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2009/4/23

Eles moram no fado.  2009年リスボン日記

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今日はファド博物館で行われた「FADO MARIALVA」という本の出版記念会へ行って来た。ゲストでジョアナ・アメンドエイラ(写真)やヴィセンテ・ダ・カマラ、詩人のダニエル・ゴウヴェイラ等が訪れファドを披露した。

ジョアナのファドは5年半前に日本で聴いて以来だったけど、深みが増してさらに素晴らしくなっていた。大きなコンサートもこなす歌手だけど、大げさな表現を彼女はしない。静かに響く声に込められたファドが客席を虜にした。そして、今回は詩人が歌うファドも聴く事ができた。彼らのファドはまた違う味わいがある。声量や音楽的技術は他のファディスタとは比べられないが、言葉運びがやはりいい。一字一句全てを生かした語るようなファドが聴けてとてもいい一時を過ごす事が出来たが、今夜はこれだけでは終らなかった。
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会のあとに、同席していたパテオのカルロス夫妻とアルファマの「Sr.Fado」という小さなお店で夕食をとった。ファディスタのアナ・マリナさんとギタリストのドゥアルテ・サントス夫妻のお店だったのだが、こちらで本当にいい時間を過ごさせてもらった。

偶然にもファド博物館でポルトガルギターを学んでいるグループや、先ほどの会に出席していた詩人のダニエルさんがふらりとやってきた。顔見知りだったり、共通の知り合いがそれぞれいたりして、全員で和気藹々と食事を楽しんだ。日本語が話せる人までいたのには驚いた。そして食事がひと段落するとおもむろに皆が楽器を取り出してファドが始まった。

なんとポルトガルギター4人にヴィオラ3人。ゆわゆる「ファド・ヴァディオ」で、プロはお店のヴィオラ奏者一人だけだった。途中で演奏がおかしくなりかねないシーンもあったけど、みんな好きで弾きたい人ばかりだったので、みんながウキウキしていて全然気にならなかった。誰からともなく一曲目が始まると常連が顔をだし、私も歌い、音につられてさらに人が集まり、気が付けば2時間ほど演奏が続いていた。飾らずに笑い、教えあいながら演奏する姿に「みんなファドに生きているんだな」と感じた。お店の夫妻の人柄のよさが人を集めているのもわかった。きちんと友人やお客をもてなして美味しいお料理を出してくれたご夫妻が一番楽しんでいた。決して大きいお店ではないし、お金持ちに見えるわけではなかったけれど、ファドと共に人生を豊かに楽しく過ごしている二人の姿は眩しかった。ファドが人と人を結んでいた。
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詩人のダニエルさんが帰り際に、自分の作品を集めたCDにメッセージを書いてプレゼントしてくれた。そしてこう言ってくれた。「実は以前テレビで君の歌を聴いていたんだよ。あの時の緊張していた君の歌を聴いて、正直『また日本人が歌っているな』ぐらいにしか思わなかったんだけど、今日は違った。やわらかだったし、ファドの心に溢れていたし、あの時よりはるかによかった。君の歌が気に入ったよ。」

これだけはっきり言ってくれたことが私は嬉しかった。ただ外国人が歌っているというところではなく、私の歌そのものに今日触れてもらえたことが。じっくりと歌いつづけようと思う。



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