2016/11/29

手績み大麻/大麻布の衣装  技巧・意匠・素材




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●ベスト:大麻布/ジャケット:木綿布

(写真 ベトナム・ラオカイ省 サパにて)

2016/11/27

17−18c 手描き”藍地多弁花模様”インド更紗裂  染織




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製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア
製作年代(推定) 17世紀〜18世紀前期
渡来地・使用地 インドネシア・スマトラ島 ランプン
素材/技法 木綿、天然染料 / 手描き・両面染め、媒染、防染
サイズ 47cm×47cm

本布は細手の手紡ぎ木綿糸で平滑に織られた上質な木綿地をベースに、藍の浸染及び茜媒染を主体に絵付けがなされたもの、総手描き&両面染めの特殊かつ高度な技巧が加えられており、ランプン王族・上層貴族向けに特別な発注により手掛けられたと推定される作例となります。

大ぶりの多弁花と額縁状の葉模様が連続文として精緻に染め描かれており、花は”蓮華”的な表情を感じますが、切れ込みの入った葉のカタチは”牡丹”的であり、インド若しくはオランダ東インド会社がアジア交易向けに意匠化した”牡丹唐草模様”のいちバリエーションと考察されます。

17−18世紀当時、世界でインドのみが有していた高度な木綿媒染技術が如何なく発揮された作例で、赤の色味の濃さ・鮮やかさ、更には300年前後にわたり色褪せない染色の堅牢さは驚嘆に値するもの、取り分け薄手の木綿地に対して、ここまで染めムラ等の破綻無く手の込んだ多色模様を両面で染め上げている点は、現代の目からも並々ならぬ技術のものと言えます。

”古渡り期インド更紗”たる固有の存在感と格調の高さが感じられる名品裂です。





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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
  

2016/11/25

江戸後期 縞木綿”和唐桟・微塵嶋”裂(2)  染織




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製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料 / 平地、格子織
サイズ 幅(緯):34cm、長さ(経):66cm

本布は濃藍と茶に染められた二色の木綿糸で構成される平地の縞格子で、経緯ともに連続線と点線を交えて篩(ふるい)の網目のような独自の表情を有する文様を描いたもの、これは江戸時代に”せいらす嶋”の呼称でもてはやされたもの(せいらすはセイロン島に由来)で、”じゃがたら嶋””算崩し嶋”等とともに舶来の唐桟・奥嶋が意識されて、その写しとして日本国内でも織られるようになった和唐桟の一種となります。

唐桟・奥嶋は経緯ともに双糸(二本引き揃えの糸)で織られるのが通常ですが、江戸時代に遡るこの種の唐桟写しは、未だ品種改良の進む前の短繊維で粗く毛羽のある糸、細く長く紡ぐことが困難な国産木綿で織られたため、本布のように双糸ではなく単糸で織られたものが見受けられますが、ここまで細く長く繊細に手紡ぎされた糸により平滑な織物、一見すると渡りの唐桟と見紛うほどの細密な織りが実現できているのは並々ならぬ手技によるものと言うことができます。

”微塵嶋”とも称され珍重された江戸期の上手木綿織物、時代の色香が薫る逸品です。





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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/11/23

江戸後期 縞木綿”和唐桟・微塵嶋”裂(1)  染織




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製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料 / 平地、格子織
サイズ 幅(緯):33cm、長さ(経):51cm

本布は白及び青藍・紅・黄(生成り)に染められた4色の木綿糸で構成される平地の縞格子で、繊細に手紡ぎされた細手の糸で密に織り上げられたもの、舶来の唐桟・奥嶋が意識された織物であることが文様と色彩から伺えるところとなります。

唐桟・奥嶋は経緯ともに双糸(二本引き揃えの糸)で織られるのが通常ですが、江戸時代に遡るこの種の唐桟写しは、未だ品種改良の進む前の短繊維で粗く毛羽のある糸、細く長く紡ぐことが困難な国産木綿で織られたため、本布のように双糸ではなく単糸で織られたものが見受けられますが、ここまで細く長く繊細に手紡ぎされた糸により平滑な織物、一見すると渡りの唐桟と見紛うほどの細密な織りが実現できているのは並々ならぬ手技によるものと言うことができます。

遠目ではほんのり赤み掛かった灰色(江戸鼠)の色無地とも思えるような視覚効果があり、目を近づけると縦横に格子が入っていること、更に肉眼以上に倍率を上げると白・青藍・紅・生成り(※生成りは画像では判別しずらい)の4色構成で格子縞が表現されている様子が確認できるもの、ここからは細密小紋の型染めとの共通項・美意識の有り様が見い出せます。

”微塵嶋”とも称され珍重された江戸期の上手木綿織物、時代の色香が薫る逸品です。




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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/11/21

綿花と藍草と手指から(3)  旅の一場面




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(写真 中国・貴州省 黎平県にて)

2016/11/19

綿花と藍草と手指から(2)  旅の一場面




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(写真 中国・貴州省 黎平県にて)

2016/11/17

綿花と藍草と手指から(1)  旅の一場面




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(写真 中国・貴州省 黎平県にて)

2016/11/15

実りの季節のいろ  旅の一場面




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(写真 中国・貴州省 黎平県にて)

2016/11/13

聖なるもの・精なるもの  旅の一場面




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(写真 ラオス・ヴィエンチャン及びルアンパバンにて)

2016/11/11

共振する龍の意匠 水(雨乞)と豊穣の祈り  染織




●カンボジアの絹絣(19c)に描かれた蛇龍神ナーガ

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●日本の木綿型染め布(19c)に描かれた雨龍と山道模様

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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
   

2016/11/9

カンボジア絹絣に描かれた蛇龍神”ナーガ”  染織




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製作地 カンボジア南部
製作年代(推定) 19世紀後半
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料/綾地・緯絣





●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/11/7

江戸後期 ”雨龍&山道模様”型染め布  染織




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製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀後期 江戸時代末
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 型染め、片面染め
サイズ 横幅(緯):73cm(二枚接ぎ)、縦(経):81cm

本布は江戸時代後期に地方(九州或いは東北?)の紺屋で作られた”地細工”と呼ばれる種類の型染古裂で、手紡ぎ・手織りの木綿地を台布に天然藍及び天然染料と顔料を交えた多色遣いで大柄かつ手の込んだ模様が染め上げられた特殊な作例となります。

”雨龍”は雨乞の象徴模様として知られるもので、本布の具体的な使用用途は不詳ですが、凝った彫り型紙と多色の華やぎある染め意匠から、日常遣いではなく何らかの祝祭・祈願或いは芸能行事(”山道模様は芸能衣裳と縁が深い)で用いられたものとも考察されます。

特筆すべきは接ぎ合わせ部分の模様がピタリと組み合うのように仕立てられている点で、型紙彫り師と染め師、江戸職人の技巧の高さを随所から伺うことができます。

意匠から濃密に薫る江戸の色香、時代染織の有する豊かな物語性に惹き込まれる一枚です。






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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/11/5

江戸後期 筒描き”雨龍”&麻組み・鞍掛け布  染織




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製作地 日本 ※地域不詳(新潟県長岡?)
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、大麻、天然藍 / 筒描き、組み編み、型染め(内布の一部)
サイズ 全形:50cm×約120cm(筒描き部分50cm×33cm)

一巾の手紡ぎ手織りの木綿地の上、大きくかつ躍動感たっぷりに染め描かれた”雨龍(あまりゅう・あまりょう)”の筒描き意匠が印象的な江戸時代の馬の鞍掛け布。

左右の網状部分とフリンジは大麻の手績み糸を組み編みしたもので、木綿筒描きの中央布と縫い合わされ(袋状となり、使用時には厚手の布や筵(むしろ)等が入れられる)、鞍の下に敷いて馬の肌を保護する目的の背当て布として用いられたものとなります。

”雨龍”は角・鱗をもたない龍の幼い姿とされるもので、”雨乞い”の象徴模様として、また”成長”へ向かう願掛け模様等として古来より描かれてきたものとなります。

馬の鞍掛け布に”雨龍”を描いた理由は不詳ですが、祭事・神事の馬に何らかの願掛けがなされたもの、或いは”雨龍”を家紋等の象徴(吉祥)文とする家柄で作られたことが推察されます。

ところで、朧な輪郭で弱々しく精霊のような姿で描かれることが一般的な”雨龍”にしては、本龍は手脚の爪がだいぶ力強く、身体や顔もしっかりしており、力強い生命感も伝わってくるところ、雨龍(璃龍)から成龍へと育つ過程が描かれているようにも思われてまいります

越後長岡藩(新潟県長岡)の藩主であり江戸幕府の老中職に就いた「牧野忠精(ただきよ)」公は”雨龍”をことのほか愛し、文画の才を生かし”雨竜百態”と呼ばれる絵を描いたとされますが(”雨龍の殿様”と呼ばれる)、その中にこのような容姿の”雨龍”があったかもしれません。

具体的な出自(製作地域)は不詳ながら、江戸期の匂い・武家の匂いが濃密に薫る一品です。







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●参考画像 ”雨龍”の染め描かれた筒描き風呂敷(明治期) 
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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 



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