高野山が、空海によって密教の道場に定められて今年で1200年になるという。それを記念する
『高野山祈りの美』と銘打つた展覧会が難波の高島屋で開催中というので出掛けた。
「信じて修行すれば誰でも必ず仏になることが出来る」とは、空海の格言である。その真言宗の本山である高野山の金剛峯寺(こんごうぶじ)には、1200年経った現在でも空海を慕う人が絶えないという。
会場に入り目についたのは、万朶の桜の絵である。日本画家の中島千波が非公開の金剛峯寺の奥殿に納める「桜の間障壁画」である。この展覧会が終ったら襖に仕立てられることになっている、千載に名を残す名画を間近に見学できた。
帰宅したら、歯科医院の予約の時間が迫っていたので、慌てて出掛けたのだが、かなり混んでいたのは、難しい患者があったのだろう。5人の先客があるので気の短い者には帰ろうかと思ったが我慢した。40分待ちようやく診察室に案内された。しかし、後に待つ人たちのことを考えて早く済ませることを願っていたが、抜歯すると言われた。かっては歯を抜いて治療されることを嫌っていたが虫歯が進行していると言われ、承諾してしまい、あっという間に抜かれてしまった。待つ人の顔を思い浮べながら、難しい患者が自分でもあったのだと反省。2時間近く費やしてくれた歯科医者に敬意を表する次第である。
空海のことばのなかに、
「医王(いおう)の目には、途(と)に触れて、皆薬(みなくすり)なり」(すぐれた医師の目から見れば、道端に生えている草は、すべて薬と成り得る。)の名言を噛み締めている。
・きょうのわが駄作詠草
祈りとは美しいこと譬うれば桜咲く絵に息を詰まらす
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