気動車魂〜頑張ろう芸備線〜

2018年7月6日から駅構内の被災により、おおよそ9ヶ月動けなくなっていた、志和口駅の3両編成。

どうやら、訪問した当日に救出されるという情報を現地で入手し、沿線で牽引機関車の到着を待つことにしました。

既に情報通の鉄の方が界隈に5名ほどいたことから、ぼちぼちと撮影ポイントを決めることにして、待つこと30分ほど。

牽引担当の機関車（DE10 1514：下関所属車）が徐行しつつ、姿を現しました。
一斉にカメラが向けられます。


志和口駅場内信号は「赤」。
ここで、志和口駅で待機していた作業員が機関車に乗り込み、交信を行っているようでした。


すると、なんということでしょうか、赤信号のまま機関車が駅構内を進行していくではありませんか。


志和口駅に入線した機関車と留置気動車がここで連結。


作業員が気動車の床下機器を点検していました。


このあと数十分ほどの点検等が続き、再び暫くの時間待っていると、機関車に牽引された気動車が三次側へ移動し始めました。

良く見ると、進路表示機に「２」が点灯しています。
（因みに2番線は元々止まっていたホームの番線）
機関車は少し移動したところで止まり、再び交信が行われます。


5分ほどすると、進路表示機が「１」の点灯に変わり、今度は機関車がバックで気動車を1番線へ押し込みます。


当初は、志和地同様、2番線に三次側出発信号機が無い為、どうやって三次側へ移動させるのか気になってはいましたが、私の浅はかな知識では想像できない手続きのようでした。。

ここから最終出発準備か、暫く動きがなくなります。
すると、周辺のギャラリーから1時間後に出る見込みとの情報を耳にしますが、さて実際どうなるか分からず、暫し硬直状態。

そうこうしていると天候が崩れ始め、小雨と強風が周辺を覆ってきました。

ここまで来て心折る訳にも行かず、移動する選択も取れず、ということで辛抱して待っていると、ようやく編成が出発！

[関] DE10 1514 が力強く編成を引っ張ります。


この後、先の志和地にいた車両のように三次〜福塩線経由で回送されるでしょうが、ダイヤ不明であるのと、諸々疲弊していたため追いかけは諦め、「後は頼んだ！」の心で見送りました。


これでようやく、実質的な試運転が実施できるというものです。
被災から毎月のように沿線を記録してきて、列車が再びこのレール上を走ってくるまでに回復した、というのは本当に感慨深いものがあります。

来る4月4日には、暫定ではありますが、営業運転が再開されます。

代行バスとの絡みで、地域住民以外の方からの利用にはハードルが高いですが、是非とも少しでも利用して、復活を多くの方で祝えるような気風が形成されればいいな、と思っています。

豪雨災害発生から267日目となった3月29日、いよいよ予告されていた「三次〜中三田」間において、急ピッチの復旧作業があるレベルまで進み、試運転が開始される日を迎えました。

試運転といえども、芸備線では未だ災害発生当時（2018年7月6日）から留置されたまま動けなくなった車両が、5両存在しています。

←広島
・志和地
　キハ47 2502-キハ47 22


・志和口
　キハ40 2002-キハ47 63-キハ47 148


このうち、試運転開始初日（3月29日）に、志和地駅留置の2両が、自走で駅を後にしたそうです。

なお、志和地では、列車は広島行ホームに留まっており、三次側の出発信号機が存在しない為、一旦甲立まで移動後、三次〜(福塩線)〜福山経由で広島方面に戻ったそうです。

そして翌日の3月30日。

さて、こちらの気配はどうかと、志和口を訪問。
駅訪問と同時に通り雨に襲われ、とりあえず気持ちばかりの切符を購入。
待合室には、先日亡くなったりょうま駅長の献花台に手を合わせている方もおられました。


雨が落ち着き、構内の車両を撮影していると、駅前にJRロゴの入った車が数台入ってくる。
何事かと思いつつ、作業員と駅員さんの話に小耳を立てていると、どうやらこの後、列車を動かすらしいではないか。
想定できなかった、まさかの機会を得ることに。


とりあえず、三篠川沿いに見頃間近となっていた桜を撮影したりしつつ、時間を潰すことにしました。


（その2へ続く）

7月23日の下深川〜広島間、鉄道運行再開を目前に告知された、下深川駅のバリアフリー工事。

2017年の基本構想からおおよそ1年半、いつの間にやら2017年度の広島市予算に計上されており、2018年7月の工事開始に至ったというものです。

8月上旬、駅ホームへの階段から目と鼻の先あたりに、囲いが現れました。
写真左奥にも囲いが出来ています。
跨線橋とエレベータの工事部分になるのでしょう。

工事に伴い、8月4日から、列車の停止位置が三次側に移動する旨の案内板も設置されました。


少し開いて11月半ば。ホーム上の屋根が一部撤去。
駅敷地内の団地側にショベルカーが入っていました。


間もなくこのような筒状の空洞が現れました。
ここに跨線橋の脚の部分が設置されるかと推測されます。


12月頭。ホーム上にもショベルカーが入り、筒状の空洞が現れました。


12月末。エレベーターの稼働空間となる場所が掘り下げられていっています。


ホーム側から駅舎側の方向を見た光景です。


前の写真の右上からのアングルです。


まだこの状況でも改札からどのように通路が出来ていくのか、イマイチ見えてきません。
もう少し様子を見つつ、ある程度纏まった期間で様子を更新していきたいと思います。

豪雨災害発生から246日目となった3月8日、JRの運転計画が更新されました。

先月、暫定の運転再開日が4月4日（木）になると公表された、三次〜中三田間運行ダイヤが決まりました。
（代行バスの時刻・便数は変わらないようです）

中三田行（三次発列車）
三次 5:25	向原6:00→志和口6:15→中三田6:27
三次 6:24	向原7:02→志和口7:16→中三田7:29
三次 7:43	向原8:19→志和口8:33→中三田8:46
三次 16:07	向原16:43→志和口16:57→中三田17:10
三次 17:00	向原17:45→志和口17:59→中三田18:11
三次 18:37	向原19:12→志和口19:27→中三田19:39
三次 19:38	向原20:16→志和口20:31→中三田20:43
三次行（中三田・志和口発列車）
中三田 6:34	志和口6:47→向原7:02→三次7:36
中三田 7:48	志和口8:01→向原8:19→三次8:53
志和口 16:00	向原16:15→三次16:50
中三田 17:17	志和口17:30→向原17:45→三次18:19
中三田 18:24	志和口18:37→向原18:52→三次19:29
中三田 19:48	志和口20:01→向原20:16→三次20:51
中三田 20:58	志和口21:03→向原21:18→三次21:52

向原高校では、一般入試の志願倍率が県内の公立全日制高校で最低の0.25倍となるなど（中国新聞より）、芸備線不通の影響を大きく受けており、三次方面からのみとはいえ、鉄道で通えることはまず第一歩の前進でしょう。

同区間の運行車両は、路盤も考慮した上でもキハ120だと思われますが、バスとは異なり思い切り足を伸ばせるはずなので、多少なりとも自由な空間は広がるのではないでしょうか。

ただ、引き続き夏休み期間を使って、線路の復旧を行うということで、今秋の全線復旧まではまだ時間が掛かることは否めません。

着々と復旧へと前進していく路線をただひたすらに、応援・支援していきたいと思います。