2015/4/29

麻の華やぎ、黒の華やぎ  技巧・意匠・素材




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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代末〜明治時代
素材 大麻、黒染め(染料・媒染不詳)、ベンガラ染め






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2015/4/25

斑鳩の空  旅の一場面



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(写真 日本・奈良県 生駒郡斑鳩にて)

2015/4/23

木彫の双魚(陰陽魚) 二景  技巧・意匠・素材



●中国・貴州省 苗族  アムレット
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●朝鮮(李氏朝鮮) 糸巻き
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2015/4/21

時代精神が投影された李朝の質朴な古民具  技巧・意匠・素材



●糸巻き シルベ
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製作地 朝鮮 
製作年代(推定) 19世紀 李氏朝鮮時代


儒教が国教とされた李氏朝鮮時代、女性の社会活動には大きな制限が加えられましたが、その反面、「閨房工芸(キュバンコンエ)」の言葉に象徴されるように、女性たちの家庭内手芸においては顕著な発展が見られました。巧みな縫い刺しで意匠付けがされ、現在ひろく知られるポジャギ(風呂敷)やチュモニ(袋物)も、李朝時代の閨房工芸の中で伝統が培われたものとなります。

「閨房工芸」の中心は針仕事であり、針・糸・物差し・ハサミ・指貫等の裁縫道具は”閨中七友”と呼ばれ当時の女性にとって最も大切な生活調度品とされたもの、使用する糸が絡まないように巻きつけ整えておく、この”糸巻き(シルベ)”もそのひとつに数えられ、これ自体に手仕事による意匠の凝らされた品モノが用いられました。糸・糸巻きには吉祥・長寿等の祈りが込められます。





●書状入れ コビ
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製作地 朝鮮
製作年代(推定) 19世紀 李氏朝鮮時代


この木製の書状入れ”考備(コビ)”は伝統家屋の韓屋(ハノク)において男性居間の舍廊房(サランバン)等の壁に掛けて使用される伝統を有してきた小家具・調度品となります。

儒教思想の浸透により、”男女七歳不同席”の言葉にも象徴されるように、社会生活・家庭生活における男女の別がはっきりと付けられましたが、この点は手工芸文化にも色濃く反映されました。

この時代の生活の光景や華美を廃し質朴を好んだ時代精神に思いを寄せながら作品を鑑賞することにも面白みが感じられるように思います。

2015/4/19

金は落ちても色香は失われない渡り金襴裂  染織



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製作地 中国 明朝末〜清朝初期
製作年代(推定) 17世紀 江戸時代初中期
渡来地・使用地 日本
素材/技法 絹、天然染料、箔糸(金平箔 ※金は消失) / 繻子地、緯紋織


本布は繻子の地組織で”牡丹唐草”の茶色文様が、平箔とともに通された青藍の絵緯で背景が織り出されるという主客の反転する手の込んだ織物で、ジャカード機が導入される以前(空引機の時代)の金襴&錦織物の組織の妙味、手仕事の卓越ぶりに魅了される古裂です。

平箔の金が剥離している点は残念ですが、経繻子の茶と平箔の濃茶により牡丹唐草が流麗かつ精緻に織り描かれている様子が確認でき、枯淡な表情に独自の深い味わいが感じられます。

金は落ちても時代織物としての色香は失われていない... 300余年の時代を遡り、製作時はどのような布の表情であったかをイメージしながらの鑑賞を愉しめる一枚でもあります。



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2015/4/17

どっしりと心落ち着く 栃の木の”大こね鉢”  技巧・意匠・素材




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製作地 日本・福島県 会津地方  
製作年代(推定) 20世紀初め
直径 約70cm、重さ約11kg

トチノキ(栃の木)は、縄文時代に遡る昔から、その実(栃の実)がドングリやクルミ等とともに食用とされ、幹径1m・高さ20mを超える高木として木材の用途に用いられ、また豊かに咲く花序は養蜂農家の蜜源とされるなど、日本人の生活に長きにわたり寄り添ってきた樹木となります。

瘤と杢の美しさ、加工のしやすさ等から、トチノキは大小の家具・民具・器等の様々な用途のものに製作・使用されてきましたが、幹径の太さから大ぶりな刳り物の”臼”や”鉢” の材ともされ、木材加工と蕎麦食双方の盛んな地方の農山村では、本品のような”大こね鉢”が生み出されました。

本品は幹径1m近くに達していたと考えられるトチノキの丸材を直に刳り・彫りして成形された直径約70cmの刳り木鉢で福島県会津にて蒐集したもの、電動工具の用いられない手仕事の時代の所産であり、生活の道具としての質朴な造形と意匠は目にしていると心が落ち着いてまいります。



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●参考画像
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福島県南会津 鹿島神社の栃の木(御神木)

2015/4/15

風雨の中も生命力を放出し続ける美の意匠  技巧・意匠・素材



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(写真 日本・東京都 文京区根津にて)

2015/4/11

欅造一材彫”枇杷・鶏図” 浮彫掛け板  技巧・意匠・素材




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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 18世紀後期−19世紀前期 江戸時代
素材 木製(欅)、木綿・藍染め組紐

18世紀後期〜19世紀前期の江戸時代に手掛けられた”枇杷・鶏”図の浮彫掛け板。欅の一枚板を材に見事な浮彫で仕上げられており、上部の紐掛け部まで後付ではなく同材の彫り込みにより成型された、完全なる”一枚欅造”の大判・木彫作品です。

何と言っても立体感豊かに彫り表された”鶏”の雄々しく生き生きとした表情、鶏冠・尾羽・脚鱗等のディテイル表現が見事で、背景に配された枇杷の木をあわせた彫りの巧みさと力強さに目と心を奪われます。

枇杷の木については取り分け”葉”の表現が見事で一枚一枚の葉に繊細な表情が付けられており、幹・枝・枇杷の実を併せて細部にまったく形式化や手抜きのあとが見られません。また裏面の端整で勢いがあるナタ跡からも作者の美学と拘りが伝わってまいります。



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2015/4/9

江戸期の 緞子地・紅花染め 京鹿の子絞裂  染織



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製作地 日本 京都  
製作年代(推定) 18世紀 江戸時代
素材 絹地(緞子)、紅花染め


先練り絹の繻子織をベースに文様部分が立体的に沈んで目に映る”緞子(どんす)”の織物を台布に、指・爪により一目一目を丹念に緻密に括っていく”疋田(ひった)”の鹿の子絞りがなされ、上質な”紅花”により染められた表着の裂、江戸時代の様々な職人仕事が凝縮したような一枚です。

緞子の”牡丹唐草”模様、鹿の子絞の”扇繋ぎ”模様、紅花染めの”緋色(ひいろ)”... 京の都の雅な色香が、時代を超えて舞うように薫ってまいります。





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2015/4/7

包裂サイズ 白地・茜地染め分け インド鬼更紗裂  染織



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製作地 インド グジャラート州(或いはコロマンデル海岸エリア)  
製作年代(推定) 18世紀
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、茜媒染(赤・黒茶)、描き染め(黄・藍)


本布は手紡ぎ感の強い木綿糸を経緯に用いた厚地の織り布をベースとする、安土桃山〜江戸期の日本で”鬼更紗(おにざらさ)”と呼称された種類の(古)渡りインド更紗で、この鬼手インド更紗の多くは茜の媒染染めによる赤(明礬)・黒茶(鉄漿)、描き染めの黄・藍及びその掛け合わせにより彩色される(=蝋・糊の防染は藍浸染時を除き施されない)点が技巧上の特徴となります。

蝋や糊などで防染することなく”白地”と”赤(茜)地”をくっきりと見事に染め分ける、この染色技術がインド更紗の真骨頂(のひとつ)と言えるかもしれません。


鬼更紗は茶の湯文化の嗜好と合致し袋・包み・敷物等として重用され、太糸・厚地の堅牢さから、京都祇園祭の南観音山や鯉山などでみられるように祭りの胴掛等としても用いられました。

”白地茜地染め分け花模様・鬼更紗”と名付けることのできる本更紗裂は、63cm×65cmの大きさがあり茶道具(箱)の”包裂(つつみぎれ)”に相当するサイズのもの、白地・茜地及び黄の入ったボーダー模様部分が、包裂として折り重ねられた際(上画像)に絶妙な色柄表情を呈しており、或いは渡来の当初より茶の湯の裂として見い出されたものなのかもしれません。



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2015/4/3

18c(清朝期) 綾地”牡丹唐草文様”・金襴裂  染織



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製作地 中国 清朝
製作年代(推定) 18世紀 江戸時代中期
渡来地・使用地 日本
素材/技法 絹、天然染料、金箔糸(平箔) / 綾地、緯紋織

清朝期18cの中国で製作され、江戸時代中期の日本にもたらされた綾地”金襴”織物の裂地。

茶の湯や表装等に使用された中での残り裂とも推察できますが、金箔糸の状態がここまで良いことは特筆すべき点、時代を超えて保たれた奇跡及び先達の愛蔵と継承に感謝をしたくなります。

本金襴裂は萌黄色の絹を経緯とする綾地の中に、金を貼った箔糸と赤茶に染められた絹(モチーフの輪郭を構成)が絵緯で通され、”牡丹唐草文様”が端整かつ流麗に織り込まれたもの、金平箔と赤茶絹の二重(ふたえ)の絵緯を押さえるための経は萌黄色の地組織の絹とともに整経された薄茶色の絹により繊細になされており、綾地・全越(まるこし)・別絡(べつがらみ)技法の、時代モノ金襴織物としての格調の高さと完成美を有する作例となります。

200余年〜300年の時を遡る江戸中期の渡り金襴裂、時代の色香に惹き込まれる一枚です。


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2015/4/1

失われし琉球王朝時代の古紅型  染織



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●”黄色地雪輪に菊団扇模様” 木綿

製作地 琉球王国(現日本・沖縄県)  
製作年代(推定) 19世紀 琉球王朝期
素材 木綿、天然染料、天然顔料、”中模様”型紙による”金黄(ちんおう)”染め



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●”浅地落雁流水楓模様” 苧麻

製作地 琉球王国(現日本・沖縄県)  
製作年代(推定) 19世紀 琉球王朝期
素材 苧麻、天然染料、天然顔料、”大模様”白地型紙による”地返し”両面染め

”紅型(びんがた)”は、中世〜近世の長きにわたり海洋交易で栄えた琉球王国において、インド・中国・東南アジア諸国及び日本の、数多の染織文化との交わりの中で成熟に至った染物であり、輸入素材と地前の素材を巧みに組み合わせ、型紙・米糊を用いた”型染”を主要技法として、麻(芭蕉布を含む)・木綿を主たる台布に多彩な文様染めがなされた、海洋交易国たる琉球に固有の色香を薫らせる染織(染色)作品となります。

日本の鎖国(海禁政策)の時代、琉球王国では盛んな中継貿易が行われ、染織品も重要な輸出産品として扱われたため、近世・幕末までは織物・染物双方において部分的には日本を上回る技術的な発達・発展が見られたことが学術的に指摘できるところ、木綿や麻の”植物繊維”をベースとする多色染物においても、18c〜19c初中期当時、日本においては未だ天然染料を用いた媒染技法が習熟・完成に至らず発色・定着の不十分な彩色木綿(和更紗)を製作していた時代、琉球王国においては高度な染色技法を駆使した、色彩豊かで完成度の高い作品が生み出されました。

19世紀後半〜末、中継貿易の衰退と琉球処分により琉球王国の染織文化は衰退、さらに太平洋戦争により壊滅的な打撃を受け、王国由来の紅型製作の伝統は失われました(後世復興するものの、素材・技術・意匠・用途ともに異なるものに変化)。


●参考画像
上掲紅型の使用型紙(と同型)と思われる琉球王朝時代の白地型紙

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沖縄県立芸術大学附属研究所所蔵(鎌倉芳太郎資料)



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