7月1日。土曜日。
まだ寝静まった早朝4時。玄関先のレオの吠える声が、やけにうるさくて目が覚めてしまった。しばらく、布団の中で「また、馬鹿レオが…」とじっと我慢していたが一向に止めようとしないので、玄関まで降りて行き、「うるさい!」と叱りつけた。
外は相変わらずの雨だった。
そのまま居間に行き、テレビでワールドサッカーを見ていた。
2階の寝室でガタガタという音がした、が、気にせずにテレビを見ていた。
女房が2階から降りて来た。エルザと一緒だった。
「おお、エルザ! エルザが帰ってきた!」
もう帰ってこないかも知れないと半分諦めていたエルザが5日振りに帰ってきた。それも屋根から2階の寝室の窓を叩いて「ニャオニャオ」(ねえねえ、入れてよ)と言いながら。
いやあ、しかし、ほんとに心配したよ。この5日間、ほとんど毎日のように土砂降りの雨が続いたし、一体どこで何をしてたんだろう?
その後、落ちついた頃、女房に「エルザの奴、どこで何をしてたのか、いくら聞いても知らん顔してるんや」と言ったら、予想以上に馬鹿受けしていた。(この話、猫と同居していない人には理解出来ないと思うけど)
突然消えて、突然帰ってきたエルザは当然
「風のエルザ」と呼ぶべきだろう。(笑)
エルザは戻ってきて、ひたすらと食べた。食べては休み、休んでは食べた。きっと何も食べていなかったのだろう。そして予想を裏切り、エルザは泥だらけではなく、とても綺麗だった。顔は喧嘩でズタズタに切れているかと思いきや、まったくの無傷だった。
ただ大きく違っていることがあった。
仔猫がエルザに近づかない。遠巻きにして観察をしている。エルザは仔猫を見向きもしない。そう言えば、エルザが家出した前日に儀式があったのだ。それまでエルザに甘えたり一緒に暴れたりしていた仔猫のうち、メス2匹にエルザはそれぞれ威嚇したのだった。そしてマリリンとオリビアもエルザに牙を向け、後ずさった。
つまり、エルザは子供達にもう独り立ちするように促したのだった。どういう訳かオスのスティーブだけには儀式をしていないので、とまどいながらスティーブだけはエルザに触れようとする。エルザは怒るでもなく、さりとて構うでもなく無視をしている。
そんなことで、今、我が家では親子猫の不穏な空気が流れている。そんな中、我々に最も甘えているのが親猫エルザなのだ。(笑)
美しいエルザ。高貴なエルザ。可愛いエルザ。
エルザ。エルザ。
君は世界一の猫だ。(爆)

0