2013/3/2

ザンスカールのヤクウール絞り染め肩掛け  民族衣装





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製作地 インド・ジャンムー&カシミール州 ザンスカール  
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 チベット系民族  
素材/技法 ヤクウール、染料 / 綾織り、絞り染め、三枚接ぎ


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標高3500mを超える高地に生活するザンスカールの人々が、自身が放牧し育てたヤクから収穫したウールを素材に、紡ぎ・織り・染めの手仕事により手掛けた絞り染めの肩掛け。

丸の中に十字を描く絞りモチーフは、チベット仏教の伝統のもと古来より受け継がれてきたものですが、日本では江戸時代に“蒙古絞り”としてもてはやされたものとも縁の深い染織の意匠です。

一年の3分の2近くは外地との交通が遮断される厳寒の山里ですが、それ故、他の地域では既に失われてしまった染織や衣装の伝統が継承されてきたのかもしれません。


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※上写真はsansabbaisabel氏撮影

2012/7/21

海南島の先住民”黎族”の染織・衣装  民族衣装




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製作地 中国・海南島 中南部山岳地帯  
製作年代(推定) 20世紀前期〜半ば
民族名・支族 黎(リー)族 杞黎

黎族は新石器時代には海南島に生活していたと考えられており、彼らの染織については古い時代からの数多くの史書に記載されるほど、その技術の高さで誉が高く、中国歴代皇帝への献上品等としても扱われてきたことが知られております。

海南島自生の木綿及び麻(樹皮繊維系)を交織し天然藍で染めて作り上げる厚地の藍布、多色の絹を緻密に織り込み文様を描く錦・縫取織と刺繍... 古い時代に手掛けられた作品からは、素材感・意匠ともに他には類の無い独自の表情・色香が薫ってまいります。

近年の海南島の大々的な開発の中、黎族本来の優れた染織・民族衣装の伝統は、現在ではほぼ失われしものとなってしまいました。



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※上画像は中国人民美術出版社+美乃美刊「広東黎族染織刺繍」より転載いたしております

2012/7/4

鳥を身体に纏う迎魂の民族衣装  民族衣装



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製作地 中国・貴州省 丹寨県  
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 苗(ミャオ)族

先祖を敬うための迎魂の祝祭儀礼の際に、村内の選ばれし者が着用する特別な衣装作品。

ミャオ族にとって、鳥は先祖と同一視される存在であり、鳥の意匠を身体に纏い、笙を吹いて迎魂を行なう儀式の様子からは、シャーマニックな空気を感じることができます。



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2012/6/19

表と裏、麻と木綿、浅葱から濃紺まで  民族衣装



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製作地 ベトナム・ラオカイ省  
製作年代(推定) 20世紀後半
民族名 黒モン族


黒モン族がジャケットの上から重ね着するベストは、表地が麻(ヘンプ)、裏地が木綿、自家製の天然藍で染め上げられ、刺繍襟を付して仕立てられます。

濃藍に染められ光沢付けがなされた麻地と、淡藍に染められた木綿地、色合いと質感が大きく異なりますが、黒モン族の人々は、そのいずれの藍の表情も”オモテ”として愛し楽しんでいます。

表で着た際と、裏で着た際では”刺繍襟”の見せ方が異なる点も着用のポイントです。

自身で藍建てを行い、染め濃淡は自身の好みに調整し、ときに染め直しを施し... 刺繍襟の色柄や長さも自身の好みでつくられ、まったく同じベストは二つとありません。


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(写真 ベトナム・ラオカイ省にて)

2012/5/27

山中の小さな村の民族衣装  民族衣装




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製作地 中国・貴州省 雷山県桃江  
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名・支族 桃江ミャオ族

中国西南地方に生活する苗(ミャオ)族は、村ごと・支族ごとにデザインの異なる独自の民族衣装を製作・着用する伝統を有してきた民族となります。

この桃江(タオジャン)は、貴州省雷山県の山岳部に位置する一小村に過ぎませんが、丈の短い半纏タイプの上着と、同じく丈の短いプリーツスカート、一目でそれと判る個性的な民族衣装を村人たちは代々手掛けてきました。

天然染料染めの手引き絹を経緯に用いた手の込んだ綾紋の格子織り、藍で煌びやかに染めた絹を用いた浮紋織り、精緻な経紋織りの紐... 見た目が個性的なだけでなく、極めて高度な染め・織り・刺繍の技術が駆使されていることが、本作例から伺うことができます。

片田舎の一小村の人々が、このような高度な手仕事の技巧と完成度の高い民族衣装の伝統を継承してきたことに感動を覚えます。


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2012/3/2

ジャート族衣装の胸部刺繍  民族衣装




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製作地 パキスタン・スィンド州 タールパルカール  
製作年代(推定) 20世紀半ば〜後半
民族名 ダネター・ジャート族

ジャート族は古くはイラン(ペルシャ)の地に居住、遊牧生活の中で東部に移動してきたと考えられている人々で、パキスタン・スィンドとインド・カッチ地方にまたがる辺境エリアで、主に羊飼い・牛飼いを生業として生活をしてきた民族となります。

スィンド側の支族はムスリムが中心ですが、結婚時のダウリー(持参物)の習慣を有することが知られ、ダウリーの主たるものが刺繍品であることから刺繍の技術が高度に発達、取り分け衣装の胸部を装飾するためのこの刺繍パネルは重要なダウリーの一つと見做されてきました。

ダネター・ジャート族の衣装は、スカート状の広幅布が配されたチュニック型ドレスが特徴、胸部に細密な刺繍パネルが付され裾部が大きく広がるドレスは、独自の可憐な印象が感じられます。



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※上画像はMuseum of Cultural History,UCLA刊「DOWRIES from KUTCH」より転載いたしております





●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2012/2/10

タノブラカーンの全面刺繍・婚礼ブラウス  民族衣装



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製作地 パキスタン・スィンド州タノブラカーン  
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名 使用者:ロハナ族(ヒンドゥ) 製作者:ムスリム系の刺繍職人

この”グージュ”と呼ばれる婚礼用ドレスは、印パ分離独立以前のパキスタン側スィンド州タノブラカーンの地で、ロハナ族等ヒンドゥ系の商人・地主階級の富裕貴族からの発注により、ジャート族等ムスリム系の刺繍職人が手掛ける伝統を有してきた特別な衣装作品となります。

服地全体、取り分け前身ごろ胸部から袖部掛けては、布地が見えないほどのボリュームでシルク細糸の刺繍が緻密に刺し込まれ、最小で1〜2mmという極小のミラーを交え、数百〜千にのぼる数のミラーワークで彩られた圧巻のつくり、そのデザインの完成美に目を奪われます。

作品を目にしていると、ロハナ族は自らの誇りを掛け、娘に世界一と誇れる衣装を着せてあげようという気持ち、そしてムスリムの刺繍職人も、職人の誇りを掛け、誰にも真似の出来ない、世界一の刺繍衣装を作り上げよう、そういった気概が伝わってまいります。

残念ながら、ヒンドゥとムスリム双方の誇りが掛けられた、タノブラカーン・コミュニティの傑出した婚礼衣装の伝統は、インドとパキスタンの分離独立により廃れ、今では失われしものとなりましたが、残(遺)された作品の中に”その誇り”は現在も輝き続けております。


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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2011/11/29

タイ・モイ族の盛装用衣装  民族衣装




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製作地 ラオス・フアパン県  
製作年代(推定) 20世紀半ば〜後半
民族名 タイ・モイ族

絹縫取織の頭布”パー・カーン”、絹地ブラウス”スア・マイ”、メダリオン紋様のスカート”シン・ボーク”、タイ・モイ族の盛装用の衣装です。

紫のシルク地が刺繍と縫取織で華やかさに装飾される短丈のブラウス”スア・マイ”は、タイ・モイ族固有のデザイン様式のものですが、女性が着用するのみでなく、宗教儀式の際に男性のシャーマンが用いることが知られております。

2011/11/24

ベトナム北部 パーテン族の民族衣装  民族衣装




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製作地 ベトナム・ハーザン省  
製作年代(推定) 20世紀後半
民族名 パーテン族(Pa Then)



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”パーテン族”はミャオ・ヤオ(モン・ザオ)語族に属する民族で、ベトナム北部の地に僅か3千〜4千人程度が生活する極少の少数民族となります。

民族衣装は赤と黒を基調色に、精緻な緯紋織と縫取織及び刺繍で彩られた布々がアップリケやパッチワークとして嵌めこまれる点に特徴があり、後身ごろの長い上着と巻スカートの取り合わせには独自の様式美、そして可憐さが感じられます。

人口が少ないこともあり、なかなか目にする機会の限られる、知られざる民族衣装の一つです。



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※上画像はベトナム民族学博物館刊資料より転載いたしております

2011/11/1

プー・タイ族の縞入り絣スカート  民族衣装




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製作地 ラオス南部 サワンナケート県  
製作年代(推定) 20世紀後半
民族名 プー・タイ族  
素材/技法 シルク、コットン/緯絣、縞、縫取織




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絵柄を表わす絣糸の間に無地の黒縞が等間隔に織り込まれる“ミー・ルアン(mii luang)”と呼ばれる技巧で手掛けられた、ラオス南部プー・タイ族の手によるスカート作品。

縞が入ることにより絣に点描風の表情が加わるとともに、色彩の華やかさが中和され独特の色彩感を帯びることとなります。腰布と裾布のコンビネーションが美しい秀逸な作例です。

2011/10/30

タイ・ルー族の縞の衣装作品  民族衣装



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製作地 ラオス北部  
製作年代(推定) 20世紀初め
民族名 タイ・ルー族  
素材 木綿、天然藍、シルバー



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製作地 ラオス北部  
製作年代(推定) 20世紀前期〜半ば
素材 木綿、天然藍、絹

縞状のアップリケ装飾の上着と縞織りのスカート、一見するとシンプルな意匠のものと思えますが、ディテイルを良く見ると、手紡ぎ木綿や手引き絹の上質な素材が用いられ、スカートの縞は巧みに織り密度の変化やグラデーションが加えられるなど、手の込んだ作品であることが判ります。

タイ・ルー族は、古い時代からの高度な染織技術を継承する民族であり、一見シンプルな織物の中にも技巧の高さが光ります。

2011/10/23

ヤオ族 シャーマン用の衣装・装身具  民族衣装




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●シャーマン用 刺繍&組紐・腰飾り帯
製作地 ベトナム北西部  
製作年代(推定) 20世紀後半




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●シャーマン用 刺繍ローブ
製作地 ラオス北部  
製作年代(推定) 20世紀半ば

2011/4/26

ラージャスタン砂漠地帯のウール・スカート  民族衣装



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製作地 インド・ラージャスタン州 ジョドプール近郊  
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 ビシュノイ族  
素材 ウール地、ウール刺繍

”29”の戒律を守ることが民族の名前の由来ともされる(異説あり)ヒンドゥの民”ビシュノイ族”の手による婚礼用のウール織り地・ウール刺繍スカート。

短い冬季以外は厳しい暑さが続くタール砂漠エリアで、厚手で重いウール織り地スカートの実用性はほとんど無く、ラージャスタン西部エリアにおいて、このビシュノイ族の作例以外には、ウール製のスカートを目にすることはまずありません。

このスカートは、婚礼に際して幸福と平安、取り分け子宝と羊の豊穣を祈りつつ手掛けられるものであり、裾部には色柄を繊細に変えた多数の”寺院”(地母神”マータ”でもある)文様が取り巻くように描かれ、裾先にも多様な守護・吉祥文様のかがり刺繍が施されます。

ビシュノイ族は、動物と自然を愛好し、自然環境の保護・維持を生活の旨としてきた人々であり、自家製ウールを用いた祈りの意匠のスカートは、彼らの精神性が反映されたものでもあります。


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2011/4/9

ラバリ族の背開きブラウス”カパドゥ”  民族衣装




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製作地 インド・グジャラート州カッチ地方  
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 カッチィ・ラバリ族  
技法 絞り染め、ザリワーク、刺繍

ラバリ族の着用する背開きの丈の短いブラウス”カパドゥ”。妙齢の女性(ラバリ族は若年婚)は赤や緑の華やかな服地で彩られたものを着用します。

結婚適齢期である証しに胸部にはギャザーが加えられ、脇部分にフラップ状の刺繍装飾が加えられるのが、この”カパドゥ”の特徴でもあります。

古い時代は、この土地特産の上質な絹絞り染めの布を服地に、ザリワーク(金属糸紋織)や精緻な刺繍の手仕事により装飾が加えられておりましたが(上画像参照)、現在では化繊地に出来合いの装飾テープを縫い付けたものが主流になりつつあります。


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※上画像はMapin Publishing刊「Threads of Identity」より転載いたしております

2011/4/5

ラバリ族の祝祭・婚礼用ヴェール  民族衣装




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製作地 インド・グジャラート州カッチ地方  
製作年代(推定) 20世紀半ば〜後半
民族名 ワガディア・ラバリ族

手紡ぎ・手織りのウール地に絞り染めが施され、布両端には様々な形の大きなミラーを交えた力強い描線の刺繍で彩られたワガディア・ラバリ族のヴェール。

布上には中心にパッドが縫い込まれ立体感が加えられた9つのメダリヨン状の円花刺繍が配されており、これは婚礼・祝祭時に着用される特別手の込んだ作品となります。


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※上画像はMapin MNMP刊「Mud.Mirror and Thread」より転載いたしております



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