昨日は朝一番からお客さんが殺到し、休む間もなく夜まで治療した。
お昼前に電話をしてきた女性は「今すぐ治療してもらえますか?」と聞いてきたので「いや、12時からお昼休みなので、その後は予約が詰まっていて3時からなら空いていますよ」と答えたら、「じゃあ、ダメですね。今、前に来ているんですけど」と言う。
普通なら、予約も多いことだし、そのままになるところだけど、「じゃ、お昼抜きでやりますから12時からで良いですよ」とつい答えてしまった。
ここがまず第一の◯。
その女性と話しをしていたら、当院には、たまたまクルマで走っていて見つけ、交通量の多いこのあたりをずっと先で迂回して、わざわざ戻ってきたとのこと。
ここが第二の◯。
彼女の家はかなり離れていて、今まで何年も近くのカイロプラクティックに通っていて、行くとそれなりに楽になっていたのだけど、根本的には改善されていなかった。当院に初めて来て、悪かった箇所が的確に指摘され、次々とその箇所が矯正されて、気持ちが良いうちにどんどんと体調が回復していった。「カイロプラクティックって、こんなにすごいんですね!」と新しい発見があった。
これが第三の◯。
苗字と住所がちょっとひっかかったので「お母さんの名前は何ていうの?」と聞いたら、正に期待していた答えが帰ってきた。彼女はワタシの親戚の家の嫁だった。
ワタシは彼女に言った。「ワタシが一旦は断ったのにお昼に治療をしたことも、あなたが通り過ぎたのに、また戻ってきたことも、カイロプラクティックの何たるかをあらためて知ったことも、すべて偶然ではないですよ。これは必然。こういうのを縁と言うんですね」と。
人は多くの縁で結ばれている。そして、それに気付かずに過してしまうのも、まるで偶然のように突然しっかりと見えるのも、その人の心がけ次第なんだなあ。
さて、さっき面白い出来事があった。
今日は昨日と打って変わってお客さんはボツボツ。
電話がかかり、「うちの従業員がギックリ腰になって動けないんですが、治療してもらえますか?」
「ああ、今は空いているのですぐどうぞ」
てっきり男だと思っていたら、男子従業員に抱えられてきたのは、まだあどけない顔をした女の子だった。それでも二十歳だった。
痛がってベッドに乗ることもなかなか◿◿◿。
調べてみると腰椎の四番が大きくずれていた。これは痛いわなあ! 知らないうちにずれていて痛くない場合もあるが、ギックリ腰で突然ずれると痛いどころではない。
でも、骨盤のギックリではないので、まだマシだ。
横に寝てもらって、百万ドルのテクニックと言われる膝三角腰椎矯正法で矯正をしようとして彼女を見ると涙をポロポロ流して耐えている。うつ伏せの状態から横向きになることが相当痛かったようだ。
形を決めて「痛くないでしょ?」と聞くと「はい、大丈夫です」と言いながら、またポロポロと涙を流す。「とても痛いのは良くわかるけど、痛いと言って泣いた人は初めて見たよ」と冗談めかすと、笑いながら泣いている。
彼女は、たぶん家族から遠く離れて暮らしていて、こんな辛い時に心の拠り所が無いのだろうか?と可哀相に思った。
しかし、矯正一発。「ポキン」
「はい、動いてみて。痛くないでしょ?」
「あれえ?あれえ! 痛くない!」
ついでに三か所もずれていた頸椎を矯正すると、首もクルクル良く回る。
彼女と付添の男性は顔を見合せながらキツネにつままれたよう。さっきまでの激痛はなんだったのか?と。ワタシはちゃんと科学的に説明してあげました。でないと、カイロは不思議な技と思われてしまうからね。
まあ、おんなじ症状で救急車で運ばれる人もいる。そうすると最低一か月は入院することになる。この彼女も、いや連れて来た男性の正しい判断もいわゆる縁というものでしょう。

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