年を重ねてくれば忘年会の誘いがあれば、億劫なことになり、断わりを入れようかと思ったりもした。とある最新版の
『歳時記』によれば、「忘年会」とは、年の暮に、職場の同僚や親戚、友人が集って、一年の労をねぎらい無事を祝い合う宴のこととある。ある年のことその忘年会の乾杯の音頭の指名に預かり、思わず「宴(うたげ)」という文言を使ったところ、忘年会とは酒を呑んで祝う会か、花見をするのではないぞと、変な突っ込みが入った。かっては、商売人は一年間で最も忙しい年の暮に酒など呑んでいる暇があるかと諌められたもので、呑むのは新年会であると教えられたものだ。しかし、江戸の俳人岡西惟中(おかにしいちゅう1639-1711)の
「くむ酒やくれ行くとしを忘れ水」と詠まれた句の味わいを吟味すれば、ほどほどの情感も好しとせねばならない。雨に舗道が濡れているが誘ってくれる友人があるとかで参加することになった。
過ぎ越しのときを忘れとカトレアの花を見詰めて想い出しをリ

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