2018/2/21

信仰の意匠 ベンジャロン合子&散蓮華  古陶磁




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製作地 中国・江西省 景徳鎮 Jingdezhen ※上絵付け及び錦窯焼成は広州の可能性あり
製作年代(推定) 19世紀
渡来地・使用地 シャム王国 チャクリー王朝期
素材/技法 白磁胎、五彩(上絵付け)


この色絵磁器”ベンジャロン(Bencharong)”は、大航海時代の到来・陸海交易路の発達をもとに海外との交易により国の繁栄を築き上げ4百余年にわたる覇権を維持した“アユタヤ王朝(1351年〜1767年)”が、当時高度な製磁技術で世界をリードしていた中国に発注し製作が始まったもので、“ベンジャロン”の名称は中国名の”五彩”がサンスクリット語に訳されたものとなります。

”ベンジャロン”の製作地は中国・江西省の景徳鎮であることが研究文献及び窯址出土の陶片により確認されますが、貿易港広州地域の窯址からの陶片発見も伝わり、景徳鎮での白磁胎焼成後に、広州地域で上絵付けと錦窯焼成がなされた品モノがある可能性が指摘されております。

描かれるモチーフは多様で、中国的な花鳥模様及びその影響を受けつつ独自性が加わったデザインが多く見受けられますが、中には本作品に見られるような仏教・ヒンドゥの神話的モチーフ、シャム王国オリジナルと考察されるデザインも少なからず含まれており、これらは王国における宮廷儀礼・宗教儀礼に用いられるとともに来賓への贈呈物とされたことが知られます。

当時のシャム宮廷儀礼・宗教儀礼において、噛み嗜好品”蒟醤(キンマ・キンマーク)”の使用は欠かすことができないものであり、この合子と散蓮華もキンマ用の宮廷・貴族調度品として作られたものと推察されます。信仰の道具としての格調の高さが感じられる作品です。


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●本記事内容に関する参考(推奨)文献



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