2021/1/18

アラベスク模様  技巧・意匠・素材



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●インド更紗 インドネシア・スマトラ島 イスラーム王族・貴族向け

製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア Coromandel coast
製作年代(推定) 18世紀−19世紀初め
渡来地・使用地 インドネシア・スマトラ島
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染及び描き染め、媒染、防染、片面染め


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(写真 イラン・エスファハーン州 エスファハーンにて)

2021/1/14

パキスタン・タキシラ ガンダーラ遺跡のストゥッコ像  技巧・意匠・素材



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ストゥーパ(仏塔)を装飾するストゥッコ製レリーフ中の仏(菩薩)坐像


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頭部が破損若しくは切り出されたストゥッコ製の仏(菩薩)坐像

今般ウェブサイトでご紹介の「ストゥッコ・菩薩頭部像」は、数十〜百年前の遺跡発掘時にこのようなかたちで頭部が切り出されたものとも推察できます。

パキスタン・タキシラのガンダーラ遺跡においては、ユネスコ世界遺産登録がなされた現在は、遺跡はしっかりと管理され保存修復活動が行われております。


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中心部を砕石でかたちづくり、外側に多孔軟質のカンジュール石を積み上げてかたちを整え、石灰を素材とするストゥッコ(化粧漆喰)で表層を仕上げるとともに、ストゥッコで作られたレリーフで全体を荘厳するという、タキシラのストゥーパ(仏塔)製作方法が解説されております。

(写真 パキスタン・パンジャーブ州 タキシラにて)

2018/5/23

19c英領インド時代ビルマ シルバー彫金ボウル  技巧・意匠・素材




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製作地 ビルマ(ミャンマー) 英領インド時代
製作年代(推定) 19世紀半ば〜後半
素材 シルバー
サイズ 口径:約11cm、胴径:約14cm、高さ:約8cm、底径:約10cm、重さ148g

英領インド時代のビルマ(ミャンマー)で手掛けられたシルバー彫金ボウル、19世紀半ば〜後期のアンティークの作品です。

この見事な打ち出し・浮彫のレリーフで装飾がなされたシルバー彫金ボウルは、ビルマ現地で托鉢用の鉢を意味する”ザベイク(thabeik)”と呼ばれる品モノで、実際には托鉢に用いられることは無く、宮廷貴族・富裕層(統治者の英国人含む)を中心とした人々の装飾用の調度品として手掛けられる伝統を有してきたものとなります。

銀を素材に巧みな打ち出し及び彫金により立体感豊かなレリーフ入りのボウルに仕立てられますが、デザインは”仏教・ヒンドゥ”に由来する神話や説話(ジャータカ等)の場面、 宮廷貴族装束による踊り等の宗教儀式の場面、またミャンマーの土着の”ナッ神”に由来するモチーフなど専ら信仰から題材がとられており、漆器・染織・木彫等とともに信仰と不可分の美術工芸として技術が高められていった様子を伺うことができます。

本ザベイクは胴径約14cmのふっくらとした造形の器側面に、様々な仕草の貴族装束姿の人物6体が立体感豊かかつ細やかに表わされた作品で、瓔珞や唐草等の背景モチーフを併せて卓越した彫金技術と作品の完成度の高さが感じられます。取り分け本品は人物の表情や仕草の硬さの無い生き生きとした表現が秀逸で、衣装の細部にわたり見飽きることがありません。

高度に熟練した世襲の銀細工職人(シルバースミス)が、貴族・富裕層の求めにより一点一点の作品を丹念な手仕事により製作にあたったものであり、19世紀コロニアル美術工芸期の時代の精神性が伝わる逸品です。




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2018/2/13

孔雀デザインの織機綜絖吊り木製滑車  技巧・意匠・素材




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(写真 タイ・チェンラーイ県 チェンセーンにて)


染織が宮廷儀礼や仏教儀礼に纏わる装束や装飾のものとして製作が盛んであった土地では、部品一つ一つに美しい装飾が施された木製及び金属製の織機が用いられてきました。

織機を構成する部品(綜絖(そうこう)・筬(おさ)を吊る装置の部品)として使われていた、この手の込んだ”装飾滑車”からは、敬虔な仏教信仰を背景とする古き良きインドシナ伝統染織の時代が偲ばれます。染織が神仏への祈りとともにあった時代の所産です。

2018/1/31

美しき直し  技巧・意匠・素材





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19世紀末〜20世紀初めの百数十年前に手掛けられたカンボジア絹絣に見られる小穴の直し。

この鈎針編みによる直しも五十年以上は遡る古い時代のものと思われますが、糸遣い・編み縫いの手仕事が極めて繊細で美しく、目にしていると気が鎮まってくるような心地がいたします。

この絹絣腰衣を大切に想う気持ちが伝わってくる直しであり、これは欠点(欠損)ではなく、むしろ本布の魅力を高める要素となっているようにも感じられます。

見た目だけでなく、直しに込められた精神性が美しいと感じられる一枚です。

2017/2/28

コーヒスタン〜チトラルのカフィール彫刻像  技巧・意匠・素材




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(写真 パキスタン・カイバルパクトゥンクワ州 ペシャワール ペシャワール博物館にて)

2016/11/29

手績み大麻/大麻布の衣装  技巧・意匠・素材




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●ベスト:大麻布/ジャケット:木綿布

(写真 ベトナム・ラオカイ省 サパにて)

2016/7/5

17−18c 銀製”双鳩&パルメット”アムレット  技巧・意匠・素材




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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル
製作年代(推定) 17−18世紀  ※紐は20c初め頃のもの
素材 シルバー、木綿&銀モール巻き紐

本品は打ち出し・彫金により”鳩”と”パルメット”の文様が表されたペンダント型アムレットで、方形のアムレット本体は厚み4mmほどの箱状に成型されており、製作時にロウ付けにより蓋が閉じられますが、内部にクルアーン(コーラン)の一節等の信仰のもの或いは守護のものが収められる慣習があったものとなります。

インドでは”鸚鵡(オウム)”或いは”孔雀”と”生命樹”の組み合わせが鳥と樹木の吉祥文様として一般的であり、この”鳩”と”パルメット”の組み合わせは異質(特殊)であり、所謂インド的なものではなく、ギリシャ−ペルシャ美術様式の系譜上の吉祥文様と考察されます。

製作年代は17−18c、2百数十〜3百余年を遡る時代のものと推定され、古代〜中世のシルクロード交易を通じてカシュミールの地に伝わり・様式化したローカルな(地域性のある)意匠のものと指摘することができます。東西陸路交易の時代の浪漫が薫るアンティーク装身具の逸品です。

この種の銀製装身具は比較的早い年月(百年前後)のうちに再生されることが通常であり、17−18cに遡る時代のもので、本品のように原型を保ったまま現在に伝わったものは極めて稀なものと言うことができます。銀モール巻き木綿紐をあわせ資料的に貴重な残存作例です。



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●本記事内容に関する参考(推奨)文献

2016/6/30

”生命樹”デザイン 合金製・彫金アムレット  技巧・意匠・素材



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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル
製作年代(推定) 18−19世紀
素材 合金製、色ガラス

本品はインド・カシュミール地方シュリーナガルの地で、18世紀〜19世紀に手掛けられたと推定できるもので、銀製ではなく合金製のものである点が第一の特徴、しかしながら銀製の代替品やフェイク品ではなく、当時の世襲の熟練彫金職人(シルバー・スミス)が合金の地金を素材に、巧みな鍛造・打ち出し・彫金・ろう付け等の技巧を駆使して生み出した一級の工芸作品であることをアムレット本体及び手の込んだチェーンとカザリパーツのつくりから指摘することができます。

このデザイン様式の装身具は、主にペルシャ・中央アジア・パキスタン・インドのイスラーム・コミュニティの間で古い時代から使用されてきたものとなります。赤は魔除け及び生命力を表す色であり、この種のアムレットにはカーネリアンやガーネット等の色石若しくは色ガラスが用いられ、本体は唐草・生命樹・羊の角等の吉祥・豊穣を表す彫金モチーフで彩られてきました。

豊穣を表す”生命樹”が力強く躍動感溢れる刻線で描かれ時代物固有の色表情と深みを湛える赤色ガラスがセットされた本体部、繊細なパーツで構成されるチェーンと垂れカザリ、高度かつ繊細な手仕事による意匠の完成美に魅了される一品です。




●本記事内容に関する参考(推奨)文献

2016/6/19

カシュミール ”鳥獣狩猟文”銀&象牙ブレスレット  技巧・意匠・素材



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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州  
製作年代(推定) 18−19世紀
素材/技法 銀、象牙 / 打ち出し、透かし彫り
サイズ 外径:約10cm、内径:約7cm、重さ:71g

カシュミールの地は古い時代よりペルシャ・中央アジアとインド及びチベット・中国とインドを結ぶ交易路シルクロードの支流として様々な文物がもたらされた土地柄であり、美術工芸においても東西文化の影響を受けた特色ある作品が生み出されてきました。

“鹿””うさぎ””狐””鳥”等の具象モチーフを交えた唐草繋ぎの流麗で躍動感溢れる彫金意匠が本品の最大の見所、ペルシャ及びムガル様式の香りが色濃い時代装身具としての濃密な存在感に目と心を奪われる一品です。また重厚で古色を纏ったアイボリー(象牙)パーツと銀細工とのコンビネーションにも格別な味わいが感じられます。

カシュミールの地の空気感と精神性が凝縮されたアンティーク装身具の格調高き逸品です。




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●参考画像 ムガル好みの狩猟文様(18−19c インド更紗)
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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

2016/6/3

カシュミール様式 合金製・彫金アムレット  技巧・意匠・素材



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製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガル
製作年代(推定) 18−19世紀
素材 合金製

この俵状に成型されたホルダー(コンテナー)型アムレットは、ペルシャ(イラン)・中央アジア・パキスタン・インド等のイスラーム・コミュニティの間で古い時代から使用されてきたものとなります。

本体自体がアムレット(護符)を表しますが、空洞となる筒の内部に製作時クルアーンの一節等の護符が収められる、また脇部が開閉式となり、使用者自身が護符を収められる等のバリエーションを各国各地の作例により確認することができます。

本品はインド・カシュミール地方シュリーナガルの地で、18世紀〜19世紀に手掛けられたと推定できるもので、銀製ではなく合金製のものである点が第一の特徴、しかしながら銀製の代替品やフェイク品ではなく、当時の世襲の熟練彫金職人(シルバー・スミス)が合金の地金を素材に、巧みな鍛造・打ち出し・彫金・ろう付け等の技巧を駆使して生み出した一級の工芸作品であることをアムレットのつくりから指摘することができます。

彫金デザインは明らかにペルシャ及びムガル美術様式の香りがするものであり、同種の装身具、またカシュミール地方に現在に継承される建築・染織・工芸に見られる意匠から”カシュミール様式”と呼称されるところとなります。

高度かつ繊細な手仕事による彫金の完成美、地金の有する素地の美しさ等、製作者の意図が全体及びディテイルから伝わる充実した作品であり、カシュミールの地の空気感と精神性が凝縮されたアンティーク装身具の格調高き逸品です。


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●シュリーナガル シャー・ハマダン・モスクの床敷き
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(写真 インド ジャンムー・カシュミール州 シュリーナガルにて)




●本記事内容に関する参考(推奨)文献

2016/3/9

トラジャ・カード織+18cオランダ銀貨&ビーズ  技巧・意匠・素材



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製作地 インドネシア・スラウェシ島 西スラウェシ州  
製作年代(推定) 19世紀後期〜20世紀初頭 ※オランダ銀貨・グラスビーズは18c以前のもの
民族名 ママサ・トラジャ人
素材/技法 木綿、染料、オランダ銀貨(一部インドネシア他コイン)、グラスビーズ / カード織(ダブルフェイスト織、経捩織)

未だ地球上に超大国が誕生する以前、産業革命前夜の時代にスラウェシ島トラジャに渡ったオランダ銀貨やグラスビーズが付された、ママサ・トラジャ人製作のカード織帯”パラワ(palawa)”。

海洋交易の対価であるオランダ銀貨やグラスビースとともに、このカード織の帯布もトラジャ域内の交易品であり、ママサ・トラジャ人の手掛けた特殊な技術による文様帯はサダン・トラジャ人の王族・貴族の手に渡り、”聖なる布マア”のひとつとして扱われ伝世されてきました。

2016/3/8

水牛 テドン  技巧・意匠・素材



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●西スラウェシ州カルンパンで手掛けられたトラジャ儀礼用の木綿経絣
製作地 インドネシア・スラウェシ島 西スラウェシ州カルンパン
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名 製作者:カルンパン(マッキ)人 / 使用者:サダン・トラジャ人



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(写真 インドネシア・スラウェシ島 タナ・トラジャにて)

2016/2/17

トラジャ彫刻とトラジャ向けインド更紗の意匠  技巧・意匠・素材



●サダン・トラジャ人王族の舟形木棺に見られる彫刻の意匠
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(写真 インドネシア・スラウェシ島 タナ・トラジャにて)


●トラジャ向けインド更紗 手描き藍地植物文の意匠
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トラジャ人王族の家系に伝わる木棺を装飾する彫刻の意匠と符号するデザインのインド更紗。

家屋の壁や木棺等トラジャ人の彫刻(ウキ)で描かれるのは、彼らが信仰する”精霊・自然崇拝(アルク・トドロ)”に基づくもので、本意匠は”植物的精霊文”とも名付けることができます。

トラジャ人の”植物的精霊文”が、海洋交易の時代に”トラジャ向けインド更紗”の意匠とされたものなのか、逆に(更に数世紀を遡る時代の)インド更紗等の染織の意匠がトラジャ人の彫刻に影響を与えたものなのか、判断には研究・考察を要するものですが、興味深いものです。

”日本向けインド更紗”の中には、”扇面”や”桜花”など明らかに日本的意匠がデザインされたと判断できるものが存在しており、このことは”純粋なトラジャ的意匠”が描かれたインド更紗が存在し得ることを示唆しているように思われます。




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製作地 インド北西部 グジャラート州?  
製作年代(推定) 17−18世紀
渡来地・使用地 インドネシア・スラウェシ島トラジャ
素材/技法 木綿、天然染料 / 手描き、媒染、防染、両面染め

2016/1/11

古のベンガラ色 朱塗り・京つづら  技巧・意匠・素材



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製作地 日本 京都  
製作年代(推定) 20世紀初め 明治時代後期〜大正時代
素材 竹、漆、顔料(ベンガラ)、和紙

竹や藤のヘギ材(ヒゴ)を組み編みし漆等を塗った箱状の収納具(=葛篭・行李)は、古代に遡る時代に大陸から伝わり、様々な文物の収納・保存に用いられていたことが、正倉院に伝わる収蔵物からも確認することができます。湿度の高い日本において、通気性が良く防虫効果も高い竹編み・漆塗りの葛篭は、着物・文具類を中心とする身の回り品の収納具として長きにわたり用いられ、嫁入り道具ともされてきたものとなります。

本品は平竹ひごを四つ目に編み、和紙を貼って柿渋を塗ってからベンガラの朱漆(本体底部は黒漆)を塗り仕上げた中サイズの葛篭で、形状・サイズから文箱若しくは衣装小物類の収納箱として手掛けられ用いられたものと推察されます。

時代が進むと、居住環境及び服装の変化などから、葛篭が収納箱として用いられる機会・頻度は低下し、木地師や塗り師等の職人が分業で手掛ける”京葛篭”製作の伝統は衰退、また化学塗料や輸入素材を用いた安価な葛篭が市場に流通するようになり、国産素材・手仕事により一つ一つが職人の手で生み出される昔ながらの葛篭はほぼ失われしものとなりました。

古(いにしえ)のベンガラ色、華やかさと深みを湛える滋味あるいろに惹き込まれる一品です。





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