きょうも朝から激しい雨に大阪は梅雨の闇の中にある。承前という(前文を受け継ぐこと。つづき。)と
『広辞苑』にある言葉を思いながら、そのむかし中学の修学一泊の旅行以来、何度も訪れた北陸越前岬の東尋坊で、あるとき呟いた詠草に
「つまずくと死に場所となる東尋坊蟹も喰わずに日が暮れてゆく」と短歌にしたことを想い出している。というのは、一昨日、妹夫婦十七回忌の法要がその自宅で催されたあと、参会者が連れ立って阿倍野橋の料亭「まつむら」(後で知ったのだが、此処は住友家の別宅だった)での精進落としの終了時に退席の際に転倒して左膝窩部を強打した痛みを擦りながら、運動不足による足腰の衰えなのかどうかと考えているところである。
降り続く雨にまだ梅雨明けは宣言されていない。例年、南北に走る堺筋の東側の大江神社の夏祭りの16日には梅雨が明けて蝉が喧しくなき出すのだがその声もまだない。そんな日々が続く今年の夏である。
膝折りて痛むところを擦りいる忘れし文字が思い出せずに


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