2016/6/30

”生命樹”デザイン 合金製・彫金アムレット  技巧・意匠・素材



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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル
製作年代(推定) 18−19世紀
素材 合金製、色ガラス

本品はインド・カシュミール地方シュリーナガルの地で、18世紀〜19世紀に手掛けられたと推定できるもので、銀製ではなく合金製のものである点が第一の特徴、しかしながら銀製の代替品やフェイク品ではなく、当時の世襲の熟練彫金職人(シルバー・スミス)が合金の地金を素材に、巧みな鍛造・打ち出し・彫金・ろう付け等の技巧を駆使して生み出した一級の工芸作品であることをアムレット本体及び手の込んだチェーンとカザリパーツのつくりから指摘することができます。

このデザイン様式の装身具は、主にペルシャ・中央アジア・パキスタン・インドのイスラーム・コミュニティの間で古い時代から使用されてきたものとなります。赤は魔除け及び生命力を表す色であり、この種のアムレットにはカーネリアンやガーネット等の色石若しくは色ガラスが用いられ、本体は唐草・生命樹・羊の角等の吉祥・豊穣を表す彫金モチーフで彩られてきました。

豊穣を表す”生命樹”が力強く躍動感溢れる刻線で描かれ時代物固有の色表情と深みを湛える赤色ガラスがセットされた本体部、繊細なパーツで構成されるチェーンと垂れカザリ、高度かつ繊細な手仕事による意匠の完成美に魅了される一品です。




●本記事内容に関する参考(推奨)文献

2016/6/29

マニ車と紡錘車と  旅の一場面



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(写真 インド ジャンムー・カシュミール州 ラダック地方 ラマユル近郊にて)

マニ車を回すように、生活の中で時間さえあればスピンドル(紡錘車)を回し続け糸を紡ぐ行為は祈りに通じているのかもしれません。

2016/6/28

19c初 カシミヤ綾地・刺繍”アームリカル”(3)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル  
製作年代(推定) 19世紀初め アフガン期
素材/技法 カシミヤ山羊の内毛(うぶ毛)、天然染料 / 2/2綾組織、刺繍、アームリカル
サイズ 横幅67cm、縦42cm

ムガル治世下に”綾地綴織”の織物として技術の完成をみたカシミール・ショールですが、織物一枚の製作にあまりに労力・時間が掛かりすぎ、国内外からの需要が高まる中、綴織一枚織物(カニカル)に比べ製作時間の短縮が望める刺繍物(アームリカル)がアフガン期に登場します。

しかしながら、目にした際に明らかに刺繍と判別できるようなものは、貴族・富裕層のための高級衣料”カシミール・ショール”として受け入れられるものではなく、代用品及び汎用品のレベルを遥かに上回る高度な刺繍技術による細密刺繍ショールが生み出されることとなります。

本品は2/2綾組織によるオフホワイトの織り地が極めて高品質で、高級パシュミナたる織り密度の高さと柔らか味を兼ね備えており、それ故に織り地と刺繍の糸目とが見事に馴染んでおり、肉眼で一見したのみでは織りか刺繍かを判別するのは困難と言える秀逸な作品です。

刺繍の細密ぶり・色彩の美しさ・デザインの精巧さが際立つ”初期アームリカル”の名品裂です。



●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/6/27

19c初 カシミヤ綾地・刺繍”アームリカル”(2)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル  
製作年代(推定) 19世紀初め アフガン期
素材/技法 カシミヤ山羊の内毛(うぶ毛)、天然染料 / 2/2綾組織、刺繍、アームリカル




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/6/26

19c初 カシミヤ綾地・刺繍”アームリカル”(1)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル  
製作年代(推定) 19世紀初め アフガン期
素材/技法 カシミヤ山羊の内毛(うぶ毛)、天然染料 / 2/2綾組織、刺繍、アームリカル




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/6/25

青い空と馬たちと  旅の一場面



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(写真 インド ジャンムー・カシュミール州 ソナマーグにて)

2016/6/24

19cカシュミール−モチ刺繍(3)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 ※グジャラート州の可能性あり  
製作年代(推定) 19世紀後期 ドグラ期
素材/技法 木綿地、絹刺繍、天然染料 / 平地、タンブルワーク(モチ様式刺繍)
種類(用途) 祝祭儀礼用の敷き布 ルマル
サイズ 約170cm×約170cm

本品は外観的には19世紀中後期のドグラ期(英国植民地下のヒンドゥ藩国)にカシュミールで手掛けられた刺繍(アームリカル)作品中の”ミニアチュール(細密画)風ショール”等と呼称されるデザイン様式のもので、布全面を彩る人物・鳥獣の具象モチーフ及び地模様が“鉤針=アリ(ari)”を用いた”タンブルワーク(ルーピングステッチ)”で細密に表現された作品となります。

しかしながら、カシュミールにおける”ミニアチュール風ショール”は概ね織り地及び刺繍(織りの場合あり)、若しくはそのいずれかに”カシミヤ(パシュミナ)”が用いられるものであり、本作品のように織り地に木綿、刺繍に絹が用いられたものは類例が限られる特殊なものと位置づけられ、カシュミール作と特定するに至る要素・根拠には欠けるものと考察されます。

人物や馬等の描き方は明らかに近世グジャラートにおいて宮廷・貴族・富裕商人のための刺繍を手掛けた職能集団モチ共同体の手による”モチ刺繍”の影響を伺わせるもので、カシュミールに存する刺繍職人がグジャラートの宮廷・貴族の求めによりモチ様式の作品として製作したもの、或いはグジャラートにおいてカシュミール・ショール風デザインの敷き布ルマルをモチ刺繍職人が製作したもの、双方の可能性が想定されるところとなります。

いずれにせよ、並々ならぬ高度かつ熟練した職人技術と手間隙が掛けられたもので、作品の全体及びディテイルからは当時の宮廷・貴族向けモチ様式刺繍に固有の意匠の完成美・濃密な色香が薫ってまいります。歴史の浪漫が薫るインド・アンティーク刺繍の名品です。




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
  

2016/6/23

19cカシュミール−モチ刺繍(2)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 ※グジャラート州の可能性あり  
製作年代(推定) 19世紀後期 ドグラ期
素材/技法 木綿地、絹刺繍、天然染料 / 平地、タンブルワーク(モチ様式刺繍)




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2016/6/22

19cカシュミール−モチ刺繍(1)  刺繍




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 ※グジャラート州の可能性あり  
製作年代(推定) 19世紀後期 ドグラ期
素材/技法 木綿地、絹刺繍、天然染料 / 平地、タンブルワーク(モチ様式刺繍)




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2016/6/21

19−20c初 刺し子&刺繍”ラクシュミー”カンタ  刺繍



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製作地 インド・ベンガル地方 現バングラデシュ・ジョソール
製作年代(推定) 19世紀後期〜20世紀初め
素材/技法 木綿地、木綿刺繍 / 刺し子、刺繍
サイズ 72cm×81cm

蓮華、孔雀、象、魚、生命樹... 女神ラクシュミーを祝福するモチーフが生き生きと刺し描かれたヒンドゥ教徒の手による刺し子&刺繍布”カンタ”。

印パ分離独立前、19世紀後期〜20世紀初めのベンガル地方ジョソール(現バングラデシュ)における作例で、ルマル・チャクラ(掛け布)或いはボスタニ(包み布)として手掛けられたもの。

赤・青・橙の木綿糸を素材にステムステッチによる線描及び”チャタイ(chatai)”と呼ばれる縫取風の断続したダーニングステッチを主体にモチーフ描きがなされ、地の白木綿全面に白糸による緻密な刺し子が加えられたもの、ボーダー文様の”ボテ”から中央部の”蓮華”まで、無数に散りばめられた大小モチーフは端整でありながらも硬さが無く大らかで生き生きとしており、作品からは技術的な素晴らしさとともに、祈りとともに手掛けられた古い時代のオリジナル・カンタのみが有する生命感の豊かさ・精神性の深みが薫ってまいります。




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2016/6/20

杏子の里 カルギル  旅の一場面



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(写真 インド ジャンムー・カシュミール州 ラダック地方 カルギルにて)

2016/6/19

カシュミール ”鳥獣狩猟文”銀&象牙ブレスレット  技巧・意匠・素材



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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州  
製作年代(推定) 18−19世紀
素材/技法 銀、象牙 / 打ち出し、透かし彫り
サイズ 外径:約10cm、内径:約7cm、重さ:71g

カシュミールの地は古い時代よりペルシャ・中央アジアとインド及びチベット・中国とインドを結ぶ交易路シルクロードの支流として様々な文物がもたらされた土地柄であり、美術工芸においても東西文化の影響を受けた特色ある作品が生み出されてきました。

“鹿””うさぎ””狐””鳥”等の具象モチーフを交えた唐草繋ぎの流麗で躍動感溢れる彫金意匠が本品の最大の見所、ペルシャ及びムガル様式の香りが色濃い時代装身具としての濃密な存在感に目と心を奪われる一品です。また重厚で古色を纏ったアイボリー(象牙)パーツと銀細工とのコンビネーションにも格別な味わいが感じられます。

カシュミールの地の空気感と精神性が凝縮されたアンティーク装身具の格調高き逸品です。




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●参考画像 ムガル好みの狩猟文様(18−19c インド更紗)
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2016/6/18

ヒマラヤ山麓のオアシス的都市 カルギル  旅の一場面



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(写真 インド ジャンムー・カシュミール州 ラダック地方 カルギルにて)

2016/6/17

日本古渡り ”黒地散扇手”インド更紗裂  染織




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製作地 インド ※地域不詳  
製作年代(推定) 17−18世紀
渡来地・使用地 日本 江戸時代初中期
素材/技法 木綿、天然染料 / 手描き(カラムカリ)、媒染、防染、片面染め
サイズ 4.8cm×13cm

大航海時代の17−18世紀、江戸時代初中期の日本にもたらされ大名・茶人・富裕商人等が愛玩・使用したインド更紗の中には、日本人の嗜好が色濃く反映された”日本(向け)古渡り”と呼称されるインド更紗が存在することが確認されております。

黒の地色に白抜きで”扇形”が表され、茜の明礬媒染(赤)と鉄漿媒染(焦げ茶)及び黄と緑(黄×藍)で扇内部に色柄が加えられた本インド更紗裂は、明らかに日本好みの意匠として手掛けられた一群のインド更紗(=日本向け古渡り)と指摘できるものであり、色柄の細部は異なりますが、ほぼ近いデザインのものを著名な”更紗裂帖(手鑑)”のうちに目にすることができます。

本品は4.8cm×13cmの小さな裂ながら、日本向け古渡りインド更紗固有の格調の高さと存在感が感じられる一枚、鉄漿媒染・茜染めによる”焦げ茶”に”藍”を重ね染めしたと考察される地色の”黒”の色合いの深みが際立っており、濃密・濃厚な色味の”黒”の中に散らし文様としてリズミカルに配された”扇文”、その可憐な描き染め表情からは妖艶な色香が薫ってまいります。




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2016/6/16

18−19c初 朱子地”蔓花・葡萄文”ブロケード裂  染織



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製作地 インド グジャラート州 或いは ウッタル・プラデッシュ州 ヴァラナシ
製作年代(推定) 18−19世紀初期
素材/技法 絹、天然染料 / 朱子地、緯紋織、ブロケード
サイズ @横幅26cm×縦14cm、A横幅25.5cm×縦9cm

”蔓花・葡萄”の文様が布全面に細密かつ瀟洒に織り表されたこの二枚の時代織物は、パースィ若しくはムスリムの経典カバーに貼られていた宗教書装丁のための布裂となります。

紅赤の絹の朱子地(経朱子)をベースに、白・山吹・浅葱・紺の多色の絹を用いた緯紋織の技法により緻密な文様が描き出されており、金銀糸を使用しない絹のみで表現された”アムル(amru)”と呼ばれる種類のブロケード織物、布全体にわたる糸遣いの繊細さが際立っており、文様の細部に宿る精神性と完成美に目と心を奪われます。

顕微ルーペで目にすると、緯紋織の糸はすべての部位で三色一式で(三色一糸に)束ねられ、表で文様を構成する色が繊細に掬い出されている様子が確認でき、並々ならぬ高度な手仕事により織り上げられた卓越した技巧の織物であることが判ります。

素材・技術・製作の背景を含めて、そのすべての要素が今では失われしもの、土地と時代、歴史の浪漫が薫るアンティーク・ブロケード織物の逸品裂です。



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