2009/5/29

スラウェシ島トラジャ人のための古渡り更紗(とモチーフの起源)  技巧・意匠・素材

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インドネシア・スラウェシ島の中南部山岳地帯に生活する”トラジャ人”の間では、数百年にわたり、インドからもたらされた”インド更紗”が、儀礼用の聖なる布”マア”として伝世されてきました。

大航海時代、インド更紗は東南アジア・ヨーロッパ・日本等の世界中に運ばれましたが、渡り先の志向に沿った意匠(デザイン・モチーフ)のものが手掛けられる場合があり、この”女性文様”は、スラウェシ島に運ばれた古渡りインド更紗の典型的作例の一つと考えられております。

この女性文様の更紗は、トラジャ人の間では”インドゥパレ=豊穣の女神”と呼ばれ、稲作と水牛の豊穣を祈願する儀礼布、また葬祭用の儀礼布として扱われてきたものですが、モチーフの起源はこの更紗の製作地であるインド北西部のグジャラート州・ラージャスタン州にあります。

画像下の絵画は、グジャラート州で15世紀に描かれたヒンドゥ(ジャイナ)経典の挿絵で、幼少のクリシュナ神と養母の牧女が描かれており、この牧女の衣の纏い方や大きな耳飾やネックレス等、更紗のモチーフと相似することが確認できます。

更紗の女性は、弦楽器ヴィーナを携え、手にオウム(インコ)をとまらせていますが、これはインド北西部の細密画で良く描かれるモチーフであり、つまりは、このスラウェシ島トラジャ人向けの女性文様インド更紗は、15c〜17cあたりのインド細密画がモチーフの起源と推定できます。

インド細密画 → インド更紗 → インドネシアの聖なる布”マア”、奥深いものを感じます。
(画像下の絵画はVictoria & Albert Museum所蔵のもの(部分))




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