早朝の5時、先日、春分が過ぎたから感じるのか、一月前と比べたら同じ時刻でも明るさは違うようで春暁を早く感じている。2020東京オリンピックが一年近く延期されたことを知らなかったのを差し込まれている朝刊の紙面の一部が民家の新聞受けからはみ出しているのを見て知った。歩きながら思うのだが、新型コロナウイルスの悪戯が、全世界にその感染が増加し続けているのだから致し方のないことなのであろう。このこと一つで商売や生活や人生が急変する人もあり、延期よりも中止せよという声も伝わって来ることもあろうか。
「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。」(春は夜明けに限る。ようやく白みつつある山際の空が少し明るくなって、紫がかった雲が、細くたなびいてるのがいい)と、清少納言のつぶやいたことばを噛みしめながら、オリンピックが続行、中止、延期の三つの立場に関っている人々の思いを考えている。
微笑みも泪の顔も人まちまち凡庸なるは美しきこと

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