以前修行を始めたばかりの頃「結界が効くようになっ
たら、一人前の行者である」というようなことを
教えられた記憶がある。
確かに、今まで結構長く拝んでいるが、結界を効か
せるのは本当に難しいと思う。結界を結んだ直後なら、
まだ少々効き目があるようにも思うのだが、しばらく
経つと効果が薄れて、有象無象がやってくる。
残留思念の使い方にも問題があるのだろうが、特に、
仏教では慈悲を根本として、払うようなつもりで結界
する為、有象無象になめられているような気もした。
私が台湾へ留学した理由のひとつに、仙家の剣による
結界を習得したいという望みが、実はあった。当時、
ちょうど台湾へ留学する前のことだが、修法をしても
結界が充分でないので、かなりイライラする状況が
しばしば出現していたのである。で、
上記のように仏教の法は慈悲を根本とするので、霊的な
存在を駆逐するのに厳しさが足りないのではないかと、
妄想した次第である。以前から仙家の剣による結界は
魔障を粛殺してしまうので効き方が凄いという情報を
得ていた私は、それを習ってみたいと思ったのである。
だが結局、台湾でそういう方法を求める事は出来な
かったのである。ところが、帰国してみると、高藤
聡一郎氏が、イメージの武器を飛ばして結界を作る
方法を示した本を出していた。お蔭でやり方は解った。
少々アレンジすればさらに強力にすることができる
だろうと考えたが、…なんとも、皮肉なものである。
日本にいてもそういう法に出会えたわけであるから。
まぁ、台湾へ行った主な目的は中国語の習得であった
から、別にいいのだが。(ToT)
さて、ある程度効果を発揮する、小規模の結界がある。
これは西洋の魔法系のものだが、結構効く。坐禅や
瞑想などをやる時はこれをやっておくと良いだろう。
その具体的な方法は、「魔法修行」(W・E・バトラー著
大沼忠弘訳 平河出版社)に詳しいが、ざっと紹介
してみよう。少し圓寂坊風にアレンジされているかも
しれないが…。(;^_^A
1.先ず、手のひらを前に向け、右手を前に突き出す。
2.その掌の上下に銀色の光をイメージする。
3.そのままの状態で、元の位置まで右にひと回りす
る。(この時、右手の回転に合わせて銀色の光が
ベール状になり、自分のまわりに張りめぐらされる
様をイメージするのである。)
4.出来上がったベールが右回りに回転していると
イメージする。これを持続させる。
5.自分の雑念や想念をイメージの手を使って、ベールの
外に押し出すようにすると、心が鎮まる。
この結界は思念エネルギーなどを結構遮断してくれる。
霊的存在に対してどれほど効果があるかはわからないが、
心を鎮める為にはとても役に立つと思う。自分以外の
他人の思念が、自らの思念に影響を与えていろいろな事を
妄想させる事はよくある。こういう影響力から防御できる
のである。
以前こんなことがあった。それは、電車に乗っていた
ときのことであるが、それまで全然考えてもいなかった
し、刺激も受けてないのに、性的なイメージが次々と
浮かんでくるのに気づいたのである。「まてよ、おか
しいな。今までこんなことについて考えたことはない
ぞ。これはたぶん私の想念ではないぞ。」と思い至った
私は、何回か試したことのある上記の銀のベールの小
結界をやってみたのである。
もちろん、電車の座席に坐っている状態で、手を伸ば
してクルリと回転するのは無理であるから、イメージで
手を伸ばし、イメージで回転して、銀のベールを創り
あげたのであるが。
すると、効果覿面。スーッとそれまでの妄想念は消えて
しまったのである。おそらく、電車に乗っている誰かが
そのような想念を強く発していたために、それに影響され
たのであろうが、銀のベールのイメージがこれほど効果が
あるとわかったのは収穫であった。

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