2022/1/29

江戸時代初中期 絹搦み織地 ”花模様”絞り染め着物裂  染織




クリックすると元のサイズで表示します


製作地 日本 京都
製作年代(推定) 17−18世紀 江戸時代初中期
素材/技法 絹、天然染料、天然顔料 / 搦み織、経浮文、絞り染め ※和紙裏打ち
サイズ 幅(緯)29.5cm、長さ(経)53.5cm

搦み織に経浮を加え”入子菱文”を織り表した巧緻な織物に、複数の技法を交えた絞り染めにより多彩な花模様を染め描いた、一見して並ならざる高貴な風情が伝わる着物裂。

残存する同種作例(比較資料)が身近に見当たらないため判然としない事柄も多く、製作年代についても絞り込みが難しいところですが、素材・技法・意匠・裂の出自等を総合して、江戸中期を下ることはないものと思われます。

織り密度の粗い搦み織は堅牢度が低くその分絹糸の劣化も進むため、長い年月を経過しながらここまで状態を保っているのは極稀なことであり、製作当初の所有者のもとで大切に扱われ、打敷等として寺院に奉納された後もしっかりと保存継承され、そののち茶人・数寄者に類する者が軸装のために裏打ちを施したものと推察されます。

花を彩る”紫紺・黄丹・花浅葱”の色合いは何とも瑞々しく雅やかで、数百年の時を越えて生命が息づいている様子を確認できます。

彼の時代に想いを巡らせ鑑賞を愉しむことに尽きせぬ魅力が感じられる一枚です。


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(光学顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します

2022/1/25

古渡りインド更紗 龍虎  染織




クリックすると元のサイズで表示します

18世紀 シャム王国渡り 黄地龍動物(菩薩)文様 部分裂
当店ご紹介品 



クリックすると元のサイズで表示します

18世紀 日本渡り 黄地花卉豹文様 部分裂
井伊家伝来 彦根更紗 

ユニークな色遣いと表情は、現実の虎や豹というより、どこか空想上の獣を思わせます。インド更紗は近世の日本でも珍重され、本作は彦根藩井伊家に伝来しました。鮮やかな赤色は、茜で染め出していると考えられます。南アジアの独特な虎・豹の表現がわかる作品です。

上画像・文は東京国立博物館「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー!!」
に展示(会期:令和4年1月2日〜30日)

2022/1/22

江戸時代後期 黒地”襷&三盛亀甲”模様 型染裂  染織




クリックすると元のサイズで表示します

製作地 日本 京都
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 型染、片面染め
サイズ 幅(緯)34cm、長さ(経)188cm

鮮烈な黒染めと緻密な型紙彫描線が印象的な江戸時代後期の木綿型染裂。

有職文様の襷文が元となる繋ぎ模様の中に三盛亀甲の家紋が組み入れられたもので、布裏に綿の付着が残ることから蒲団表が解かれた一巾分と考えられますが、黒染めの蒲団表は珍しいものであり、武家・商家等からの特別な発注により本布が仕立てられたことが伺えます。

また黒を主体に部分的にベンガラによる赤茶の色付けを交えた本布の染め意匠は、京都”大原女染”と関わりがある可能性を指摘することができます。

上質な手紡ぎ糸を用いた密度の高い織りの木綿地は質感が豊かであるとともに丈夫であり、150〜200年の時を経て強度が損なわれていないのは優れた素材遣いゆえです。


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(光学顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

2022/1/17

江戸時代後期 ”波に水車柄杓御屋敷菊花”模様 火消刺子袢纏  染織




クリックすると元のサイズで表示します

製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 筒描、描き染め、刺し子
サイズ 肩幅58cm、袖丈29cm、身丈92cm

大波、水車、長短様々な蜘蛛手につけられた柄杓... 水にまつわる模様が躍動感豊かに描き込まれた江戸時代後期の火消装束・刺子袢纏。

上部の肩袖に描かれた石垣のある立派な御屋敷と菊花は、家々と人々の平安な生活を火事から守る仕事を担う意気が表されたものでしょうか。

特筆すべきは、江戸期の所産ならではの落ち着きと深みのある天然染料と天然顔料の色彩で、表地と刺子の藍をあわせて色の調和が見事です。

また内布には紅花染めの木綿が仕込まれていますが、鬼手に類する質感豊かな紡ぎ・織りの木綿を染める紅花の色味が優美かつ妖艶で、ここからも願掛けの意を汲取ることができます。

衣裳全体から江戸の色香が濃密に匂い立つ一品です。


クリックすると元のサイズで表示します



クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します



クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(光学顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します

2022/1/12

江戸時代初期 絹”御簾垣しだれ桜”模様 寛文小袖裂  染織




クリックすると元のサイズで表示します

製作地 日本 京都
製作年代(推定) 17世紀後期 江戸時代初期
素材/技法 絹、天然染料 / 糊染(筒描)、色挿し、型鹿の子(摺匹田)
サイズ 幅(緯)29.5cm、長さ(経)50.5cm

右肩上がりに配された御簾垣模様の入り方から着物全形を想像することが可能な(本記事最下の参考画像参照)、”寛文小袖”右後ろ身頃の部分裂。

350年前後を遡る時代の裂ながらここまで状態が保たれているのは、小袖が打敷等として寺院に奉納される慣習があったためであり、本布も長い年月にわたり寺院内で大切に保存・継承されてきたのち、比較的近年に裂として外に出てきたものと推察されます。

模様は糊染(筒描)の防染後に萌黄の地染めがなされ、型鹿の子(摺匹田)を交え鼠・茶・藍・紅花で色づけがなされていますが、友禅染め誕生以前の”初期友禅”と位置づけられる技法による色挿し、取り分け紅花の濃淡を効かせた染めに得も言われぬ雅な空気感が感じられます。

糸・織・染・描の細部に生命が瑞々しく嫋やかに宿っており、目にしていると時空を超えて彼の時代に誘われるような心地となるいにしえの一枚です。


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(光学顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します


(参考画像)
同時代・同デザイン様式の寛文小袖

クリックすると元のサイズで表示します

※上画像は(財)歴史民俗博物館振興会刊「[染]と[織]の肖像」より転載いたしております

2022/1/7

江戸時代後期 ”墨絵竹虎図”模様 火消刺子袢纏  染織




クリックすると元のサイズで表示します


製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料、顔料 / 筒描、描き染め、刺し子
サイズ 肩幅58cm、袖丈29cm、身丈95cm

竹林の虎が勇猛な姿表情で裏地に染め描かれた、江戸時代後期の火消装束・刺子袢纏。

特筆すべきは単なる竹虎模様ではなく、墨絵(水墨画)のタッチで濃淡とぼかしを駆使して竹・虎・空間を緻密かつ立体的に描き込んでいる点で、絵柄からは躍動感とともに研ぎ澄まされたような荘厳な空気感が伝わってまいります。

藍表地の擦れや褐色は水を被ることから始まる火消仕事が繰り返された証跡であり、袖先や襟のホツレや疵を含めて、正真の時代モノ火事袢纏としての風格が感じられます。

刺し子の一縫い一縫いに表情があるのは、これに安全への祈りが込められているからに他ならず、内布として仕込まれた江戸期和更紗及び竹虎図の流水の青の色付けからも願掛けの意を読み取ることができます。

危険を顧みない命懸けの火消仕事を担う者のために職人が心血を注いで作り上げるもの、時代に由来する濃密な精神性と芳醇な色香に惹き込まれます。


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(電子顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します

2022/1/3

江戸時代末 木綿”波兎”模様 筒描布  染織




クリックすると元のサイズで表示します


製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 19世紀後期 江戸時代末
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 筒描、線描、摺込み
サイズ 幅(緯)36cm、長さ(経)85cm

荒波に立ち向かうように駆ける姿が印象的な”波乗り兎”模様の木綿地筒描布。

婚礼等のお祝いごとに際して紺屋(こうや)への特別な発注で手掛けられるものであり、作品からは吉祥感・躍動感とともに布に込められた祈りが伝わってまいります。

両織り耳と織り始(下辺)が備わった一巾分の布で、製作当初の作品の種類・用途は定かではありませんが、上部の朱赤横縞の入り方を見ると蒲団表や夜着ではなく、馬掛け或いは小ぶりな油単として数枚接ぎで仕立てられていたもののように思われます。

うさぎは輪郭線を伴わずに手描の破線や暈しを駆使して柔らかく表現している点は江戸期の染め職人仕事に符合し、波・飛沫の描き方と青の色彩感、ベンガラの落ち着いた色味を併せ、時代に由来する風雅と精神性が薫ってまいります。

一巾分ながらしっかりと完成美を宿している点が本布の最大の魅力であり見どころ、江戸期紺屋職人の技術の高さとセンスの良さ、粋(いき)が実感される一枚です。


クリックすると元のサイズで表示します



クリックすると元のサイズで表示します



クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


クリックすると元のサイズで表示します


(光学顕微鏡による画像)
クリックすると元のサイズで表示します

2022/1/1

祝・2022年  




クリックすると元のサイズで表示します

”墨絵竹虎図”模様 火消刺子袢纏 江戸時代末



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ