2011/2/17

ムルシダバード 19c絹ブロケード”バルチャー”(1)  染織



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製作地 インド・ウェストベンガル州 ムルシダバード  
製作年代(推定) 19世紀半ば〜後半
素材/技法 絹、天然染料 / 空引機(ナクシャ)による縫取織及び緯紋織

ムルシダバードはムガル帝国衰退後の18世紀初頭以降、イギリス東インド会社の庇護(支配)のもとムスリム宮廷として栄えた土地であり、ムガル帝国を離れた染織・絵画をはじめとする宮廷おかかえの職人たちが新天地を求めて集い、宮廷様式とコロニアル様式の混交した、独自のデザイン様式と空気感を纏った手工芸文化を花開かせました。

ムルシダバードのバルチャーには宮廷絹織物の職人が集い、この地方の貴族・富裕階級向けに空引機による最高級の絹ブロケード・サリーを手掛け、その独自の意匠を有する織物には村(コミュニティ)の名前”バルチャー”が付されました。“鉄道客車”のデザインは、19世紀半ばに英国により敷設された鉄道への憧れが反映した貴族趣味及びコロニアル様式のモチーフとなります。

ムガル帝国の終焉、英国植民地支配の深化... 煌びやかさの中に世紀末の空気感・終末観が薫る絹織物であり、実際に、ジャカード織機(機械紋織機)の流通と人々の嗜好の変化により、この”バルチャー”は20世紀初頭には役割を終え姿を消すこととなります。

同時代にシェカワティ地方で描かれたフレスコ画(下)とも共通する薫りのある絹織物です。


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インド・ラージャスタン州シェカワティ地方の貴族邸宅に描かれたフレスコ画(19c)



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