2020/11/18

金秋戦観戦記 2  俳句

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炎帝戦同様に夏井先生の解説、添削も記しておこう。

1位 痙攣の 吾子の吐物に 林檎の香 
【作者自解】 子どもが熱性痙攣になり、頭が真っ白になって抱いていると肩に嘔吐した。
すると食べた林檎の香りがして、我に返ったその時の句。
【解 説】前半で状況が分かり、思いがけない展開になっている。
「林檎」が秋の季語。食べ物全般の季語は美味しく詠むというのが基本であるが、この生々しいリアリティ、林檎の存在感は抜き差しならない状況のもの。従ってそれを指摘する人には「無季の句と思ってもらっていい」と言い切っても構わない。
食欲のない子にすり下ろしてあげたのかと想像させる親心。吐物から香ってくるのにも切なさがある。
【私 感】体験を詠むことで、リアリティーとオリジナリティを一挙に手に入れることができるという見本のような句。

2位 流星のターミナル 三分で蕎麦
【作者自解】次の電車・バスまでに少し時間があり、お腹が空いていたので立ち食い蕎麦に入った時の句。
【解 説】「流星」が季語。「流星のターミナル」がいいフレーズ。
長距離の夜行バス、列車、フェリー乗り場、はたまた「銀河鉄道の夜」を想起する読者もいるかもしれない。
ロマンチックで終わってしまうとズボズボとロマンチックの沼に入ってしまう。
作者はこれまでそうした句があったが、今回そうせず実感、慌ただしさに持っていった所に成長が見られる。
【私 感】 解説に同感。美辞麗句を並べるのではなく、俗なエピソードに着地して感心。

3位 火恋し 形見の竜頭 巻く深夜
【作者自解】兄が亡くなり、かつてプレゼントした腕時計が形見として戻ってきた。
止まると思い出が消えそうで、夜更けに竜頭を巻いて動かしているという句。
【解 説】 きっちりしたいい句。
「火恋し」が季語。秋が深まってくると朝晩冷えてきて身近に火が欲しくなる。
時計と言わず「形見の竜頭」としたのも上手い。
「深夜」の時間帯もよく、亡くなった方の時間を動かし続けたいという思いが伝わる。
【私 感】「直しなしでどうして3位だ!?」と怒鳴っていたが、確かにいい句。
今回上位3句は僅差だろう。

4位 震源の時計台 無音の夜長
【作者自解】北海道で地震があった時、行ったことのあるあの時計台はどうなったのだろうと思った。
その時の思いを詠んだ。
【解 説】「震源の時計台」という表記では、震源のど真ん中と読まれてしまう。
  添削 時計台の無音 震源地の夜長
この語順で季語の「夜長」を印象深く立てることができる。 
【私 感】 語順を変えるだけで格段に良くなる見本のよう!

5位 谷崎のエロス 潤目鰯(うるめいわし)の骨
【作者自解】 谷崎文学賞の副賞が時計で、発想を飛ばしてみた。
谷崎の作品は官能的で、ウルメイワシをつまみに飲みながら読んでいると、イワシの骨までもが官能的に思えてくる。
潤一郎の「潤」と「潤目」をかけるという遊びも入れた。
【解 説】五七五の定型を崩した破調の句。
鰯が秋の季語なので「鰯の骨」だけでいいと思ったが、作者が「潤目」を活かしたいのなら、「潤目の骨」だけでも通じる。 
  添削 谷崎のエロス 潤目の骨○○○
鰯を削った3音分で、「エロス」と釣り合うような「骨」の描写が欲しい。
【私 感】 添削は作者の思いを尊重した上で手直しすること。改作になってはいけないと以前の解説にあった。
○○○は作者に委ねられた。

6位 月光の ひとつぶ受信 電波時計
【作者自解】 電波時計は自動で誤差を修正するが、月の光のパワーを借りて修正するのだったら素敵だなと思った。
【解 説】 月光を「ひとつぶ」と表現したのが詩的でいい。
それを電波時計が受け止めるという発想も瑞々しい。
しかし「受信」と説明せず、読者に思わせてこその十段。
  添削  月光のひとつぶ 電波時計○○○
○○○に「ひとつぶ」の感触、秒針が揺れる様子をオノマトペで表現すれば1位の可能性もあった。
【私 感】 5位と同様、オノマトペは作者の宿題となった。

7位 弁慶が 時計している 村芝居
【作者自解】 時代物なのに、弁慶役が腕時計をして舞台に出てきて、「ヨッ! 時計屋!」と声がかかるような場面をイメージした。
【解 説】「村芝居」が秋の季語。徘徊味のある場面を切り取っていて面白い。
しかしこの叙述では、弁慶が時計している脚本・演出だと読まれる可能性が残ってしまう。
  添削 弁慶は 時計したまま 村芝居
弁慶「は」として何人もいる演者の中で特定し、「したまま」でうっかりしていたとわかるダメ押しをすれば誤読されない。
【私 感】 作句後、客観的に読んでみて意図通りの叙述になっているか確認しなければ。

8位 秋てふや 夢の途中に 時計鳴る
【作者自解】実態のないものを追いかけている夢を見て、その途中でアラームが鳴り目が覚めるということがよくある。
その体験を詠んだ。 
【解 説】詩心は十分あるが、着地が「時計鳴る」でただのオチになってしまっている。
夢うつつの中で微かにアラームが聴こえるようにすると、上五中七が俄然活きてくる。
  添削 秋てふや 夢の途中を 鳴る時計
「に」はその時間のワンポイントになるが、「を」にすることによって経過していく時間の中で、夢うつつに聴こえているのを表現できる。
【私 感】助詞は奥が深い。意味、機能を改めて学ぶ必要がある。

9位 婚破れ 振子響くや 夜半の秋
【作者自解】結婚が破れ、いつもは振子の音など気にもせずスヤスヤ眠れたのに、振子の音が部屋に響いているという句。 
【解 説】問題点は時間が長すぎること。
上五の「婚破れ」で、読者はこれまでのいきさつを思い浮かべ、「振子響く」にも時間の流れがあり、「夜半」も時間である。
時間軸を短くしなければいけない。「や」の詠嘆も強すぎ。
  添削  振子音響く 婚破れし秋夜 
【私 感】語順を変えるだけで、確かに長い時間軸がグッと短縮されている。

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トップの画像は先日知人より送っていただいたもの。
2人では食べきれず、お裾分けで息子に送った。
マメにメールはしているが、もう半年以上会っていない。
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2020/11/13

金秋戦観戦記  俳句

クリックすると元のサイズで表示します2週にわたって予選があり、昨日プレバト俳句の秋のタイトル戦『金秋戦』決勝が放送された。
夏の『炎帝戦』結果をアップしたので、今回も記しておこう。
兼題は「7寺過ぎの時計」で、順位は以下の通りだった(敬称略)。

1位 千原ジュニア(名人2段 予選敗者復活から)
    痙攣の 吾子の吐物に 林檎の香
2位 横尾渉(名人6段 予選Bブロック1位) 
    流星のターミナル 三分で蕎麦
3位 梅沢富美男(永世名人 前回4位でシード)
    火恋し 形見の竜頭 巻く深夜
4位 千賀健永(名人2段 予選Cブロック1位)
    震源の時計台 無音の夜長
5位 立川志らく(名人3段 前回2位でシード)
    谷崎のエロス 潤目鰯(うるめいわし)の骨
6位 藤本敏史(名人10段 前回1位でシード)
    月光の ひとつぶ受信 電波時計
7位 三遊亭円楽(特待生1級 前回3位でシード)
    弁慶が 時計している 村芝居
8位 森口瑤子(特待生3級 予選Aブロック1位)
    秋てふや 夢の途中に 時計鳴る 
9位 中田喜子(名人5段 予選Dブロック1位)
    婚破れ 振子響くや 夜半の秋

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2020/10/22

赤蜻蛉   俳句

久しぶりに田んぼのある方に散歩に行った。 
すでに稲刈りを終え、ハザ掛けの稲を脱穀しているところだった 
    クリックすると元のサイズで表示します クリックすると元のサイズで表示します クリックすると元のサイズで表示します            6月撮影    8月撮影     9月末撮影
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        色褪せし野にひときはの赤とんぼ

野草園にも行ってみたが、秋の草花はあらかた萎れていた。
何かの実(名前を確認し忘れた)の先端に赤トンボがとまっていた。
その赤が一番鮮やかだった。
2

2020/9/9

桔梗のつぼみ  俳句

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桔梗は大好きな花のひとつである。
開花した花もだが、紙風船のようにぷっくり膨らんだ蕾の形状も美しい。

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     桔梗(きちこう)の蕾 吐息のごとひらく

子どもの頃、めいっぱい膨らんでいた蕾に触れた途端開花したことがあった。
力を入れずそっと触っただけだったので、まさに開花の瞬間だったと思われる。
ギリギリ持ち堪えていた切り取り線が裂けるように、五つに分かれていった。
長いこと息を詰め、ゆっくりと吐息を漏らしていくようだった。

桔梗は3音の「ききょう」だが、「きちこう」とも読め、俳句では4音にすることもあるらしい。
2

2020/8/10

炎帝戦観戦記 2  俳句

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炎帝戦の順位を並べるだけでなく、夏井先生の解説と添削も記しておいたほうがいいだろう。

1位 ラジオ体操 おおおなもみの ある空地 
【作者自解】 小学生の頃のラジオ体操は近所の空き地でしていた。
体操後、通称「ひっつき虫」の「オオオナモミ」を友達とぶつけあって遊んだ思い出を詠んだ。
【解 説】 一見どうということのない句に思われるが、「オオオナモミ」を出したのがよかった。
「オナモミ」は史前帰化植物だが、現在絶滅危惧種となっている。
かたや「オオオナモミ」は侵略的外来種ワースト100 に入っている。
そういう経緯がこの植物にあり、図らずも時代性、空気感が描かれている。
【私 感】「オオオナモミ」「オナモミ」の植物名を初めて知った。
子どもの頃、野山を駆け回って遊んでいたが、衣服に付着するのはどれも総称して「ザシ」と呼んでいた。多分方言だろう。

2位 炎天のミミズ 診察券のシミ
【作者自解】 干からびたミミズと、シミの付いた診察券を持って生きている人とで、生と死の対比を狙った。
【解 説】 句またがりの対句表現の型。
「炎天」も「ミミズ」も夏の季語で季重なりになるが、ミミズはすでに干からびた状態なので許容できる。
また、生き物の季語は漢字で書くのが普通だが、下五の「シミ」の表記に寄せているのでいい。韻も計算している。
大袈裟になりがちな「生と死」をさりげないもので対比させているのがいい。
【私 感】 作者の「取り合わせ」にはいつも感心する。

3位 サングラス 外して探す カードかな
【作者自解】 平凡な日常の実体験を気負わずに詠んでみた。
【解 説】 平易な言葉で、日常のリアルな現場を描いている。
「サングラス」は本来眩しいからかけると描くところを、「外して」と季語の本質を逆から表現している。
詠嘆の「かな」も飄々とした効果がある。
【私 感】 他の人の句の「手袋を外して撫でる猫の喉」も褒められていたのを思い出した。覚えておきたい手法。

4位 行合(ゆきあい)の空 御朱印めぐりかな
【作者自解】「行合の空」とは夏と秋を行きつ戻りつするような空のことで、まだ季語ではないようだが敢えて使ってみた。
【解 説】 そのチャレンジは評価する。
言葉もきちんとしているので添削なし。
しかし、5位・6位の句は1位になる可能性を秘めているが、これは4位どまり。
【私 感】 夏井先生の歯に衣着せぬコメントに笑ってしまった。
テーマ性ということか。

5位 蛾の骸(むくろ) ポイントカードで 掬いけり
【作者自解】 部屋に蛾の死骸があり、ティッシュで取るのは伝わる感触がイヤで、あまり使っていないポイントカードで掬いとって処分した体験の句。身近にある死を描いたリアリズムの俳句である(と豪語)。
【解 説】 着眼点はさすが。
しかし「で」が説明的。「中八」と詠嘆の「けり」もいかがなものか。
  添削 蛾の骸掬う ポイントカードの端(は)
こうしていたら断トツの1位だった。
【私 感】 作者のナイーブな視点を見習いたい。

6位 ポイントで もらひし蛍 なほいきる
【作者自解】 ポイントカードはいわば擬似通貨。それを生き物と交換するのは抵抗があったが、光らなくなっても生きていて、小さな生き物の生命力に感動した。
【解 説】 相変わらず発想がとても良い。
作者自身も言っていた「で」が気になるが、これは外しにくい。
そこで説明臭さを薄める方法として、文語「もらひし」を口語「もらった」、さらに促音にしない歴史的かなづかい「もらつた」と表記するといい。
  添削 ポイントで もらつた蛍 なほいきる 
こうすれば1位の可能性があった。
【私 感】 以前夏井先生が「発想と技術は車の両輪。共に鍛えなければいけない」と言っていた。

7位 消しゴムに 彫刻刀の 彫る花火
【作者自解】 同じプレバトの「消しゴム版画」と併せ、今年中止された花火大会を詠んだ。
【解 説】「花火」が夏の季語であるが、実際のものではなく版画なので季語の力が弱まった。
【私 感】 季語を主役に立てる。そして今ある「もの」「こと」を詠むということは最初に学んだ俳句の基本。

8位 早桃(さもも)の香 支援の客の 食事券
【作者自解】 営業自粛のレストランが事前に食事券を販売し、自粛明けに来たお客様に早桃を出したという句。
【解 説】「客の」が不要だった。
季語の「早桃」がデザートなら、わかりやすく明記したほうがいい。
  添削 デザートは早桃 支援の食事券
【私 感】 作者は唯一の女性名人。いつもドラマ性のある発想で作句している。

9位 花は葉に 彼女は妻に そして母に
【作者自解】 季語は「花は葉に」で桜が葉桜に変わっていく様子。
同様に恋人が妻に、母になっていくのと取り合わせた。
【解 説】 難しい季語にチャレンジしたことを評価する。
しかし時間軸が長く詰め込み過ぎで、人生早送りのよう。
妻で1句、母で1句詠める。
  添削 花は葉に 彼女は匂はしき妻に 
     花は葉に 彼女は母として生きる

【私 感】解説で「時間軸が長い」という指摘をよく聞く。気をつけなければ。

10位 ラジオ体操 歯抜けの判や 夏深し
【作者自解】 子どもの頃の記憶。夏休み終盤にラジオ体操を休んだ日のスタンプが空欄で、乳歯の抜けた自分と重ねた。
【解 説】 季語「夏深し」の選択が間違い。
俳句は陰暦で、8月初旬に立秋となり、以降は秋である。
  添削 ラジオ体操 歯抜けの印や 夏休み(子どもに寄せて)
     ラジオ体操 歯抜けの印や 秋暑し(陰暦に合わせて)
     ラジオ体操 歯抜けの印や 朝暑し
【私 感】 季語「夏深し」の選択ミスは、単に時期の違いだけでなく不釣り合いのように思われる。
上五中七の元気な子どもの世界に対して、この季語は晩夏の情趣を感じさせる。
1

2020/8/7

炎帝戦観戦記  俳句

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クリックすると元のサイズで表示します昨日、プレバト 俳句のタイトル戦『炎帝戦』決勝が放送された。
前投稿で「どんな句が詠まれるか楽しみにしている。」と書いていたので、結果を記しておこう。
兼題は『ポイントカード』だった(敬称略)。

1位 藤本敏史(名人10段 前回2位でシード)
    ラジオ体操 おおおなもみの ある空地
⒉位 立川志らく(名人3段 予選Dブロック2位からの敗者復活) 
    炎天のミミズ 診察券のシミ
3位 三遊亭円楽(特待生1級 予選Dブロック1位) 
    サングラス 外して探す カードかな
4位 梅沢富美男(永世名人 前回最下位で予選から参加すべきところ
   永世名人昇格の栄誉で決勝戦に。「断固拒否して予選から出るの
   が男」と他出場者からブーイング。同感。)
    行合(ゆきあい)の空 御朱印めぐりかな
5位 村上健志(名人10段 予選Bブロック1位)
    蛾の骸(むくろ) ポイントカードで 掬いけり
6位 東国原英夫(名人10段 前回1位でシード)
    ポイントで もらひし蛍 なほいきる
7位 千原ジュニア(名人初段 予選Aブロック1位)
    消しゴムに 彫刻刀の 彫る花火
8位 中田喜子(名人4段 前回3位でシード)
    早桃(さもも)の香 支援の客の 食事券
9位 岩永徹也(特待生2級 前回4位でシード)
    花は葉に 彼女は妻に そして母に
10位 千賀健永(名人2段 予選Cブロック1位)
    ラジオ体操 歯抜けの判や 夏深し
    

朝の散歩に行ったら、野草園前の広場で高齢者の方々がラジオ体操をされていた。
優勝句にぴったりだと思い(子どもたちなら尚可)、敬意を表して画像を付けてみた。

今日は立秋。
猛暑で夏真っ盛りという感じなのに、もう夏の季語は使えない。

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2020/8/5

プレバト ウォッチャー  俳句

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TV番組「プレバト 」の俳句コーナーは8年前にスタートし、今年の6月までに1,719句が詠まれたそうである。
6月25日の放送で、全句の中から夏井いつき先生が選ぶ
1句、1句、3句、秀逸句15句、優秀句30句
のベスト50句が発表された。
俳句の世界では秀句の順位を「天・地・人」とするらしい。
ほとんど欠かさず見ている番組なので、発表された作品はどれも憶えのある句ばかりだった。
上位5句は以下のとおりだった。

   花震ふ 富士山 火山性微動     東国原英夫
       2018.4.12 俳桜戦優勝句(兼題 桜と富士山)
   銀盤の 弧の凍りゆく 明の星    梅沢富美男
       2017.1.26 (兼題 横浜のスケートリンク)
   エルメスの 騎士像 翳りゆき驟雨    村上健志
       2019.7.4 (兼題 梅雨明けの銀座) 
    マンモスの 滅んだ理由 ソーダ水    藤本敏史 
       2017.8.31 (兼題 夏休みの宿題)
    右肩に 枯野の冷気 7号車     皆藤愛子
       2019.12.26冬麗戦予選1位(兼題 年末年始の駅弁売り場)

ちなみに、自分が最も好きな句は、
   鰯雲 仰臥の子規の 無重力  東国原英夫
である。
が、これは俳句甲子園に行っての対外試合で詠まれた句だったので、対象外だったかもしれない。
ベスト50句にも入っていなかったし…。
他に好きな句を思い出せるだけランダムに挙げると、
   テーブルに 君の丸みの マスクかな   村上健志(秀逸句
   行間に 次頁の影 夕立晴        村上健志(秀逸句
   八月の 海を置き去る バイクかな    村上健志
   新幹線 待つ惜春の チェロケース    藤本敏史

   凍蠅よ 生産性の 我にあるや      東国原英夫(秀逸句
   紅葉ふる コントラバスを 弾くはやさ  石田明(優秀句
   喧騒の褥暑 走り抜け潮騒        石田明(優秀句
   秋天はがれ落ちる 人にベンチに     石田明
   道化師の ギャロップのごと 牧開    鈴木光(秀逸句
   皸(あかぎれ)に 窓の結露を 吸わせけり  千原ジュニア 
   無花果や 苛めたきほど 手に懐き    光浦靖子

   もてなしの 豆腐ぶら下げ 風の盆    柴田理恵(秀逸句
   空の底 強き風恋ふ 水芭蕉       杉山愛
等々がある。

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名人・特待生のみが参戦するタイトル戦が年4回あり、夏の『炎帝戦』決勝が明日放送される。
炎帝とは太陽のことで夏の季語である。

先週、先々週に予選があり、4ブロックの1位通過者と全ブロックの2位の中から一番良い句を詠んだ1名、計5名が決勝に上がった。
前回のタイトル戦『春光戦』でシード権を得た4名と、最下位だったにもかかわらず永世名人になった栄誉で梅沢さんを含めた5名が待ち構え、計10名で戦うことになる。
どんな句が詠まれるか楽しみにしている。

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2020/7/3

半夏生  俳句

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クリックすると元のサイズで表示します7月に入った。
1日は暦の二十四節気七十二候の「半夏生(はんげしょう)」だった。
夏至から数えて11日目あたりで、太陽の黄経が 100°に達する日(…?) として、今年は7月1日らしい。
カラスビシャク(烏柄杓)が咲く頃で、その別名「半夏(はんげ)」の名に由来するらしい。

先日水生植物園に行ったとき、遊歩道の奥に画像の植物が群生していた。
この植物は何度か見たことがあって知っていた。
「ハンゲショウ」という花名の植物があることも知っていた。
アプリ 『ハナノナ』 でカメラを向けると「ハンゲショウ100%」と出て、見知った花と名前が合致した。
これがハンゲショウだったんだ。

が、このハンゲショウと七十二候「半夏生」の語源になったカラスビシャク(半夏)は全く別の植物である。
カラスビシャクはサトイモ科で、検索してみると「カラスの柄杓」と名づけられたのが納得できるユニークな形状をしていた。
他に「狐のロウソク」「蛇の枕」という呼び名もあるらしい。
サイトにたくさんの画像があったが無断借用するわけにもいかず、先月プレバトで梅沢さんが「半夏生」を季語に詠んだ時、参考画像で映っていたものを撮影した(ホントはこれもダメ?)。
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農家にとっては大切な節目で、この日までに田植えを終えて休養を取るとか、タコを食べるという風習があるそうである。

ハンゲショウは「半夏生草」でドクダミ科である。
そう言えば同じような匂いがした。
半夏生の時期に咲くのでこの名前がついた説や、葉の一部が白くなる様子「半化粧」に由来する説もあるらしい。
葉の片面が白くなるので「片白草」の別名もある。
クリックすると元のサイズで表示しますなぜ白くなるのか? 
それは同科のドミダミの花の白い部分と同じ役割を果たし、花を目立たせ昆虫を呼び寄せるためだそうである。
そして、ドクダミは正確には中心の花穂だけが花で、白い花弁は葉が変化した苞葉(ホウヨウ)とのこと。
そしてハンゲショウの白い葉は、苞葉になりきれていない葉だそうである。
受粉を終えると白い葉の役目を終え、葉緑体が作られ葉は徐々に緑に戻るとのこと。
自然の摂理に改めて感動すら覚える。
神様の配慮のなんと細やかなこと! 且つなんと仕事の美しいこと!

歳時記は季節を春・夏・秋・冬・新年に分け、それぞれをさらに
 時候…四季の気候
 天文…太陽・星・月・天候
 地理…山・海・川・湖・田畑
 生活…衣食住・農耕・病気
 行事…祝日・節句・著名人の忌日
 動物…獣・鳥・魚・貝・昆虫
 植物…花・果実・樹木・野菜

に分類して掲載している。
半夏生は夏の季語だが、上記の理由によって時候の季語にも植物の季語にもある。

カラスビシャクの実物が見たくなって植物園に問い合わせると、しばらく待たされての回答は、
「植えて管理しているのではなく、自然に生えている植物で、以前アジサイ園の下生えにあるのを見たという職員はいるが、今年あるかどうかはわからない」
ということだった。
行ってみようか…。
ハンゲショウは沼地に生育するので水生植物園だった。
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ハンゲショウで俳句を考えたが満足できる句ができず、歳時記の例句にあったものをアップしよう。

      諸草に伸び立つ花穂の半夏生   石川風女


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2020/6/15

散歩点描 3 梅雨晴間  俳句

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今日明日は晴れとの予報で散歩に行った。
中央高速の遥か先に富士山がぼんやり見える。

先日ビワの木を撮った近くの生産緑地に栗の木があった。
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     世の人の見付けぬ花や軒の栗   松尾芭蕉
「おくのほそ道」の旅の途上、須賀川で詠んだ句。

この辺りはまだまだ農家も多く、果樹や野菜が穀雨と日光を浴びて瑞々しく育っている。
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ぶどう畑。近くにはブルーベリー畑もあったが、ネットに覆われて撮影できなかった。
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      ●とうもろこし●ブロッコリー●ナタマメ●ズッキーニ●トマト●ナス

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     水田(みずた)にも青空のあり梅雨晴間(つゆはれま)


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2020/6/13

関東梅雨入り  俳句

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11日、関東甲信地方も梅雨入りした。
これからしばらく鬱陶しい日々が続く。

青空が背景のアジサイの画像はあるが、雨に濡れているのが欲しい。
雨脚が強かったが、レインコートを着て散歩に出ることにした。
普段は意識してないので気づかなかったが、アジサイを求めて歩いてみると結構たくさん出会うことができた。
アジサイもいろいろある。同じものでも土によって色が変わる。
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   布マスク二枚部屋干し梅雨に入る

時世に我が家の家族構成を詠み込んで。
三段切れだし駄作だが敢えて。
言い訳が過ぎる。
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