前にジブリの映画の話をしたら、意外とみんなこうやって見るみたいなものがあって、それぞれに哲学があるのに驚いたことがあります。
わたしはあまのじゃくだからみんながいいというと敬遠しがち。もののけ姫なんて子ども向けとは思えない深遠なテーマで「理解してごらん」と試されているみたいで苦手でした。それでも一応いろいろ見てはいるのですが、ジブリのベストワンが「となりの山田くん」だったというマニアックです。
でも「ハウルの動く城」は良かったです。貸してもらわなかったらこれから先も見なかったかも。ありがとう。これは見て正解でした。評判がイマイチだったと言うのが嘘みたい。最初からあの動く城に魅了されてしまいました。
☆ネタバレ☆
なんといってもあのソフィーのキャラが良かったです。最初、いきなり90歳のおばあさんにさせられたら鏡を見て「ギャー」っと取り乱すのじゃないかと思ったのに、全然落ち着き払っていました。むしろ彼女はおばあさん的性格だったんですね元から。おばあさんにしては元気!という自信がかえってソフィーを生き生きとさせていたというのが面白かったです。どうやって魔法を解いて元のソフィーに戻れるのか気になっていたのですが、空襲が起きてハウルの留守に城を守らなきゃという意識に目覚め、ハウルへの思いをはっきりと意識した途端に戻っていましたね。それより少し前から腰が伸び、しわも減っていたのであれ?と思っていたのですが。
まさにサリマン先生が仕組んだ最終試験のような感じだったのか、芽生えた恋心を荒地の魔女の魔法で試したということだったのかな?憎むべき魔女をソフィーが大切にしていたところも良かったです。もともと悪い人間なんていないんだということですよね。ハウル自身はそれほどインパクトはなかったけど、木村拓哉の吹き替えも落ち着いた青年風でよかったです。いろいろ考えさせられて見れば見たなりにいろいろな答えが出る映画でした。平和がテーマでもあり、愛する心がテーマでもあり、本当の自分の居場所を探すお話でもありました。
難解だと思っていたのですけど、考えてみれば子どもはどんなものを見てもその中にあえて答えを出したりしないことを思い出しました。見て単純に印象に残ったイメージや台詞が残れば、それがその映画の意味なんだということなんですよね。なんだ、もっと楽に見ようと思いました。
うちは子どもが大きくなってしまったけど、小さな子とカルシファーやサリマンの犬を見てわいわい言いながら見てみたいです。おすすめです。
未見のジブリを見なきゃ
それと、英語の吹き替えキャストが豪華だったので驚きました。クリスチャン・ベール(バッドマン・ビギンズ)がハウルでした。すごいセクシーなお声でドキドキしました。カルシファーがビリー・クリスタルというのもぴったり。最近のアニメはすごいね…。ローレン・バコールもだし。

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