昨夜、愉快な話に出合った。知人がその息子を連れて来た。一昨日が「海の日」ということで摂津の海に出掛けたときの話である。付いて来た息子が、浜辺に転がっていた竹の棒切れを拾い振り回していたら釣り人の誰かに捨てられたのだろう、釣り糸に釣り針が付いたまま海に捨てられているのを見付けた。早速、振り回していた棒にそれを装着させ、その辺の岩場にいた小蟹を捕まえて針に刺して海に投げ入れて暫しの間、戯れていたところ、がぶりと魚が食いついた。動画サイトでよく見ていた「さかなの釣り方」を思い出して見事40数センチの大物の黒鯛(ちぬ)を独りで釣り上げたとか。そんなことは作り話だろうとからかったら、魚拓にして頭上で高々に掲げられ得意満面の写真を見せられた。その昔、磯釣り愛好会なるものを計画し、白浜の向こうまで出掛けて行ったことを想い出し仲間二人が磯場から転落死して以来、大物釣りは一切辞めてしまったのだが、まさか、この少年の御伽草子に出てきそうな話はを信じられなかったのだが、めでたしめでたしで終わる話はこのコロナの流行る世の中で誠に痛快な出来事であった。
幻聴ということもあり梅雨が明けたと言いしは誰と分からぬままに


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