『女忍かげろう組』
放送日:1990年4月7日 日本テレビ(妖艶時代劇スペシャル)
監督:矢田清巳 原案・脚本:葉村彰子
1990年―テレビの時代劇が好調で、NHKも民放各局もこぞって連続時代劇をやっていた頃です。当時の新聞(朝日新聞1990.03.23夕刊)によれば、視聴率も『水戸黄門』の30%台を筆頭に、どの番組もおおむね10〜20%台をキープ。
今は、“時代劇”と銘打ったレギュラー枠を持っているのはNHKとテレビ東京、テレビ朝日。
そのテレビ朝日も、現在放送中の『素浪人・月影兵庫』を最後に火曜時代劇をやめてしまうそうで、映演労連・全東映労連(東映の労働組合)に事務局をおいた“時代劇復興委員会”が時代劇を守ろうという趣旨で署名活動を行っています。
http://zentoei.sakura.ne.jp/wordpress/?p=141
ハナシを元に戻して
1990年の4月番組改編期には、民放各局があわせて13本の単発のスペシャル時代劇を放送しました。その一つが『女忍かげろう組』。
春日局(藤間紫)配下の女忍者チーム“かげろう組”。頭領は陽炎(多岐川裕美)
肥前大村藩のお家騒動に乗じて取り潰しを進めようとする松平伊豆守(神山繁)、その意を受けて動く柳生但馬守宗矩(佐野浅夫)と裏柳生だか影柳生だかの柳生十市兵衛(伊吹吾朗)。大村家中のお家騒動というのは、次席家老・脇坂主膳(南原宏治)によるお家乗っ取り=自分の息子・圭之進(本田博太郎)を藩主・大村純信(水上保広)の世継ぎにすえようという画策です。それに対し、閉門蟄居中の国家老・菊井甚左衛門(根上淳)は娘・千鶴(浜田朱里)を江戸に送り春日局(藤間紫)に直訴しようとしました。何者かに襲われた千鶴を陽炎たちが助け、春日局の命の下、かげろう組が大村藩に入り込んで悪家老らをやっつけるという物語。
脇坂主膳は、修羅道士(ハル・ゴールド)を引き入れ、その妖術で大村純信の側室・阿亀の方(八神康子)を操り、毒飼いによって純信を暗殺しようとしていたのです。脇坂主膳と結託しているのが、千々岩屋伍兵衛(名和宏)、二足の草鞋の婆羅門屋の権蔵(深江章吾)。かげろう組は、阿亀の方の腰元として茜(清水美砂)、千々岩屋へは武家の妻女姿の香(高倉美貴)、権蔵の賭場へ艶(鮎川いずみ)、同じく女郎屋へは胡蝶(柏原芳恵)を送り込む。
胡蝶は、対圭之進戦略なのです。
圭之進が婆羅門屋で足抜け女郎を折檻中、赤猿(左とん平)が胡蝶を連れてやってくる。胡蝶のあまりの山出し娘ぶりに女将のおふじ(白石奈緒美)はあきれ返るが、圭之進は折檻を放り出して品定めに来て彼女は拾い物だという。お目が高いのが命取り。
無関心・無頓着な口のきき様をする圭之進ですが、突然狂ったように粗暴な振る舞いに及ぶ変質気味の若様。暴力の対象は男でも女でも可ですが、磨き上げて別人のような胡蝶相手なら格別でさっそく落花狼藉。襖をバリバリ掻いて奇声をあげる圭之進もまた格別。
女忍者の術のチョウチョは漫画か!?とは思うけれど、娯楽ですから妖艶時代劇ですから、若手女忍たち、ラストの立ち回りでは網タイツ姿になってくれてナカナカ結構。
かげろう組のメンバーをちゃんと挙げておくと
陽炎・頭領:多岐川裕美
胡蝶・二番:柏原芳恵
茜・四番:清水美砂
香・三番:高倉美貴
赤猿・番外:左とん平
艶・一番:鮎川いずみ
クレジットにはこの順番で出てきて、頭領→二番(頭領が一番ってことか)→四番(おや、三番は欠番か?)→三番(あれ?)→番外(へ?男は物の数にはいらねぇのかい)→一番(何だ、頭領が一番じゃなかったんだ)デシタ。

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