東に曙の光り、西の空に残んの月を仰ぎ観ながら妻と今年の初散策を愉しんでいる。遥かにあべのハルカスの東に燦然と耀く星を指差して、あの星の名は何でしょうと云ったので、明けの明星だろうと云ったら妻は
金星だろうと自信ありげに宣告した。早速、調べて見たら、「明けの明星」は明け方に見える金星を意味し、別名として「一番星」と言われているように、最も強い光を放つ星が金星とある」とある。して遣られたので、
『枕草子』で、
「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の、ほそくたなびきたる。」を諳んじて、東の空が次第に変化して行く様子を清少納言は観ていてこの名文が生まれたのだろうかと、呟いたところ、妻は地球の自転と公転のことを持ち出して清少納言も知らない現象のことを言い出したので、大分明るくなって来た新春の新世界の通天閣の真下まで来ていた。初詣はどうするのかと訊かれたので慌てることはないと政府の見解がすっと飛び出して来た。。総理大臣は今日、伊勢神宮に参拝する予定を思い出している。
真白なる花を揺らせて風が吹く正月二日の朝の散歩道


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