輪の地)サルナートを擁する宗教の都として古代からの長い歴史を刻んできた街ですが、近世ムガル帝国の時代にはダッカ(現バングラデシュ)と並ぶイスラーム宮廷織物の最盛地として栄えた土地でもあります。

本品はムスリム女性用のヴェール(オドニ)の布端ボーダー部分と考えられる裂で、経糸に茶色の絹撚糸、緯糸に臙脂・濃藍・緑の絹不撚糸を配した平織り地をベースに、茶色の絹芯糸に金(切金)が巻かれた金モール糸(”モール”は”ムガル”が語源)により、細密な”ダイヤモンド菱文”の連続で構成されるエンドボーダーとしての文様が緻密に織り込まれた作品です。

深みのある臙脂赤の絹地に、肉眼では確認できないほど細密なつくりの金モール糸(撚金糸)が精緻なうえにも精緻に織り込まれており、19世紀当時のインド・ブロケード織物の技術の高さが伺われますが、特筆すべきは、百数十年を経過してなお金モールの金がほとんど剥がれ落ちていないことで、撚金糸を製作する職人の技術の高さにも圧倒される想いがいたします。

素材・技術・製作の背景を含めて、そのすべての要素が今では失われしもの、土地と時代、歴史の浪漫が薫るインド・アンティーク染織及び金モール織物の逸品裂です。



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●参考画像 上ボーダー裂と同種と推察されるヴァラナシ・金モール織物
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製作年代 19世紀
種類 ムスリム女性用のヴェール(オドニ)

※上画像はRoli Books刊「SILK BROCADES」より転載いたしております




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
  




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