リオでの五輪、夏の全国高校野球選手権大会も終ったが、首都圏を直撃しそうな台風がやってきた。ためにきょう帰省する予定の東京の孫は一日足止めをくらったようである。
そこへ関係する会社の労働保険料の督促があった。いつも銀行で納付している筈で安心していたのだが、その手順に不備があったということで、暇を当て込まれて急遽、中央区にある大阪労働局までおもむくことになってしまった。
さて、大阪市中央区常盤町1丁目3−8中央大通FNビルとある所在地に出向くにはどのような方法があるのかさっぱり見当がつかず、市内の交通網を熟知する妻の出向を仰ぐことになったが条件を付けられてしまった。後ろについて行くので自分の考え通りに行きなさいということである。双方とも大阪市の「敬老優待乗車証」」を所持しているので、大阪市営地下鉄・ニュートラム・バスの恩恵に浴することができるということでそれを利用して一人立ちしなければだんだん呆けて何処にも行かれなくなるという老婆心らしい。物の恐ろしいことを知らぬものは、向こう見ずなことを平気ですること。無知な者は物おじしないことを、
「盲(めくら)蛇に怖(お)じず」ということわざがあるように地下鉄に乗り込んだ。堺筋本町から中央線に乗り換え谷町4丁目下車。地上出口を摸索しながらうろうろ。階上に出たがさっぱり方角音痴。仕方なしに信号待ちしている二人の若い警察官に訊くと知らないと無情の返事。横にいた地下鉄の乗務員らしき人が丁寧に教えてくれた。国家公務員と地方公務員の差なのか、国道なのか市道なのか知らないが丁寧な案内板が見当たらない。漸く見つけた20数階建てのFNビルの17階が目的の大阪労働局労働保険特別会計歳入徴収官のいるフロアーであった。ああ、この部屋にどれだけの役人がいるのだろうかと妻と囁きながら役人天国をしげしげと観察したところである。
・きょうの駄作詠草
地下鉄を出て大きなビルの下歩く途方にくれて汗ばかりかく

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