先月帽子を忘れたと取りに来た御仁の訪問を受ける。散髪に来てその帰りにわが家に立寄って話込んで行ったのだが、わが家でも旧知の取引関係にあったセールスマンに遭遇して話が弾みその営業車で送られ、そのまま帽子を忘れたのを取りに来たとか。月に一度、勤務していた会社の近くにある理髪店に遠路堺市の自宅からやって来て序でにわが家にも気が向けば立寄ってくれる関係がある。わが家では同業の会社に勤めていた関係で退職しても立寄って近況などを訊いて愉しんでいる。その彼が、昨今の業界状況をくどくど訊いて来た。長く続くコロナの今後の推移など気にしている様子にもう関係のないことだとは申せ昔のことが忘れられないのだろう。あの大手、こちらの大手の動向に通じていて、知らん顔をして、実は知っているのだろうと、変なことまで言い出し腹を探っているのではの錯覚を意識するようなこともあり、変なことを訊くなということもあった。確かにコロナ後の動向はかって経験しなかったことで、一般社会人の間でもしばしば話題にされている。
冬の日がとろとろ暮れて行く街よ一つ重ねる明日の歳かな


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