2015/11/30

江戸期 木綿地”桜と唐花(源氏車)”型染め裂  染織



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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然藍、天然顔料(ベンガラ) / 型染、浸染(藍)、摺り込み(ベンガラ)

本型染め布は、手紡ぎ・手織りの木綿地を台布に、天然藍と天然顔料のベンガラの二色遣いにより”桜の花”と”唐花(源氏車)”の模様が染め上げられたもの、経年・使用による色褪せが見られますが、ベンガラの”薄桃(桜)”と藍の空青に雅(みやび)な表情・空気感が薫る一枚です。

用途は”蒲団表”で、このベンガラの染め付けは汎用品ではなく、武家や富裕商人が婚礼時や客人用の調度品として特注で誂え大切に使用したものと考察することができます。

国産木綿の糸目表情にも滋味があり、”江戸木綿””江戸型染”固有の色香に惹き込まれます。



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2015/11/28

江戸期 ”小紋寄せ”多色型染め(和更紗)裂  染織



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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 型染、摺り込み、片面染め

本品は国産木綿と思われる手紡ぎ・手織りの木綿地を台布に、灰・二色の茶・緑の4色遣いで複雑な絵柄が染め表わされた”和更紗”系統の江戸期・型染作品となります。

色数の多さとともにモザイク状の寄せ形一つ一つに細密な模様が彫られた”小紋・型紙”が用いられている点で相当に手が込んでおり、特別な発注により手掛けられたものと推察されます。

染めには顔料化した染料を複数(多数)の型紙を用い摺り込む手法が取られていると考えられますが、灰地”青海波”のように糊置き(防染)をして染めた部分と、”菊”・”桔梗”等のように染め色の上から白顔料を摺り込んで絵柄を表わしている部分が確認でき、合計では何枚の型紙が用いられ、どのような顔料を用い、どのような手順で染められていったのか興味をそそられます。

型紙づくりと染め双方の熟練した手仕事ぶり、江戸職人の息遣いが伝わってくる一枚です。


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2015/11/26

17c古渡りインド更紗 手描き・両面染め  染織



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製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア  
製作年代(推定) 17−18c初期
素材/技法 木綿、天然染料 / 手描き、媒染、防染、両面染め
裂サイズ 幅:109cm、縦:97cm



●参考画像1 同時代の古渡りインド更紗が羽織に仕立てられた例(絵図)
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「阿国歌舞伎図屏風(部分)」17世紀 サントリー美術館所蔵

※上画像は平凡社刊「別冊太陽 更紗」より転載いたしております



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細手の手紡ぎ糸を素材に目の詰んだ平滑な織りがなされた上手木綿地、その両面からカラムカリ(手描き)の媒染・防染による手の込んだ絵柄が染め表わされた、インドネシア・スマトラ島ランプン交易向けとして知られる17−18c初期作の「古渡りインド更紗」。

茜鉄漿媒染の”黒”の色味が独特で、藍が広範かつ白場への緻密な点描(ゴマ手)を交えて両面で破綻なく染め上げられている技術の高さは特筆すべき点、色の堅牢度をあわせ、3百余年を遡る時代、インド(更紗)のみが表現可能であった特殊な染色技法となります。

布両端に鋸歯模様が配された交易向けのインド更紗は、スマトラ島南部のランプンやパレンバンでとくに愛好されたもので、16c〜19c末(20c初)の長きにわたる期間、当地にもたらされましたが、糸・布の表情、染め表情は時代とともに変遷(おおむね劣化)しており、香辛料・香料生産及び交易の地理的重要性が最も高かった17−18c初のものに格段の充実ぶりが見られます。

そして本布と同手のインド更紗は江戸時代初中期の日本にももたらされており、大名・貴族・茶人等に愛玩されたことは、現在に伝わる更紗裂帖(手鑑)や屏風等の絵図により確認できます。

この手描き・両面染めインド更紗は、ほんの数cm角の小裂が高名な更紗手鑑に入っていたとしても他裂と遜色が無いであろう、充実期の古渡りたる格調の高さと優美さが薫ってまいります。




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●参考画像2 同時代の古渡りインド更紗が着物に仕立てられた例(絵図)
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「観桜遊楽図屏風(部分)」17世紀 ブルックリン美術館所蔵

※上画像は平凡社刊「別冊太陽 更紗」より転載いたしております

2015/11/24

江戸初中期 唐木綿裂  染織



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製作地 中国・南部
製作年代(推定) 17−18世紀  江戸時代初中期
渡来地・使用地 日本
素材/技法 木綿、天然染料 / 平地、緯紋織(浮文)、捩織
裂サイズ 35cm×45cm

”唐木綿(からもめん)”は、江戸初期の鎖国(海禁)政策後、長崎の出島を通じてオランダ船・中国船(唐船)との交易が行なわれた時代を中心に、中国南方産の木綿織物として舶来したもので、他の縞物(唐桟・奥嶋等)とは一風異なる厚手の風合いと紋織・捩織等を駆使した変化のある織り文様が好まれ、大名・貴族・商家等の富裕層の間で珍重されたものとなります。

同種の厚手木綿織物で、オランダ船を通じて舶来したものに”阿蘭陀縞”と呼ぶものがあり、厳密な製作地・出所の特定については未解明の点が残る染織作品でもあります。

本裂は、経糸に白・山吹(本来の色は朱)、緯糸に白・山吹・藍の手紡ぎ木綿を配し、”浮文”の緯紋織と”捩織”の技巧で立体感のある緻密な文様縞を織り出したもの、表裏の表情の変化をあわせ、”変わり縞木綿”とも称される織物ならではの表情の豊かさと新鮮味が薫ってまいります。

甲冑(武具)の装飾に付されていた布から得られた裂のため、鉄さびのシミと小穴が散見されますが、唐木綿の中では古手のもので、糸と染め織りの表情に滋味が感じられる一枚です。



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2015/11/22

江戸末〜明治期 ”科布(しなふ)”大袋  染織



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製作地 日本 東北地方  
製作年代(推定) 19世紀後期 江戸時代末〜明治時代
素材/技法 科、天然藍、大麻(縁布及び充て布の一部)、木綿(紐と充て布の一部) / 平織、接ぎ合わせ
サイズ 横幅:約1m、縦:約85cm

科布(しなふ)は”シナノキ”の樹皮(内皮)から得られる靭皮繊維を糸とし織り上げるもので、藤布や葛布などとともに千数百年を遡る古代より、衣料や生活の調度品のための織物として用いられてきたことが古文書等の記録から確認することができます。

皮剥ぎ・灰汁炊き・醗酵・洗い・乾燥・裂き績み・撚り巻き等、多数の工程を経て一年掛かりで完成に至る手間隙の掛かる糸作り(及び織り布)となりますが、科布には丈夫さと水に強い特性があり、衣類や貯蔵袋のほか、漉し袋や魚網など様々な用途に利用され、地方農村部での貴重な換金物品として、中近世・近代に至るまで細々とながら生産が継承されてきました。

本品は科の撚り糸を経・緯に織られた30数cm巾の布の接ぎ合わせにより仕立てられた、幅1mサイズの大袋で、サイズ・仕様及び口部に簡素な仕立ての結い紐が付されていることから、何らかの生活物資の貯蔵用の袋として用いられたことが推察できるところとなります。

繊細な績み・撚りのしな糸で織られた布は適度な張りと柔らか味(伸縮性)があり、生の色(黄茶)のうえから染められた藍の色が程よく残るすがた、口縁補強・結い紐・充て布に用いられた味わいある古裂たち、経年・使用が纏わせた折々のものをあわせて、得も言われぬ表情の豊かさと今も失われない生命の息づきが感じられます。

実用の貯蔵袋という性格上、本品のように状態が保たれて残ったものは数が少なく、日本固有の自然布染織資料として、また古民具資料としても貴重なものと言うことができます。



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●科布 糸・組織の拡大画像 繊維自然色に藍染め
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●縁布に用いられた縞の大麻布(同時代作)
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●結い紐に用いられた縞絣の木綿布(同時代作)
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2015/11/20

江戸末〜明治期 ”京・紅板締め”裂  染織



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製作地 日本・京都  
製作年代(推定) 19世紀後期 江戸時代末〜明治時代
素材/技法 木綿、紅花染料 / 板締め(夾纈染め)

江戸末〜明治初期頃の京都で襦袢用に染められた、木綿地”紅板締め(べにいたじめ)”裂。

紅花染めの染料の濃淡(紅・桃)を巧みに用い”桔梗(ききょう)”の花蕾模様が可憐に染められたもので、褐色の激しい紅花の色彩が瑞々しく鮮やかにのこる貴重な残存資料です。

この”板締め”による染色は、古代に大陸から伝わり、飛鳥・奈良時代に盛行した「夾纈(キョウケチ)」を原初とするものですが、中世に一旦衰退し断裂の時代があるとも考えられております。

また板締めの染め物が江戸時代を中心に庶民に愛好され、”京の紅板締め””出雲の藍板締め”が一世を風靡したこと自体も、現在では記憶の彼方となりました。

着物(表着)の下の秘め色とされた”紅花染め襦袢”、華やかながらも奥ゆかしさや愁いを帯びた色香ある”いろ”と、板締め固有の染め表情(版木の反転表情)の妙味に魅了される一枚です。



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●白枠が本紅板締めの版木サイズ
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●参考画像1 京・紅板締めの版木
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●参考画像2 京・紅板締めの道具(締具)
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●参考画像3 板締めの製作工程・イメージ絵画
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※上参考画像1・2・3は島根県立古代出雲歴史博物館刊
「よみがえる幻の染色 出雲藍板締めの世界とその系譜」
より転載いたしております

2015/11/16

江戸期 ”算崩し模様”・型染め裂  染織



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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代
素材/技法 木綿、天然藍、天然顔料 / 型染め、片面染め

算木を縦横に精緻に組み上げたような”算崩し(三崩し)”の模様は、”不断長久”を表わす吉祥文様の一つとして尊ばれてきたもの、遠目では織物のようにも見える緻密な染めが見事な本型染め布は、渡り木綿(唐桟・奥嶋)の写しとして手掛けられたものと考察できます。

本品は手紡ぎ・手織りの木綿地を台布に、天然藍による濃紺の地色をベースに”淡藍””紅(ベンガラ)”の二色遣いで緻密な”算崩し模様”が染め表わされた作品となりますが、”淡藍”と”紅”は白布に二枚の型紙を用いて摺り込まれ、その部分を同型紙により糊伏して藍浸染する方法がとられていると思われ、高度に熟練した手仕事による染めの完成度の高さが光ります。

濃紺地に二色遣いで”算崩し”が染め表わされた、この意匠様式の型染めは類例(残存作例)が限られる珍しいもの、何らかの特殊な用途向けに特別な発注で製作されたものかもしれません。




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●参考画像 算崩し文様の渡り木綿(唐桟留・インド) 江戸時代
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※上画像は平凡社刊「別冊太陽 木綿古裂」より転載いたしております

2015/11/12

紅花染め・大麻布(たいまふ) 十三条袈裟  染織



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製作地 日本 ※地域不詳  
製作年代(推定) 19世紀末〜20世紀初め 明治時代
素材/技法 経:大麻撚糸、緯:大麻平糸、紅花染め、絹(縫取織・裏地) / 平地、縫取織、接ぎ合わせ

本品は紅花染めの大麻を素材に経に撚糸、緯に平糸が配された平織り地をベースに、菊花紋と法具(宝珠)紋が絹縫取織で表わされた布の接ぎ合わせで仕立てられた112cm×208cmの袈裟で、縁布を除き13段の縫い接ぎなされた”十三条袈裟”と看做される作例となります。

”紅花染め”というと、通常より紅(緋色)味の強い鮮やかな色彩が想起されますが、紅花中の黄色の色素を抜かずに糸を染めることにより、本品に見られるような橙色系の”カシャーヤ(袈裟)”に相応しい美しさとともに気品と落ち着きを備えた色を染め得るものとなります。

紅花染めの華やぎと落ち着き、格調ある色味の美しさ、そして巧みな布遣いによる(ポジャギに類する)接ぎ表情の妙味に魅了される一枚、日本人が古代から神前・仏前に手向けてきた聖なる糸”大麻”と高貴なる色”呉藍”の取り合わせをじっくり愛でたい品モノです。






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2015/11/10

古渡り縞木綿 ”奥嶋”裂  染織



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製作地 南アジア〜東南アジア 国・地域不詳  
製作年代(推定) 18世紀−19世紀初め
素材/技法 木綿、天然染料 / 平地・経縞

茶染め或いは茶綿の手紡ぎ木綿を経緯のベースに、経縞を構成する焦げ茶と浅葱が平地で織り込まれた縞木綿裂。茶の地からほんのり立ち昇る空気のような浅葱、焦げ茶糸の枯れ具合、数寄者好みを感じさせる色表情・糸目表情に目を惹かれる一枚です。

焦げ茶の糸は鉄媒染ゆえに二百年余りのときを経過し侵食(腐食)が進んで部分的に脱落しており、本来的な枯れ表情にさらに追い枯れが加わっている様子を確認することができます。

細手の繊細な手紡ぎ糸で密に織り上げられたこの布は、当時の富裕層・数寄者の間で重用・愛玩された舶載の染織品”奥嶋(おくしま)”に類するものであり、”縞”が未だ”嶋”の文字で表わされていた頃、つまり高級な縞木綿は遠くの島(国)からもたらされていた時代の作例となります。




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2015/11/8

砂のムラの夕暮れ  旅の一場面



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(写真 インド・ラージャスタン州 タール砂漠エリアにて)

2015/11/6

19c 茜染め”立花模様”インド更紗裂  染織



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製作地 インド ラージャスタン若しくはグジャラート  
製作年代(推定) 19世紀
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、媒染(茜)、描き染め(藍)

一見すると”何と多彩で華やかな表情の染めの布...”という印象のあるインド更紗の19c古裂ですが、実際には”茜””藍”の二種類の染料しか用いられておらず、蝋や糊の防染さえも施すことなく染め得ることを知り及ぶと驚くしかありません。

染料の発色・定着が良くなるように特殊な工程で下処理を施した木綿地に、@鉄漿(=黒に染まる)、A明礬(=赤に染まる)、B鉄漿+明礬(紫に染まる)の3種類の媒染剤を木版で捺染し茜染料への浸染を行うことにより、この多彩な色が同時に(いっぺんに)現われ出でます。最後に直接染料である藍(浅葱)を描き染めし、洗い等の後処理を得たのちに完成となります。

化学染料の発明・流通により、誰でも木綿(植物繊維)を鮮やかな色に染められるようになるまでは、インド更紗の染め技術は”魔法”に位置づけられるものであり、取り分け本布でも見られる”真紅(真っ赤)”といえる赤の色はインド更紗のみが染色可能なものでした。




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2015/11/4

琉球絣(表)+絞り・型染(裏)の時代裂バッグ  染織




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製作地 日本 沖縄 ※木綿絣の製作地  
製作年代(推定) 20世紀前期
素材/技法 木綿、天然藍、天然染料 / 経絣・経縞、絞り染め、型染

表面に琉球の木綿経絣、裏(内)面に木綿絞り染めと型染の古裂が用いられた肩掛けバッグ。

朱赤(蘇芳染め?)経縞が配された時代裂ならではの風情ある琉球木綿絣を筆頭に、三浦絞りと竜巻絞りの併用で藍濃淡筋(染め影)が色味豊かに表現された木綿絞り、白地と藍のバランスが秀逸な蜂の巣模様の木綿型染、布々にいまも息づく生命感に惹き込まれます。

琉球木綿絣の面(本来の表)、絞り染め・型染等のパッチワークの面(内側)のいずれの面を表としてもバッグとしての体裁が保たれるように美しい布構成と丁寧な手縫いの縫製が施されている点が本作品の魅力を高めており、作り手のこだわり・美意識が伝わってくるように思われます。




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2015/11/2

祈りの染め・縫い刺し 出雲の”錨模様”孫ごしらえ  染織



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製作地 日本・島根県 出雲地方  
製作年代(推定) 19世紀末−20世紀初頭 明治時代
素材/技法 木綿、天然藍 / 筒描き、二枚重ね、縫い刺し

布面から飛び出すような勢いのある”錨と鎖”模様に目を奪われる木綿・筒描きの藍染め作品。

出雲地方で”孫ごしらえ”として知られるもので、孫が生まれた際、お嫁さんの生家側がお祝いに仕立てる伝統を有してきたもの、この孫ごしらえには”負ぶい帯””湯上げ布””おしめ(の覆い布)””足拭き布”等があり、この”錨(いかり)”の意匠は、娘と孫(男子)が嫁ぎ家に末永く錨のごとく根をおろし、家が発展して幸せになるようにという主旨の祈りが込められたものと伝わります。

紺屋で染められた布を持ち帰り、母親・おばあちゃんが自身の手で裁断と縫い刺しを施したものでしょうか... 東北地方の刺し子雑巾やインドのカンタ等とつながる表情・空気が伝わってくるのは、この素朴ながら愛情溢れる針仕事の仕上げゆえと感じられます。

”孫ごしらえ”は、時代の変化とともに失われていった染織品で、出雲地方固有のものとしてひろくは知られておりませんが、日本(人)の古の生活・心を映す貴重な染織遺産と思われます。



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