2013/3/15

手仕事の真鍮のあたたかみ  技巧・意匠・素材



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●真鍮製のベテルカッター
製作地 インド・ラージャスタン州  
製作年代(推定) 19世紀後半〜20世紀初め

“ベテルカッター”は、”檳榔の実(ビンロウジ)=ベテルナッツ”をはさみ割るために用いられる道具であり、細かく割ったビンロウジの内核を石灰・香辛料等とともに”キンマの葉”で包み、口の中に入れガムのように噛む清涼剤”蒟醤(キンマ)”(インドでは”パーン”と呼ばれる)は、紀元前の昔から南アジア・東南アジアを中心に嗜好されてきたことが知られます。

インドにおいて”パーン”は、古来よりヒンドゥ信仰との結びつきが深く、“ベテルカッター”は単なる道具ではなく、宗教儀礼用道具の一つとも見做され、世襲の金属工芸職人の手により、神々や吉祥の鳥獣等の意匠が表された、手の込んだ鍛造・彫金の作品が生み出されてきました。

何千回、何万回と真鍮をたたいて成型される”鍛造”の作品は、同じ真鍮でも色・肌の質感がまったく異なり、独特のあたたか味が感じられます。

本ベテルカッターも、経年による古色および、それにも増して、職人手仕事の技と気が、かくもあたたかくかつ深みのある表情を授けたことは間違いないように思います。


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●本記事内容に関する参考(推奨)文献



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