きょうも暑い日が続いている。が、外に出て歩けば風が吹いて心地よく髪の毛を撫でていく。いつの間にか若葉のみどりが濃さを増しているのだが、道々出遭う知り合いとのあいさつは、「暑い!」「暑い!」の連発である。空調に馴染んだ現代人にはその体力の衰えぶりが悲しい。
三匹いる家猫が朝からぐったりして寝込んでいるのを見るとこの暑さに堪えているのだろう。
年を取ると午睡が一番のご馳走である。テレビで夏場所の中継のスイッチを入れる。上方舞の名手の武原はん(1903−1998)が趣味で詠んだ
「はたとやむ団扇(うちわ)の波や五月場所」の場内風景が目にとまり立会いの緊張感に汗が引くのを覚える。
芍薬ですとつぼみのまま戴いたのを一輪挿ししたのが夕刻見事に開花していた。
瓶に挿す芍薬一輪咲いている白き花ゆえ目が覚めていて

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