21日の晩、このブログを書いてから・・・
朝一に出発しても9時ごろにしか東中野に着けない!これは、もしかしたらヤバイ線かも。ええい、予定変更。ベストを尽くせ。夜行で行こう。
ポレポレ東中野には、どうやら、6時前から行列ができ始めたらしい。7時ごろには十数人、8時過ぎには数十人。こりゃ夜行で正解かも。レイト・ショーとオールナイトとごっちゃに行列を作っていたけれど、9時過ぎにポレポレ東中野のスタッフが出てきて行列を分けて・・・この人出は予想外だったのかな。そして、9:15ごろには整理番号の発行を始めてしまいました。チケット裏に整理番号ガッチャン、上映15分前には戻って来るようにいわれて、開放。やったゼ、昼の行動時間が1時間増えた。昼の行動の成果については追々報告。
で、夜。スゴイですねえ。整理番号100番を越えてもまだ呼び込みは続く。ロビーの片隅に座布団が積んであるの、今池のシネマークみたいだと思っていたんだけど、椅子席からあぶれた人は、通路に座布団敷いて座るわけ。135番くらいまで呼んでたかな?
さて、10分押しくらいで舞台挨拶開始。司会は北田弥恵子さんで、渡辺寿監督、橘徹役の筒井道隆さん、恵美子役の清水美那さん、徹の父・源四郎役の本田博太郎さん、恵美子の面接をする看板屋の女房・長峰夢子役の忍足亜希子さんと手話コーディネーターの妹尾恵美子さんが登壇。大入りの観客に渡辺監督は「うるうるしてしまう」とか。善良な人なんだな。2002年に撮ったのが、ようやくの封切だからな。この年月、筒井道隆クンなんかは随分前にやった橘徹なんで、忘れてしまったのか、舞台挨拶ではあまり喋ってくれなかったです。清水美那さんだって、映画に出てくるのは20歳の彼女。彼女は“恵美子”忍足亜希子さんは、筆談での丁々発止とか、看板屋の女房が聾唖という個性を持ってて、それで、店を切り盛りしてるんで、呼び鈴ではなくライトが点灯するとか、映画ではそういう工夫がしてある云々ととてもうれしそうに語っていました。
博太郎さんは(順番としては忍足亜希子さんの前ですが)、「少ししか出てません」けれど、ニュートラルなナントカ(聞き取れなかったんです・・・)が好きなので応援に来たのだそうです。それぞれ出演者たちは3回くらい発言の番がまわってきたんだっけ?「この映画をかわいがってやってください」ということ、それから“大馬鹿者”の書(かなり大きな紙に大書されてました。本田大輔クンのBBSにあったのと同じようなのですが、大輔BBSなくなっちゃいましたね。“大馬鹿者”見たければ、『ブレス・レス』見ましょう。)のことをおっしゃってました。・・・ナマ博太郎は初めてですが、この立ち姿どこかで見たような・・・あ、そうだ。明治大学での朗読の姿そのものですヨ(岡本喜八DVD-Boxのひとつ“邂逅編”の特典ディスクで見たのだ)。着てるもの、それから、足をやや広めに開いた立ち姿。
これからが本番。ホールの容量のワリにスクリーン大きい。席がちょっと前過ぎたか?
これは、会話の映画です。橘徹は、発話失禁とでもいいたいようなおしゃべりで、軽口、口説き文句、減らず口、と思えば同僚・同寮の下田刑事(不破万作)相手に言葉で伝えるということについてなんだかカタイことを言ったりする。一方、徹が一目ぼれして付きまとう相手・恵美子は、たぶん、発話によらない表現や会話の方に信を置いてるんじゃないかな。絵の具とか、筆談とか、いっしょにシャンプーするとか、抱きしめてくれる男とか。恵美子が徹に電話するとつながらない・・・でも、ラスト・シーン見るとつながってるのかな?恵美子は、高いところで看板屋・長峰(夏八木勲)と会話してるし、徹は橋の下でホームレスのアルトサックスとジャムセッション中。
渡辺監督がブログに「Cでやりませんか?」「う〜ん、B♭がいいなあ」の遣り取りをお書きでなかったら、私は『ブレス・レス』を見つけられなかったかもしれません。
この映画は深刻ぶっていません。セリフがおもしろいです。画面は昼でも早朝のように薄暗い感じがするのですが、普通の人の普通の生活の色合いというのはこういうものかもしれません。なんとなく地道な感じのする色です。かと思うと、イキナリ徹にゴミ袋が投げつけられたり、突然下田刑事の結婚シーンが出てくる。こういう突如さ加減、メリハリも好きです。
会話がテーマの映画かどうか、それは措いといても
少なくとも博太郎ファンには、会話の映画です。
セリフのおもしろさは、渡辺監督のブログやこのブログに抜書きされた分でもよくわかるでしょう。それが、いい具合の間合いや抑揚で演じられる。観客から一番笑い声が起こっていたのは、源四郎と徹の場面でした。
アクションは・・・徹が源四郎を訪ねてきて、門のところで叔母(金久美子)と出会って軽口叩いてると、源四郎が出てきて履いてた下駄で息子の頭を引っぱたくところくらいかな。これが源四郎場面@
とすると、そのすぐ後、室内での会話。源四郎「今日はなんだ」―徹 「たまには小遣いでもやろうと思ってさ」―源四郎「くれ」― 徹 「ジョーダン」・・・が源四郎場面A。この部屋に“大馬鹿者”が貼ってあります。
目玉の洗濯は源四郎B
源四郎宅、玄関での徹との会話。源四郎のもうひとつのアクションか?鉢の草花(矮性キンギョソウと見たが、いかに?)に器から水をやっていて、どうしようかなという感じで器を見てる・・・きっと水飲んぢまうよ・・・と思ったら、水を含んで吐き出してました。ナンなんでしょうね?しかし、徹も街中でいきなり逆立ちしてたから、同じDNAかも。“DNA”というのも、源四郎と徹の遣り取り(A)で出てきました、「50%は、俺のDNAだ」とか。
名古屋で上映されることになったら、また見に行きたいものです。

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