『警視庁鑑識班2004 第3話』(DVDは、VPBX12064)
放送日:2004年1月28日 日本テレビ
監督:下村 優 脚本:松本 稔
ラテ欄サブタイトルは“指紋と会話する女が暴く不倫生活の裏側”
“指紋と会話する女”とは、指紋係の伊村博美(雛形あきこ)。事件は、銀行勤めの若い女性・大原亜紀(早川亜希)の殺害。
指紋は、マンション2階の亜紀の部屋へ通じる排水パイプ、ベランダの手すりからたくさん見つかるんです。また、マンション玄関のオートロックのプッシュボタン、亜紀の部屋番号とは1つ違うボタンからも指紋が採取されます。菊地警部(三浦浩一)らは、ベランダに指紋を残した男、亜紀の高校の後輩・坂巻洋(金子貴俊)をしょっぴきますが、坂巻は完全否認。
伊村は、それを聞いて「やっぱり!」亜紀の部屋の流しの前から採取された1cmに満たないガラス片には不完全ながら指紋が付いていて、それは坂巻の指紋とは一致しない。坂巻以外の人物が亜紀の部屋に入った形跡がある・・・というワケです。
沢村技官@ ガラス片は、その前に中山淳彦(西村和彦)が沢村技官(本田博太郎)のところに持ち込んでいます。いつものS-3000N。ガラス片は、亜紀の部屋にあった他のコップと同じ材質、同じ厚さ、同じ湾曲の度合い。火サスの『警視庁鑑識班』では、沢村技官が試料を預かってから結果が出るまで少々時間がかかることが多いですが、今回は、中山クンをそばに立たせてあっというまに、「同種のものとみて間違いない」というご託宣を垂れています。
ガラス片の指紋がベランダのものと一致すれば坂巻が犯人、プッシュボタンのものと一致すれば別人が犯人と考えます。伊村は、指紋係としての責任+亜紀へのシンパシーから、この見極めを訴えます。そこで、第一現場鑑識班は、捜査一課の方針とは不一致ながら、完全な指紋を求めて割れたコップを現場周辺で再捜索することになります。で、見つかる。
沢村技官A 割れたコップに付着した繊維片。これも、沢村さんのところへ。毛根が付いているからウールでなくてアンゴラ。ここまでは、中山クンを後ろに立たせてタチドコロに結論。メーカーがわかるかと尋ねられて、染料抽出&分析。眉間にしわ寄せて、拡大鏡の向こうのガラス管にに繊維片を封じ込め・・・
見つかった割れたコップは、立体ジグソーパズル風に復元されます。コップの復元→指紋の採取というのは、『警視庁鑑識班 14 女店員絞殺死体の指紋が暴く15年前の射殺事件 刑事の養女は時効寸前の被害者の娘』(日本テレビ系 火曜サスペンス劇場 2002.04.09)と同じ。火サスのほうは、コップに模様がないうえたった一人で作業していたためか、復元に随分時間がかかっています。『警視庁鑑識班 14』はDVD化され、そのサブタイトルは「遺留指紋」(火曜サスペンス劇場 警視庁鑑識班 ベストセレクションVol. 3、 VPBX-12253)。『警視庁鑑識班2004 第3話』と同じように指紋がテーマ。沢村技官もちょっと似ていて、繊維片をヘンプと鑑定し、その結果を自ら第一現場鑑識の大宮監理官(清水章吾)のもとに報告しに来ています。沢村技官のメガネのレンズは、同じように丸いけれど『警視庁鑑識班 14』のほうが大きい。不精ひげ具合も『警視庁鑑識班 14』のほうが上回ってるかな?
『警視庁鑑識班2004 第3話』にもどって
沢村技官B 繊維片から抽出した色素を薄層クロマトグラフィー。対照用染料の中に同じ色素の分離具合を示すものがあるのを見て「は〜い」とニコニコ。
捜査一課は坂巻の逮捕寸前。第一現場鑑識では、あっちの指紋とこっちの指紋が一致しました!と言ってるところへ
沢村技官C 「繊維の染料が判明しました。英国製の生地で・・・」と言いながら、鑑定報告書を届けにやってきます。事件名 なんたらかんたら、発覚日時 平成16年1月22日 云々カンヌンと書いてあるヤツ。最後に、“警視庁刑事部科学捜査研究所 第一化学 技術吏員 沢村純一”。日本国内で取り扱っている店は、ただひとつ。生地のメーカー特定を頼んだ中山と軽く会釈しあい、微笑んでたちさる沢村技官でありました。
沢村技官(本田博太郎)のフルネームが判明しましたね。ちなみに、法医の石田技官(石井洋祐)のフルネームがわかるのは、『警視庁鑑識班8逃亡生活14年−偽名・整形までした時効間近の女の突然の心変わり』(日本テレビ系 火曜サスペンス劇場 1999.12.14)。『警視庁鑑識班8』のほうでは、沢村技官は土砂分析に明け暮れています。
http://wind.ap.teacup.com/0208/119.html
『警視庁鑑識班2004 第3話』で当初、犯人ではないかと疑われる坂巻洋役の金子貴俊も『警視庁鑑識班8』にでていました。

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