2017/5/23

19c末〜20c初 儀礼用・絹絞り染め布  染織




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製作地 カンボジア南部
製作年代(推定) 19世紀末〜20世紀初め
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料 / 巻き締め絞り、縫い締め絞り
サイズ 78cm×79cm

カンボジア南部の地で19世紀末〜20世紀初めに手掛けられた儀礼用の絹絞り染め布。

本布のような四隅にコーナー柄を有する正方形に近い作品は、儀礼用の頭巾”キエト”或いは袱紗(小型のふろしき)として用いられたと考えられています。本品は約80cm四方の大きさがあり、頭巾として用いられた可能性が高いと推察できるところとなります。

カンボウジュ種絹を素材とする柔らかくかつ目の詰んだ上質な平織り布を台地に、四隅に縫い締め絞りの三重の弧文様、中央部には大小の一目絞りが菱格子状に配され、黄茶色の下染めのうえに鉄媒染によるラック染めと思われる紫掛かった臙脂色の染めがなされたもので、繊細な手仕事による絞りと深みのある天然染色の色彩に得も言われぬ豊かな味わいが感じられます。

特筆すべきは、この種の正方形・左右上下対称柄の絞り染めは布を折り畳んで”重ね絞り”を行なうのが通常ですが、本作品は一目ごと個別に巻き・縫いの絞りを行なっている点で、ディテイルを良く見るとパターンをわざと崩す遊びの要素を目にすることができ、相当に手の込んだ特殊な技巧が加えられている様子を確認できます。

布全形がしっかり保たれた本デザイン様式・サイズの絹絞りは極めて貴重なもの、現在では失われし伝統の所産であり、幻の染織とも呼ばれる稀少性・資料的価値を有する染織作品です。






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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
  



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