『その男、副署長3 File 10』
タイトル部分で“Last File”と表示されましたが・・・ううう?
しかし、公式サイトには
“File 10 14年ぶりに帰ってきた殺人者は、なぜ自分の指紋が付いた婚約指輪を新聞社に送りつけてきたのか?”
だし、ラテ欄には
“14年目の悪夢!!狙われた花嫁に死の連鎖”
放送日:2009年12月17日 テレビ朝日
監督:藤岡浩二郎 脚本:櫻井武晴
結婚を控えた若い女性・藤倉美奈子(竹中里美)が殺され婚約指輪が抜き取られていたという事件が発生。それと酷似した殺人事件が14年前にもあり、折しも、その事件の犯人・苅部誠(金山一彦)は仮釈放されたばかり・・・というハナシ。
藤倉美奈子殺しの犯人なんてね、大日本新聞記者・水口勉(筒井巧)が自慢げに被害者のウェディングドレス姿の写真を見せびらかしたところで、ピンときちゃったね。根拠は何もない。いわば視聴者の勘ですね。
ですから、興味の中心は河原町署に乗り込んできた府警本部捜査一課長・黛(宅麻伸)が、自分の後任に池永清美(船越英一郎)という含みを持たせて副署長・池永に捜査に加わるよう要請したその結末。
その結末に多大な関心を寄せているのは、物好きな視聴者だけではない。黛が副署長に捜査会議に出席してくださいと言った瞬間、藤原署長(萬田久子)の背後でニッコリした池永佳子(田中美里)と思わず白い歯を見せて手を口にあてていた近藤警務課長殿(本田博太郎)もそうに違いない。この二人はそれぞれ、時には二人いっしょに副署長の背後に出没しては様子をうかがっていましたから。・・・ヒマなのかね、交通課と警務課は?
水口記者のところに送られてきたという新聞の切り抜きと婚約指輪。婚約指輪の血液指紋を動かぬ証拠として苅部の逮捕状を取るという黛らと対立した池永は一人屋上で煙草をふかして沈思黙考します。と、そこに現れた近藤課長、「ここは禁煙です」。取り上げた煙草を燻らせつ池永の右から左から因果を含める近藤さん、やはりこの人は面白いね。
近藤さんは副署長を見張って・・・いえ、見守っているだけではなく他のこともしてる。
池永が苅部の財布の発見を目論んで週刊タイムスの島記者(的場浩司)に捜査情報をリークして記事を書かせたために、被害者の婚約者・阿久津治夫(赤羽秀之)が河原町署に怒鳴りこんでくればその応対をするとか・・・
でもやはり、近藤さんはハンコ押しながらあれやこれや考えている副署長を隣の席から見守ってる。で、今回は「そうか、そういうことか」と立ち上がりかける副署長に口の端で一瞬微笑んで目で後押しする・・・いいねぇ。
この事件の犯人は、なんと申しましょうか、どーしょうもないので、泣きの部分とか人情ドラマの部分は、婚約者の阿久津や14年前に娘を殺された父親・沢孝俊(でんでん)のフォローですね。
結局、池永は河原町の副署長に居座るつもりで、さらに捜査情報を漏らしたトガで昇進が遅れるんだそうです。結構なことです!
近藤さん、「山積みの決裁書類が心から心から心から」と“心から”を3回も繰り返しちゃって、池永に捜査一課長として河原町署を出て行ってほしくないんじゃん。
シーズン3はそれまでとくらべると、随分引き締まって面白いドラマになってきたので、是非この方向でシーズン4をやっていただきたいものです。

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