博太郎さんと哀川翔の共演は、数年前の『デコトラの鷲会津・喜多方・人情街道!』(2004.10.02)の記憶のせいかいくつもあるような気がしますが、映画では『実録・安藤組外伝 餓狼の掟』(2002.04.13)、『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(1999.11.27)、『この胸のときめきを』(1988.10.08)くらいかな?
『実録・安藤組外伝 餓狼の掟』
公開日:2002年4月13日 東映 VHSが出ています。VRTB01072
監督:梶間俊一 脚色:田部俊行
初っ端、どう見たってオッサンの哀川翔が明治大学ラグビー部の花形敬、やはりオッサンの今井雅之が城南大学ボクシング部の伊沢辰夫として学生服姿で出てきますが、笑い転げてはイケマセン。・・・パク・ヨンハの『君が最高!』のミュージック・クリップDVDの博太郎さん&田中要次の高校生姿は笑い転げても可。
花形敬が喧嘩三昧の学生だった昭和25年から、何者かに殺される昭和38年の間の話。昭和30年代はこのごろ映画でお馴染みですが、『餓狼の掟』でも町の看板とか部屋の様子とか、自動車などしっかりレトロっぽく出来ています。
花形は伊沢に連れられて澁東興産の安藤昇(渡辺裕之)の子分になり、安藤組の素手ゴロとして名をはせます。しかし、戦後の混乱期を脱し、愚連隊から発して澁谷一円に勢力を張った安藤組も性格を変えいくと、本質的に武闘派だった花形はどうやら適応できなかったらしい。ビデオのジャケットには安藤昇氏(映画の中でも回顧する安藤昇として出演)の言葉で“体の中に一匹の狼を飼っていた”とありまして、血を求めるかのように暴れる花形は仲間の伊沢でさえもてあますほど・・・というわけで、最後には何者かが放った刺客が花形を襲うのであります。
その刺客が誰あろう、本田博太郎!役名は、
キネマ旬報データベースによると神崎。
いかにも博太郎さんらしい刺客です。ドンとあたって一度二度、突き放されてもさらにもう一度と深くえぐる様に刺す・・・花形ひとりに対し二人掛りですけど。何が博太郎さんらしいって、花形を襲った後、駆け去る様子。刃を持った右手をこれ見よがしに広げて走ってゆくのが、ほとんどチャンバラごっこの男の子。『秘太刀 馬の骨』の内藤半左衛門もそんな感じで、なんとはなし微笑ましかったです。
『実録・安藤組外伝 餓狼の掟』での博太郎さんのセリフ?うなり声だけです。
刑事役の木村栄、屋台のオヤジの小林勝彦がいい感じ。
前々からフィギュアスケートの浅田真央が誰かに似てるなぁと思っていたんですが、花形敬の妻(敬が服役してる間に離婚しますが・・・)、奈津子役の大河内奈々子に似てたんだね。
それにしても、まぁ、『安藤組ナントカ』って
『安藤組外伝 群狼の系譜』シリーズ、『安藤組外伝 掟』と『実録・安藤組外伝 餓狼の掟』・・・“狼”と“掟”ばかりですね。1970年代の作品を除くと、狼とも掟ともついてないのは『実録 安藤組外伝 地獄道』だけではなかろうか?

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