渋谷だし、ラップだし、裏世界の大人と契約する少年だし、お嬢さまと恋に落ちるし、イキナリ刺し殺されるし・・・『凶気の桜』(2002.10.19 東映)とよく似ていますが、ずっとわかりやすい。大人の世界は不自由で色あせているというんで、ちゃんと、その部分がモノクロになってるというくらいわかりやすい青春映画。プールバー9にたむろする若者たちと、賭けビリヤードのスポンサー・千尋(とよた真帆)の間でウロウロするトオル(高田宏太郎)の物語。
『9-NINE』
公開:2000年11月4日 ベンチャーフィルム
監督:香月秀之 脚本:香月秀之、後藤法子
撮影が千葉真一なんだけど、あのサニー千葉?
DVDは、SOFTGARAGE JDXD26718.
10年近く前の映画で、プールバー9のビリヤード仲間は誰が誰やらよくわかりませんが、カズヤ(弓削智久)、マコト(本田大輔)くらいはわかりますナ。女のコのほうは、トオルと恋に落ちるお嬢さま・リカが渡瀬美遊・・・CMなどにも出ていたらしいけれどよくワカラン。キャストを見ると、押切もえの名前があるんだけど、カズヤといっしょにいた女の子かな?
大人の側=賭けビリヤードのスポンサーとビリヤード・プレイヤーたちは
千尋のほかは、岩本(本田博太郎)と武田(坂上忍)がスポンサーで、岩本のプレイヤーが的場(東幹久)。千尋から引き合わされたトオルにアドバイスするタバラ(ミッキー・カーチス)、さらにタバラに頼まれてトオルにお手本を見せるキーボー(山田太一)。タバラがビリヤードの神様の話をしたりキーボーが迷いのない手つきで次々球を撞いていったりするシーンはなかなかヨロシ。ミッキー・カーチスの軽妙さ◎。
博太郎さん演ずる岩本は、まず、ほとんど冒頭に登場。千尋が岩本に「今年は負けませんよ」とトオルを見せるシーン。千尋にグラスを取ってやる様子がさりげなくてそれなりに品がいいのに、的場にトオルをよく見ておけと顎でしゃくりながらカナッペなど食べてる口元が何となく野蛮そう。
次は・・・ずっと飛んで、大金の懸かった賭けビリヤード。
千尋のもとに戻ったトオルと的場が対戦することになります。
途中でタイムアウトをとった的場。洗面所で手を冷やす的場の隣で顔を洗いながら「今回、ちょっと大金がかかってるんだ」と岩本。どことなく銅臭が漂うような感じです。試合前に岩本や千尋たち4人がアタッシュケースにぎっしりの一万円札の束、見せてましたからねぇ、“銅”臭とは言わないか?的場とトオルの勝負のキーになるプレーへの岩本とか、最後の最後、トオルのキューボールの行方を見守るどアップの目の表情とか、見逃してはいけない(ほかに見るところがないんだから)。
勝負終了後、大金がかかってたワリに、どうということもなくノソノソ立ち去る岩本、この世界での経験豊富なんだろうナ。

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