2010/2/27
uma noite de fado que não tem nome 2010年リスボン日記

今夜は、お世話になっているエドアルドおじさん主催の「ファドの会」にゲストで呼んで頂きました。近所の集会所を借りて催された地元の人たちだけの名もなきファドの夜、実はこういった場で思いがけず心打たれるファドに出会えることがあるのです。

バイロ・アウトにある「A Tasca do Chico」がアルファマにもオープンし、アルファマ店のファド・ヴァディオ開催日に司会を務めているのがエドアルドおじさん、今日も司会進行を務めました。
「誰のほうが上手いとか、いいとか、そういうものじゃないのはご存知の通り。それぞれ違うファドがある、今夜はそれを共に味わおう。」と言い歌い始めました。その通りだと思います、そして、それを共有しようと夜の22時から夜中の2時まで皆が集まる事にもファドの良さがあると私は思います。ご近所さんや友人たちがこういう場で顔を合わせて談笑したり、コミュニケーションをとることにファドは一役買っているのです。とてもいい場だなと思いました。機械のカラオケがあまり普及せずにいるのは、経済的理由以外にもこういう側面もあるように思います。歌う人の心と同時に、共に聴く人の心も分かち合える、ファドをファドとして大切にしている瞬間に立ち会えます。
エドアルドおじさんの友人だけあって、いい味のおじさまファドがたくさん聴けました。まるでマイ・ウェイのようなおじさまファドが特に印象的でした。そして、ご近所ポルトガル人だけの会では、ヴァディオでも聴かないようなファドがちらほら飛び出して大合唱になります。歌詞がわからないのが悔しくてなりませんでした。CDに収録されていない世界、誇らしいポルトガル文化が住宅地の中の蛍光灯で照らされた集会所に息づいています。
◇おまけ『お母さんの味』◇
会が始める前にエドアルドおじさん宅でいただいたポルトガル料理。レストランもいいけれど、家庭でいただくお母さんの味はもっと優しくて幸せ。
●バカリャウ・アッサード(鱈のオーブン焼き)

オリーブオイルと玉ねぎだけのシンプルな味。フライドポテトを添えて。テーブルクロスも可愛いのがポルトガルの食卓。
●アローシュ・ドース(お米のプディング)

私は甘いお米は苦手だったんだけど、温かいうちにいただいた奥さんの味は美味しかった。
●孫のペドロ君

お料理じゃないー、メロメロでした。まつげぱっちり!引き出しあけて色んな物をとりたい盛り。世界中どこでも子供はそうなのですね。
2010/2/26
trabalho cuidadoso 2010年リスボン日記
ポルトガルへ再び滞在してから約一ヶ月、一つ山場を越えられた感触を得られた日でした。
今回の滞在では丁寧に言葉を運んで歌うこと、自然体で立つことを目標にしています。それには、穏やかに心を見つめて歌わなければなりません。発音や言葉運びに気を取られているとそれはかなわなくなります。
今夜はポルトガル人の団体さんがいらっしゃいました。パテオの歌手アントニオさんの知人達です。いつもならポルトガル人の前で歌うことがこわくて仕方ないのですが、今日は自然と立つ事ができました。ここ最近、丁寧に言葉を運ぶ事、静寂も音楽として無理に歌い上げない事を楽しめるようになってきたので良かったようです。人間としても少し成長できたように思います。「いい魂だった」と帰り際に言ってくれたのが何よりの褒め言葉でした。師匠も「今日は本当に良かった」と今回初めて言ってくれました。
前回の9ヶ月間の滞在で荒削りだったところを、今回はより細かに彫っている感じです。より繊細に、そして大胆にも歌える本物のファディスタを目指します。
今回の滞在では丁寧に言葉を運んで歌うこと、自然体で立つことを目標にしています。それには、穏やかに心を見つめて歌わなければなりません。発音や言葉運びに気を取られているとそれはかなわなくなります。
今夜はポルトガル人の団体さんがいらっしゃいました。パテオの歌手アントニオさんの知人達です。いつもならポルトガル人の前で歌うことがこわくて仕方ないのですが、今日は自然と立つ事ができました。ここ最近、丁寧に言葉を運ぶ事、静寂も音楽として無理に歌い上げない事を楽しめるようになってきたので良かったようです。人間としても少し成長できたように思います。「いい魂だった」と帰り際に言ってくれたのが何よりの褒め言葉でした。師匠も「今日は本当に良かった」と今回初めて言ってくれました。
前回の9ヶ月間の滞在で荒削りだったところを、今回はより細かに彫っている感じです。より繊細に、そして大胆にも歌える本物のファディスタを目指します。
2010/2/24
entrevista 2010年リスボン日記

今日は展示イベントにテレビSICの取材が入り、とてもきれいなポルトガルの俳優さんや女優さんがいらっしゃいました。皆さんとても気さくな方々で楽しく収録ができました。
私の日本舞踊を見てもらって、メインの「お寿司ワークショップ」があり、試食という流れ。試食の場で私がファドを歌い、みんなで合唱をしたのが写真の光景です。隣は画家の福田雄一さんと、料理人の山本ゆう子さん。
2010/2/20
voz da Liana 2010年リスボン日記
今日は素敵な日だった。私が一番好きなファディスタ、リアナの歌を聞くことができたから!
彼女は以前パテオで歌っていた私より一つ年上のファディスタ、今はロンドンの「O Fado」というポルトガルレストランで歌っています。休暇で戻ってきたのでパテオに顔を出してくれました。
何て言ったらいいんだろうか、彼女の歌を聞くと恋に落ちたような感覚になります。全てのものを洗うような、そんな力があるのです。張り上げる声ではなく、心の中に舞い降りてくるような”届く声”の持ち主なのです。去年会ったときも素敵になったなと思ったのに、今年はしなやかさと柔らかさもまた更に加わっていました。彼女の伴奏をしつつ、聞き惚れていました。師匠をはじめ、店の皆が彼女の歌を聞くのが大好きです。
多分、前もこの日記に同じことを書いたと思うのだけど、やっぱり書きます。私は彼女自身にとても憧れているんだと思うのです。生き方や内面が嘘なく歌に表れているところが特に。とても気さくで物腰もやわらか、それでいて凛とした強さがある彼女に私は心底憧れているんだと思います。彼女に会えたおかげで、ぶつかっていた壁を乗り越えられそうな予感。
彼女は以前パテオで歌っていた私より一つ年上のファディスタ、今はロンドンの「O Fado」というポルトガルレストランで歌っています。休暇で戻ってきたのでパテオに顔を出してくれました。
何て言ったらいいんだろうか、彼女の歌を聞くと恋に落ちたような感覚になります。全てのものを洗うような、そんな力があるのです。張り上げる声ではなく、心の中に舞い降りてくるような”届く声”の持ち主なのです。去年会ったときも素敵になったなと思ったのに、今年はしなやかさと柔らかさもまた更に加わっていました。彼女の伴奏をしつつ、聞き惚れていました。師匠をはじめ、店の皆が彼女の歌を聞くのが大好きです。
多分、前もこの日記に同じことを書いたと思うのだけど、やっぱり書きます。私は彼女自身にとても憧れているんだと思うのです。生き方や内面が嘘なく歌に表れているところが特に。とても気さくで物腰もやわらか、それでいて凛とした強さがある彼女に私は心底憧れているんだと思います。彼女に会えたおかげで、ぶつかっていた壁を乗り越えられそうな予感。
2010/2/19
pá pá pá! 2010年リスボン日記
久々にいい天気のリスボアです。
ここのところ毎日雨続きで寒くてかないません。ポルトガルは日本よりあったかいから避寒できるー♪なんて思ってたのに去年より寒いです、きゃー。パテオで毎日のようにベテランのマリアおばさまが「あー、寒い、なんなのよー!」って叫んでます。そういう時にポルトガル語では「Ai, pá!Que frio!É pá!」とやたら「パ!」を連発します。年配の方が「パ」をいっぱい言うのは日本人の私にはかわいらしく映って仕方ありません。この「パ!」に意味合いはなくって、他にも「ラー」とかがおまけでくっついたりするんですが、使い方がわかると口癖になりそうになります。
さて、嬉しい報告があります。師匠アントニオ・パレイラと2人でライブをすることになりました!今スタッフとしても参加しているイベント「Japão×Portugal 150 Anos」の最終日3月21日にフィナーレで開催が決定、弾き語りです。このライブを目標に掲げて磨きをかけて参ります。
また楽しくなってきました!チャンスを作ってくれたイベントスタッフの皆、本当にありがとう!!
ここのところ毎日雨続きで寒くてかないません。ポルトガルは日本よりあったかいから避寒できるー♪なんて思ってたのに去年より寒いです、きゃー。パテオで毎日のようにベテランのマリアおばさまが「あー、寒い、なんなのよー!」って叫んでます。そういう時にポルトガル語では「Ai, pá!Que frio!É pá!」とやたら「パ!」を連発します。年配の方が「パ」をいっぱい言うのは日本人の私にはかわいらしく映って仕方ありません。この「パ!」に意味合いはなくって、他にも「ラー」とかがおまけでくっついたりするんですが、使い方がわかると口癖になりそうになります。
さて、嬉しい報告があります。師匠アントニオ・パレイラと2人でライブをすることになりました!今スタッフとしても参加しているイベント「Japão×Portugal 150 Anos」の最終日3月21日にフィナーレで開催が決定、弾き語りです。このライブを目標に掲げて磨きをかけて参ります。
また楽しくなってきました!チャンスを作ってくれたイベントスタッフの皆、本当にありがとう!!
2010/2/17
Aspiro a cantar com eles. 2010年リスボン日記

夜に酔い、ファドに酔い・・・とても庶民的なのだけど一瞬にして心奪われる場所になるのがバイロ・アウトの「A Tasca do Chico」、今日久しぶりに訪れました。プロ・アマ関係なく一人の人間の心が見えて、それを皆で共有し合える、そんなファドがファドである場所です。オーナーのシーコさん、名物司会者のジョアォンとエドゥアルドおじさん、皆があたたかく迎え入れてくれました。月・水にこちらで開催されるファド・ヴァディオ(プロフェッョナルの専属歌手ではなくお客が歌う形式、ギタリストはプロが務めるのが一般的。)は人が溢れんばかりに大人気、私も4年前から通いだして常連になっているのです。早速ジョアォンに呼ばれ歌いました。
昨年1月、在ポ日本大使館で行われた新年賀詞交換会で歌わせていただいた際に伴奏してくれたのが、写真右のネウソン・アレイショ(ヴィオラ奏者)。ポルトガルギター奏者を生かし、自身も美しく弾ける若手です、今日は弾き語りをやってくれました。左のジョゼは人気のギタリストでありファディスタです、今日も心の琴線に触れる魂のこもったファドで店中を虜にしてしまいました、粋な色気があります。そのジョゼに「いいファドになったね。」と言ってもらえ、いつもお世辞なんて言わない司会のジョアォンに歌った直後「よし!」と初めて肩を叩いてもらえた今夜、飛び上がりたいほど嬉しい思いでした。
2010/2/14
toco a cantar 2010年リスボン日記
今日から新しい挑戦が始まりました、パテオで弾き語りをすることになりました。自分のもち曲を弾きながら練習していたら、「そのまま行けるだろう、弾き語りでやろう」とギリェルメさん。師匠も「よし」背中を押してくれたので、挑戦する事になり2人のサポートの元、3曲やり遂げました。まさかまさかでしたけれど、正直楽しかったです。
昨日から1日1曲伴奏のコードをしっかり教わっていく作業をしています。他のファディスタの伴奏と、自分の弾き語り、そしてポルトガル語。頭がすでにいっぱいですけど、ヴィオラが確実に上達しているのがたった1週間でもわかるほど、この嬉しさったらありません。他にも2人で掛け合う曲も歌わせてもらっているし、恵まれています。
それから、今日は私が大好きな歌手:ジョゼ・マヌエル・バレットさんにやっと会えました。「待ってたよー」と抱きしめてくれたバレットさんのファドは本当に美しく、前とかわらず時が止まってしまいます。彼が歌う「Fado Vianinha」を昨日から特訓して弾いていたので、彼の声に寄り添って弾けた時の喜びは大きかったです。
昨日から1日1曲伴奏のコードをしっかり教わっていく作業をしています。他のファディスタの伴奏と、自分の弾き語り、そしてポルトガル語。頭がすでにいっぱいですけど、ヴィオラが確実に上達しているのがたった1週間でもわかるほど、この嬉しさったらありません。他にも2人で掛け合う曲も歌わせてもらっているし、恵まれています。
それから、今日は私が大好きな歌手:ジョゼ・マヌエル・バレットさんにやっと会えました。「待ってたよー」と抱きしめてくれたバレットさんのファドは本当に美しく、前とかわらず時が止まってしまいます。彼が歌う「Fado Vianinha」を昨日から特訓して弾いていたので、彼の声に寄り添って弾けた時の喜びは大きかったです。