2016/5/1

紅毛船舶載 インド唐桟留”算崩し・もみじ手”  染織



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製作地 インド  渡来地(使用地) 日本
製作年代 17−18世紀  江戸時代初中期
素材/技法 木綿、天然染料(茜・藍)/経緯とも双糸、平地・格子織
サイズ 8cm×8.5cm(密度 経緯とも約50本/cm)


極めて細く繊細に紡がれた木綿糸により、算木を縦横に組み上げたような”算崩(さんくずし)”と呼称される格子文様が極細密に織り表わされた古渡りの”唐桟留(とうざんどめ)”裂。

この”唐桟留”の木綿織物は、主にオランダ船(紅毛船)がインド更紗等とともに交易産品として江戸初中期の日本にもたらしたと考察できるもので、インド南東部コロマンデル海岸に存した積出港”セント・トーマス”に因んで”サントメ=桟留”の名が付されたものと伝わります。

経緯ともに二本引き揃えの”双糸(そうし)”で織られておりますが、糸遣い・織りはあまりに細密で(細密すぎて)目視できる範囲を超えており、ルーペで数倍に拡大することによりはじめて、組織の全容が確認できるといった圧巻の手技の織物となります。

インドからもたらされた”古渡り唐桟留”は 古渡り更紗”とともに、木綿を素材とする未知の次元の高度な技術が加えられた染織品として、戦国・安土桃山〜江戸初中期の大名・貴族・茶人等の富裕層を大いに魅了し、結果、これら(渡り木綿) に対する憧れから、国産木綿の生産及び国産木綿織物の発達が促され、江戸中後期の庶民文化の中で”縞木綿”がもてはやされるに至った、まさにその原初のものという見方・言い方ができるように思います。

本唐桟留裂は、茜染めの紅赤糸と藍染めの空藍糸の二色構成で”算崩し文様”が巧みに表現されたもので、和らぎ萌える紅赤の色味から”もみじ手”として珍重されたものとなります。





●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 



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