朝日新聞の昨日の朝刊に、輪島に住む、妻の俳句仲間の句が
『朝日俳壇』の大串章(おおぐしあきら1937−)の選に採られていた。
「湯豆腐の昆布のやうなひとなりし」という作品で、
「湯豆腐の昆布」は脇役めいているが味わい深い。と、撰者の評がなされていた。最近の俳壇事情には疎いので撰者の大串章の名は存じ置きでない。調べれば具象的で、かつ人間性に基づく抒情性が高く、叙景表現にも長けているとか。感性豊かな柔らかい表現で、清廉な詩情が多くの俳人に愛されているという。飯田龍太は「常凡をおそれぬ恒心の確かさ」と評し、大野林火は「純粋さと透明さ、そして高邁な精神」を評価している。『朝日俳壇』の撰者といえば、衆目の認めるところであり、その撰者の眼に叶うということは至難であることは昔から羨望の的であったことは知っている。
その人から自家製のキムチが届けられた。今年の白菜は種を蒔くときに猛暑で、10日ほど遅らせて蒔いたため育ちが悪くまだ十分巻き上がってないので親戚の農家で無農薬で育てたものを仲間の12人に声をかけてヤンニョムを作り、具野菜を切り刻み、夫婦二人、徹夜でヤンニョムと具野菜を白菜にはさみ込み、丁度、食べころになったので賞味して下されば幸甚であるとの挨拶文が添えられていた。
ヤンニョム(韓国料理における合わせ調味料の総称)は、○粗挽き唐辛子、アミの塩辛、クコの実、水あめ、松の実(以上韓国製)○餅粉、ニンニク、生姜、煎り白ごま、リンゴ、熟柿、牡蠣の塩辛、トビウオのダシ粉、烏賊のいしる、昆布、乾燥椎茸、乾燥ホタテ、プレーンヨーグルト(以上自家製)○干しエビ(台湾製)。
はさみ込み野菜として、韓国製のキムチ用粗挽き唐辛子2種、糸唐辛子。自家栽培の大根、人参、長ネギ、ニラ、セリ(自生)。
製作手順は、@白菜の塩漬け。Aヤンニョム作り。Bはさみ込み野菜作り。C具野菜のはさみ込みと漬け込み。
と、懇切丁寧な能書きが記(しる)されていていかなる出来栄えであるか楽しみな贈り物を頂戴した。
―今日のわが愛誦俳句
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木守柿勝残りしや破れしや 大串章
―今日のわが駄作詠草
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紀伊半島一周して来し人に聞く
太平洋に鬼いなくかと

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